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新刊案内「藤森流中飛車左穴熊破り」 ~序章に書いてあった中飛車左穴熊の基本~

2016.06.24 | 島田修二

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こんにちは。健康診断の日にしっかり朝食を食べてしまった編集部の島田です。

ここ数日将棋年鑑との格闘のため更新が滞ってしまいました。申し訳ございません。

気を取り直してレッツ・新刊案内!いきます。

本日ご紹介いたしますのは7月14日に発売される藤森哲也四段の新刊、その名も「藤森流中飛車左穴熊破り」です。



本書は「先手中飛車は相振り飛車にされると不利」という常識を覆した、あの中飛車左穴熊への対策を藤森哲也四段が紹介・解説するものです。

これまで今泉四段や杉本七段による中飛車左穴熊目線の本は出ておりました。皆さんご存じの通り中飛車左穴熊は非常に優秀な戦法で、これに苦しめられてきた方も多かったと思います。

そんな方にぜひ読んでいただきたいのが本書で、現在主流となっている指し方から藤森四段らしさ全快の超攻撃的な対策(鬼殺し風藤森スペシャル)や一風変わった作戦(△7六飛パックンチョ戦法)まで、なんと10個もの中飛車左穴熊の撃破法が書いてあります。

今日は本書のスタート地点とも言える中飛車左穴熊の基本を少しだけ紹介してみようと思います。


まず、そもそも中飛車左穴熊ってなに?っていうと、これです。


その名の通り、中飛車にして左側の穴熊に組んでます。

この図は藤森四段によると中飛車左穴熊の優秀性を示す象徴といえる局面だそうで、ここから▲7五歩△同歩▲6六銀ですでに左穴熊側が「勝ったも同然」とのこと。

何と言っても堅いですからね。ごちゃごちゃやっているうちに勝てそうです。


中飛車左穴熊の根本的な狙いは「安全に居飛車穴熊に組む」こと。
5筋に飛車を振って5五の位を取り、相手の角筋を止める。さらに▲5六飛と浮いて△3六歩からの飛車のさばきを防ぐ。
後手の大駒の動きを封じることで当初の目的を実現しているわけですね。

そんな中飛車左穴熊対策として最初に登場したのが次の図。



それまで後手は△4四歩・4三銀型に組んでいたんですが、△4四銀と出ることで▲5六飛にプレッシャーを掛けています。
次に△4五銀~△3六歩が狙いでこれが受けにくい。

中飛車左穴熊の骨子である▲5六飛を直接とがめる手で、左穴熊は絶滅寸前に追い込まれます。

しかしここで救世主が現れました。そうです。菅井五段(当時)です。
ターニングポイントとなったのがこの図。

なぬ!?

まじか!!!

なんと▲5六飛と浮くのをやめてしまいました。なら後手は当然△3六歩と突きますわな。

そこで▲3八銀が菅井先生の工夫。これで指せると思ったことが凄すぎます。
この新手によって中飛車左穴熊は息を吹き返し、さらに今泉四段がこれで勝ちまくったことで一気にメジャーな戦法になったのでした。

でも実際はここまでの話もよく知らずに中飛車左穴熊を指している人も結構いそう。
そんな人にはこの△4四銀でこらしめてあげましょう♪

藤森四段も書籍中でこう書いています。
===================
 早めに▲5六飛と浮いてくればしめたもの。
相手は定跡に詳しくないと思って間違いない。
===================

早めの▲5六飛には△4四銀。そこで出て来たのが▲3八銀。ここまで覚えたところで次行きましょう。
さて、次に出て来た対策というのが、後手がギリギリまで態度を保留する、というもの。
「奴は死ぬまで保留する」(分かる人にだけ伝わればいいやつ)です。



後手が飛車を振らないで先手の出方を見ています。ここで▲4八玉なら相振り飛車、▲6八玉なら居飛車で戦おうというもの。なるほどです。先手が指す手が難しい。

この手の出現で中飛車左穴熊はまたもピンチに。

しかし!!

ここで現れたのが・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しゃべりすぎで、電池が切れました。残念です。


藤森流の対策を紹介する2段階くらい前で終わってしまってなんとも不完全燃焼。そんな気持ちになった方は、ぜひ本書で続きをご確認下さいませ。


あと、この本で特筆すべきは藤森四段の勢いとユーモアのある文章です。

前作「藤森流急戦矢倉」を読んだ方ならわかると思いますが、藤森四段の原稿はとても面白いんです。特に目を引くのが解説の見出し。いくつか抜き出してみます。


・やったぜ▲8三香
・ドラゴンVSペガサス
・押さえ込み一本!
・読みのまた向こうに
・生きてるって気がする


将棋の本ではなかなか見かけない楽しそうな見出しだと思いませんか?
ちなみに2個めの「ドラゴンVSペガサス」というのは龍と馬の戦いのことです。


本書は10個の中飛車左穴熊対策+中飛車右穴熊対策+自戦記という超充実の内容となっています。

これを読めば中飛車左穴熊にも中飛車右穴熊にも負けることはもうないでしょう。

7月14日発売です。どうぞご期待ください!


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