■ パソコンに蓄積された個人情報を守る

あなたは、要らなくなったパソコンをどうしていますか。友人に譲りますか?それとも、中古パソコンとしてショップに売りますか?そして、その時あなたは、パソコンに保存されているデータをどうしますか?
多くの人は、「データを削除した後、ごみ箱を空にする」「ハードディスクをフォーマットする」などと答えることでしょう。確かに、一見、保存されていたデータは消去されたように見えますが、これでは万全ではありません。一般的なデータ復活ソフトを使えば、削除したはずのデータも、簡単に復活させることが可能だからです。

削除したはずのデータが見えてしまう理由

今やパソコンは、個人情報、機密情報の宝庫です。友人・知人の住所やメールアドレスが記載されたアドレス帳、撮りためたデジカメの画像、公私にわたるさまざまなやりとりが記録されているメールのデータなどなど・・。中には、クレジットカードの番号やインターネット接続のためのID・パスワードなどを、メモとして保存している人もいるでしょう。

このようなパソコンを不用意に他人に渡せば、重大な情報漏洩につながることはだれの目にも明らかです。その対処として、データの削除という答えが出てくるわけです。では、削除のメカニズムはどうなっているのでしょうか。
Windowsでは、基本的にデータをファイル単位で管理しています。ハードディスクにデータを保存する場合には、データ領域にファイル本体が記録されると同時に、管理領域という特殊な部分に対象となるファイルの名前やそのファイルがディスクのどの部分にあるかという位置情報が、ファイル本体と関連付けられた状態で書き込まれます。
ご存知のように、「ごみ箱」にデータ(ファイル)を入れただけでは特殊なフォルダにそのファイルが移動したにすぎません。削除を行うには、さらに「ごみ箱を空にする」という操作を行う必要があります。これで、Windows上から見えなくなる、つまり、削除されたことになりますが、実はこの時、管理領域から該当するファイルの情報を消去しているだけでファイル本体は残っているのです。ファイルの管理情報がなくなったために、Windows上からはアクセスすることができなくなった、というのが削除の正体です。
データ復活ソフトは、誤って消してしまったようなデータを復旧するために作られたソフトですから、一般的な手順で削除されたデータは簡単に復活させてしまうことができてしまうわけです。