着実に増えつづけるCMS導入サイト。シェアNo.1はWordPress 事例詳細|つなweB

Web技術のシェア調査の専門サイト「W3Techs」によれば、CMSを使っているWebサイトは10年近くにわたって着実に増えつづけている。2011年では2割程度だったが、2018年に過半数を超え、今年1月には世界の約55%のWebサイトがCMSを導入している。CMSの内訳では、WordPressが6割前後のシェアで推移しており、残りをJoomla!(ジュームラ!)やDrupal(ドルーパル)などが分け合っている状況だ。

第三者によるデータ取得には条件や制約もあるが、同一手法で10年近く測定し安定したトレンドなので、信頼性はあるとみてよいだろう。世界のWebサイトは確実にCMS化に向かっているということだ。ちなみに取得する情報は、CMSだけではなく、Webサーバ、プログラミング言語、アクセス解析ツールのシェアや個別サイトのシステム構成など多岐にわたる。ぜひ覚えておきたい情報源である。

ところで、企業向けで圧倒的シェアを持つWordPressは、個人サイトやブログ作成ツールとしても有名だ。私は1990年代後半から個人サイトをつくっていて、当初はエディターでHTMLを書き、FTPでファイルをアップロードしていた。デザインに四苦八苦したり、コンテンツをHTMLに直接書き込んだりしていた時期もあったので、2000年代以降、続々と登場したWordPress、Wix、TypePadなどのサービスにはわくわくしたものだ。

技術知識がなくても簡単に自分のコンテンツを管理していくという意味では、大企業サイトでも個人ブログでもCMSの役割は同じである。Facebook、Instagram、noteなども広義のCMSと言ってよいだろう。情報発信のプラットフォームやツールは万人に開かれているのだから、コンテンツ勝負となって当然だ。いいコンテンツあってのマネジメントなのである。

世界におけるWebサイトのCMS導入比率推移(2011年~2019年)
オーストリアの調査会社、Q-Success社が運営するWeb調査サービス「W3Techs」が2019年1月に公開したデータより 出典:「Historical trends in the usage of content management systems for websites」 
Text:萩原雅之
トランスコスモス・アナリティクス取締役副社長、マクロミル総合研究所所長。1999年よりネットレイティングス(現ニールセン)代表取締役を約10年務める。著書に『次世代マーケティングリサーチ』(SBクリエイティブ刊)。http://www.trans-cosmos.co.jp/
萩原雅之
※Web Designing 2019年4月号(2019年2月18日発売)掲載記事を転載

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