生活者意識はゆっくりと変わる|WD ONLINE

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データのミカタ Web Designing 2019年6月号

生活者意識はゆっくりと変わる データアナリスト萩原雅之氏による統計コラム

企画やアイデアは、時代の変化を理解することから始まる。短期間の流行とは別に、私たちの生活や意識は長い時間をかけて少しずつ変わる。そのようなゆっくりとした変化を明らかにするのが、何十年にもわたって継続される社会調査や世論調査である。

NHKが1973年から5年ごとに実施している「日本人の意識」調査もそういう貴重なデータだ。今年1月、2018年に実施された第10回調査の結果が発表された。質問はあらゆる分野をカバーするが、結婚観や家族観はもっとも大きく変化したものの一つである。「結婚は必ずしもしなくてよい」「子どもをもたなくてよい」など、今では当たり前の価値観が20年、30年前はそうではなかったという項目は多い。自分の考え方が世の中の多数派なのか少数派なのかを、こうしたデータで確認することはプランナーやマーケターには欠かせない。新元号も「令和」と発表された今、平成時代の変化を振り返るのはいいタイミングだろう。

ところで、この調査の第1問は「ふだんの生活で欠かせないこと」を聞いている。メディアでは「テレビを見る」が8割前後でトップが続く一方、「新聞を読む」「本を読む」などは下落傾向にある。着実に増えているのは2003年調査で初めて追加された「携帯・スマートフォンを使う」「インターネットを利用する」の二項目だ。項目を立てるのが遅すぎる気もするが、1998年の時点ではテレビや新聞と並ぶ「欠かせないもの」ではなかったわけだ。

また「家族と話をする」「友人と話をする」という回答も減っている。実際はSNSを通したコミュニケーションは増えており、「話をする」という行為の一部に取って代わったとも解釈できる。新聞や本を「読む」という行為も同じだ。デジタルで多様化したメディアやツールの無意識な使い分けが、平成における最大の変化かもしれない。

「あなたのふだんの生活で欠かせないと思うこと」の推移(1988年~2018年、複数回答)
NHKが5年ごとに調査し、今回で第10回となる「日本人の意識」調査の結果より。 元の質問は11項目あり、そこから7項目を抜粋した 出典 : https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/pdf/20190107_1.pdf
Text:萩原雅之
トランスコスモス・アナリティクス取締役副社長、マクロミル総合研究所所長。1999年よりネットレイティングス(現ニールセン)代表取締役を約10年務める。著書に『次世代マーケティングリサーチ』(SBクリエイティブ刊)。http://www.trans-cosmos.co.jp/

掲載号

Web Designing 2019年6月号

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2019年4月18日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

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「自信に満ちた企画であってもなぜだか通らなかった」「用意周到に進めたつもりでもコンセンサスが得られなかった」。企画に関しては、そういった類のことが社内外を問わずに起こりうるものです。考えが浅いのか、企画が甘いのか、それともコミュニケーションが足りないのか。いろいろと頭の中で考えを巡らせてみるもののその答えはよくわからないまま、なんてことも多いと思います。
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【イントロダクション】
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クライアントの心を鷲掴みにする、勝つための「企画術」


【インプット】
●クライアントは頼りたくなる本当の「インプット」とは?
●課題明確化のためのヒアリング術
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【企画立案】
●やるべきことを見誤らないために、正しく課題を洗い出す
●速く繰り返すアジャイル開発で答えを探ろう
●クライアントの反応からわかる企画提案の落とし穴
●デザイナーが主導する、企画のあり方


【アウトプット】
●読み手目線で伝える企画書づくり
●「聞かせる」「見られる」を意識したプレゼン術
●佐藤ねじ式・「企画」の流儀


●戦国武将から学ぶ、ビジネスに活きる“11”の企画
●チームで企画を生み出すためのTips「12」

など


※記事内容は変更になる場合があります。


【こんな方にオススメ!】
■競合他社に先んじて有力な企画を打ち出していきたい企業担当者、プランナー
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