アイデアはファミレスで生まれる!? イラストスケッチ企画術 事例詳細|つなweB

テーマが「企画」とのことで、アイデアを考えてから、プレゼンするまでの具体的なやり方をまとめます。これまでを振り返ると、成功した企画を考えた時に必ずやっていた3ステップがあったので、そのことを書こうと思います。

1. 深夜のファミレスでひとり手帳を見返しながらラクガキ

新しいお題が来た時、深夜に近所のファミレスで手張にアイデアスケッチを書いていました。スマホは見ないで自分の知識や経験、過去の手帳をパラパラと見返しながら1枚の絵にまとめます。その際、必ず「ローソンクルー♪あきこちゃん」が喋っている吹き出しを入れるようにしています。企画が世に出た時にどうなるか、最初にゴールイメージをビジュアルで書いてしまいます。

2. 周りにネガティブチェックをしてもらう

そんな楽しげなスケッチができたら、ネットやデータベースから数字をかき集めます。その数値を自分で集めた後に、家族や知り合い、チームメンバーに話して意見をもらいます。特にエンジニアやリサーチャーなど、ロジカルなメンバーには時間をとって発表してみて、(悲しくなるくらい)ダメ出ししてもらいます。プレゼン時に突っ込まれそうな点を先回りできるので、質疑応答に強くなります。もともと私はロジカルに積み上げて考えるのが苦手なタイプなので、外部装置としてメンバーの頭脳をお借りします。

3. パワーワードと体験談でプレゼン

アイデアを叩いてもらった後、社内プレゼンに備えてパワーポイントのフォーマットにまとめます。その時に次の2つのことを心がけています。

1つ目は、「パワーワード化」。プレゼンが魅力的に聞こえるように「殺し文句」になるようなパワーワードを考えます。できるだけ時事ネタに紐付けた言葉だったり、「世界初!」などの訴求力の強い言葉をひねくりだします。会議の時に、表紙だけでぐっと面白いと思ってもらえるように、それでいて浮かないようにバランスを考えます。

2つ目は、「体験談を盛り込むこと」です。ネガティブチェックをしてもらう際に意見をもらった人たちの体験談を、プレゼンの中に盛り込むようにしています。知り合いが経験した話は力強いですし、その話を聞くプロセスを踏んだ自分にも自信が持てるのでオススメです。ひとりでつくった企画ではなくチームで作ったという印象を与え、話を聞く人に安心感を与える効果を過去に経験したことがあります。

以上がイラストスケッチから始まる企画術の3ステップです。思い返すと、「近所のファミレスに行くのが成功への近道なのか…?」というほどファミレスを利用していました。ひとりきりで考える重要性を認識するとともに、ファミレスさまさまだなと思った次第です(笑)。

今回のコラムで紹介している企画術の3ステップをイラストで表してみました。アイデアのスケッチもこのようなテイストで描いていますい

 

ナビゲーター:白井明子
(株)ローソン マーケティング本部 シニアマネジャー  デジタルドリブンな取組の推進を担当。「Web人大賞」、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー準大賞」受賞。ACC新事業検討委員会委員、法政大学イノベーションマネジメント研究センター客員研究員。http://www.lawson.co.jp/
白井明子
※Web Designing 2019年6月号(2019年4月18日発売)掲載記事を転載

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