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特集一覧 Web Designing 2019年2月号

クライアントと濃密で長期の関係を築く方法 8年間「週1度、必ず会ってミーティング」を実施。成果と継続を実現する秘訣とは?

2010年以降、デジタルを中心に出版業界初の試みに挑み続ける星海社を、裏側で企画と仕組みで支えるのがSINAP(シナップ)。両者のタッグはすでに9年目。丸8年で互いの関係性はどう変わり、さらに深化したのか?

SINAP×星海社



大川 貴裕_Takahiro Okawa
(株)シナップ 取締役 クリエイティブディレクター


太田 克史_Katsushi Ota
(株)星海社 代表取締役副社長 COO

ビジネス戦略に携わる機会が増えUX重視の仕組みづくりがメインに

SINAP(シナップ)は、東京・神宮前に拠点を置く、UX重視の成果物制作や継続的なデジタルマーケティングに強みを発揮するデジタルクリエイティブプロダクション。設立当時の2004年に遡ると、当初はフリーランスとして活躍していたディレクター、デザイナーたちによって設立されたWeb制作会社だ。クライアントの課題解決を意識した広義のデザインでアプローチする姿勢は大事にしつつ、Flashを使ったスペシャルサイトが活況だった時代、SINAPもその潮流どおりのWebサイトを手がける機会も多かった。

「2007年~2008年になると、サブプライム住宅ローン危機、リーマンショックで広告系の案件が減少。さらにiPhoneの登場でFlashの案件はなくなっていきました。Web業界が“変化”を求められた時期でした」(SINAP・大川貴裕さん)

増えてきたのがスマートフォンを活用したWebサービス案件。もともと単純な制作案件よりビジネスプランニング案件に携わっていた背景から、今後の企業のビジネス戦略に、Web戦略の占める位置が大きくなると直感できたそうだ。

「UXデザインという言葉が流行る前から、スマホなどのUXを意識したアプリやビジネスの仕組みづくりに携わっていたのが活きて、時代の流れとうまく噛み合えましたね」(大川さん)

出版社が新たな挑戦へ!両者の決断が今につながる関係に

2010年、そうした経緯を辿ったSINAPが、同年7月に起業予定の出版社、星海社と出会い、以後丸8年間、毎週一度SINAPオフィスで両者合同ミーティングが現在進行形で欠かさず開かれるほど、濃密なパートナーシップが築かれていく。技術トレンドの移り変わりが激しい昨今、ここまで深く継続的な関係性は珍しいだろう。

両者の関係性から貴重なヒントを得るために、もう少し星海社の背景を知っておきたい。星海社は起業前から、デジタルを担うパートナーを探していた。インターネットやデジタルが盛んな昨今、出版界は紙中心など従来路線の脱却がなければ衰退しか待っていない状況。デジタル中心で勝負したい新規出版社として、数あるパートナー候補からなぜSINAPを選んだのか?

「SINAPさんから、“新たな出版の常識をつくるなら”と、かなり突っ込んだ提案をしていただけたからです。“この相手なら本気で一緒に闘える”と思いましたね」(星海社・太田克史さん)

「当時は特に出版業界とデジタル業界に大きな溝があったので、当初は“言ってもわかってくれないのでは?”と悩みつつも(笑)、従来の概念を覆したいという星海社の創業理念に適った本気のデジタル提案をすると、想像を越えた柔軟な反応があって、動き出しました」(大川さん)

8年前を思い起こすと今ほど電子書籍が普及しておらず、まだリッチコンテンツはFlashという時代にFlashでなくHTML5対応サイトを立ち上げ、レガシーのフィーチャーフォンは見切ってスマホ対応を中心に据える。極めつけは小説のDRM(デジタル著作権管理)フリー化も行った。

「ガラケー対応は細かくやるべきという時代で、ガラケー対応した方が利益が出るのに、私たちの理念を優先したSINAPさんの真摯な提案姿勢が、関係性の象徴になっています」(太田さん)

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掲載号

Web Designing 2019年2月号

Web Designing 2019年2月号

2018年12月18日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

Web制作会社の動向でわかる!IT業界の2019年

サンプルデータはこちらから

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アンケートとインタビューで浮き彫りにする
Web制作業界の今とこれから

Web制作のリアル 2019

●この5年、Webの役割はどう変わった?
●どんな業務が増え、どんな仕事が減った?
●Web制作以外で広げたい業務は?
●会社として求める人材像は?
●強化したい知識やスキルは?

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デジタル全盛の今、加速度的にWeb制作の現場も変化しています。
ほんの5年前と比べてもスマホの普及やインフラの進化、さらにはAIなど技術的潮流の変化もさることながら、
それらに伴う消費者の行動変化は今までないスピードになっています。

そんな中、デジタルを駆使した課題解決のプロであるWeb制作会社/Web制作者は、
「サイト制作」だけを請け負う存在ではなくなりました。
ブランディングやプロジェクトの上流から参加するコンサルティング、アプリやビジネスツールの開発、
IoT、AI、はたまた採用やコーポレートアイデンティティの構築まで、その仕事の領域は大きく広がっています。

なぜそんなことが起きているのでしょうか。
Web制作という仕事にはそういった新しい領域の課題を解決し、次世代の要望を実現するスキルとノウハウがあるからです。
デジタルを中心とした現代のビジネスは、そんな「パートナー」を求めているのです。

では、そんなWeb制作会社やWeb制作者は何に力を入れ、これからどこへ向かおうとしているのでしょうか。
本特集では、独自アンケートとインタビューによる調査を実施し、Web制作会社の現在の経営戦略や現場の生の声を徹底収集。
過去5年間からの現場の変化を鑑みながら、Webを中心としたデジタル時代の今と近未来を考えてみようと思います。




■[第1部]Web制作白書2019・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Web制作という仕事が登場して20年強。この仕事の形は大きく変化を遂げてきました。
かつてデザインを中心としたその仕事は、今や単なる制作に留まらぬ、実に幅の広い仕事になっています。
Web制作に携わる人達が何を考え、どう働き、どこを目指しているのか。
その点をさまざまな角度から尋ね、その結果をグラフとコメントで構成しました。

Web制作とは今、どんな仕事なのか。そしてこれからどう変化していこうとしているのか。
その結果からは驚きの今と未来が見えてきます。



■[第2部]時代がWebクリエイターを求め始めている! Web制作の今とこれから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・「デザイン経営宣言」をWeb制作者観点から読み解く

[Chapter1]Web制作とクリエイティブの今・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・Web業界の変化と活路
 主に仕事の内容について、打ち上げ花火的なプロモーションの激減、クリエイティブという言葉が引き連れる意味の変遷など、
 Web制作が表現からクライアントの課題解決へと向かっている根拠を探ります。

・Web制作12社が考える「いま現場で必要とされる能力とは?」
 現場では、デザイナーであればデザインを、プログラマーであればコーディングを、という枠組みだけでなく、両者の知識やコミュニケーション能力など、職能が
 広がっている状況を把握します。

・デザインの力は企業になにをもたらすのか?_サイバーエジェント執行役員 佐藤洋介
 いまのWeb制作としての職能をどう育てるのかについて、対個人的、組織論的なアプローチで育成についてのヒントを解説します。
 同様に、個人がどのようにその能力を身につけることができるのか、日常の生活、毎日の仕事のなかでいかにアンテナを張り、知見をためていけるのでしょうか。

・Web制作会社進化論~広がる業務領域~


[Chapter2]制作会社が知っておきたい今ドキのクライアント事情・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
予算策定までのプロセス、要件定義の考え方、社内事情。制作会社に発注したい企業にも、「やりたくてもできない」理由があります。
現在の企業がWebビジネスを行う際、どのような課題や障壁があるのでしょうか。

・クライアントとの適切な関係をつくる「予算や見積もりの考え方」
・濃密で長期の関係を築く方法


など

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