ケーススタディ
ユーザーにバリエーションを提供する、Webサービスでのメリット
日本語Webフォントの実際の導入事例をもとに活用のポイントやアイデアを学ぶ本連載。第3回目は、Webサービスに組み込むWebフォントのメリットを探ってみよう。オリジナルのアンケート作成ができる今回の事例では、日本語Webフォントの存在が大きなアドバンテージを生んでいる。
Text:山田晃輔
「CREATIVE SURVEY」
(田口 亮 株式会社フォーデジット)
https://creativesurvey.com/
日本語Webフォントによる表現と技術のためのコンペティション「Webフォントデザインアワード2013」において一般部門準グランプリを受賞。200種類以上のWebフォントを使って、ステップバイステップでオリジナルデザインのアンケートを作ることができる。
スタイリッシュなオリジナルアンケートを作成
「CREATIVE SURVEY(クリエイティブサーベイ)」は、オンライン上の簡単な操作で高機能かつデザイン性に優れたアンケートを作成することができるWebサービスだ。開発はWeb制作会社である(株)フォーデジットが“CREATIVE SURVEYチーム” として、企画からデザイン・開発までをすべて自社で行っている。
ソーシャルネットワークが活発化し、インターネットを介したコミュニケーションが日常的となっている今、オンライン上で特定、あるいは不特定多数に対してアンケートを行いたいと考えた場合、「これが定番」といわれるサービスは今のところ現れていない。また、簡単にアンケートを作成できるサービスの多くは、いかにもHTMLのフォームチックなデザインのものしか作れないのが現状だ。
こういった背景から生まれた次世代のアンケート作成ツールこそがCREATIVE SURVEYである。全体を通してシンプルかつ明確なユーザーインターフェイスを備えており、PCやタブレット、スマートフォンなどさまざまなデバイスに準じたアンケート画面を利用できるのが特徴。配色や画像などのデザインのカスタマイズにおいても自由自在にきめ細かく設定することができるだけでなく、Webフォントが実装されているため、作成したアンケート画面の書体を変更することもできる。
Webフォントは現在コーポレートサイトやキャンペーンサイト、ブログなどを中心に使われていることが多いが、Webサービスに組み込まれた「Webフォント」には、どのようなメリットがあるのだろうか。今回はWebサービスにWebフォントを実装するメリットについて考察していこう。
メールアドレスのみで無料プランを試すことができる。有料プランでは回答閲覧数が増えるなど、機能が追加される
ギャラリーにはさまざまなタイプのテンプレートデザインを閲覧することができる
200種類以上のフォントが選べるアンケート制作側のメリット
CREATIVE SURVEYは、ユーザー登録をすると「新しいアンケートをつくる」より新規でアンケート画面を作成できる。詳しい作成方法は割愛するが、高機能ながらもすっきりとしたユーザーインターフェイスであるため、触っているうちに使い方を覚えることができるだろう。質問が作成しおわったら「デザイン」の設定へと移る。
書体の選択は「文字・文字色」の項目から行うことができる。「和文フォントを選択」をONにし、書体サンプルのサムネイルから好みの書体を選択するだけだ。WebフォントサービスとしてFONTPLUSが導入されているため、フォントワークスやイワタ、モトヤなどの大手フォントメーカー書体を含む200種類以上から選ぶことができる。
入力した文字は、“画像文字” ではなく、Webフォントを用いて“テキスト”として描写されるため、文字修正があってもすぐに反映でき、雰囲気に合わせた書体が気軽に選べるのはメリットが大きい。
Webフォントを利用することで、サービスを開発する側だけでなく、アンケートを作成する側の双方にメリットがあると言えるだろう。
デザインは一からオリジナルで組み立てることもできるが、あらかじめ用意されている「テーマ選択」から選ぶこともできる
フォントワークスの明朝体「マティス ProDB」を選択
プレビュー画面でデザインを確認することができる
スマートフォンやタブレット対応はアンケート回答者にもメリット
CREATIVE SURVEYで作成したアンケート画面は、標準でスマートフォンやタブレットなどのマルチデバイスに対応している。デザインの設定画面で選択した書体はWebフォントとして表示されるため、環境に左右されることなく美しく描写される。
サービスを開発する側、アンケートを作成する側に加え、各デバイスへの最適化はアンケートに答える側にとってもメリットがある。
PC
iPhone
iPad
(Web Designing2014年4月号より転載)