# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.55 棋譜ファイル --- 対局ID:11236 記録ID:5f840ec5d804d20004e30c2a 開始日時:2020/10/19 10:00 終了日時:2020/10/19 16:36 棋戦:第14期マイナビ女子オープン本戦 戦型:四間飛車 持ち時間:3時間 消費時間:130▲180△173 場所:東京・将棋会館 備考:昼休前46手目▲45分△73分\n 振り駒:3,0,竹 計時方式:チェスクロック 秒読み:60秒 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 昼食休憩:12:00〜12:40 昼休前消費時間:46手▲45分△73分 手合割:平手   先手:竹部さゆり女流四段 後手:長谷川優貴女流二段 手数----指手---------消費時間-- *第14期マイナビ女子オープンは先月末に一斉予選が行われ、12名の予選通過者が決まった。4人のシード棋士を加えた16名が西山朋佳女王への挑戦権をかけ、今日から本戦トーナメントを戦う。五番勝負の舞台にたどり着くのは誰になるのか。本日はトーナメントの皮切りとなる一局、竹部さゆり女流四段−長谷川優貴女流二段戦をお伝えする。 *対局は10時より、東京・将棋会館「雲鶴」で行われる。持ち時間はチェスクロック使用の各3時間。先後は振り駒で決定される。 * *本局の感想戦取材はありません。 *https://twitter.com/shogi_mobile/status/1247034286126985218 * *【第14期 本戦トーナメント表】 *https://www.shogi.or.jp/match/mynavi/14/honsen.html *【マイナビ女子オープン 中継ページ】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/ *【主催 株式会社マイナビ】 *https://www.mynavi.jp/ * *(棋譜・コメント入力=若葉) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手] 1 7六歩(77) ( 0:18/00:00:18) *10時、対局が開始された。竹部の振り歩先で行われた振り駒は歩が3枚。本局は竹部が先手番となった。 2 3四歩(33) ( 0:23/00:00:23) *今日の東京は曇時々雨の予報。上空は灰色の雲に覆われている。午後からお天気は下り坂になる見通しだ。最高気温は18度で、やや肌寒い一日である。 3 9六歩(97) ( 0:10/00:00:28) *【対局開始】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119307 4 9四歩(93) ( 1:51/00:02:14) 5 6八玉(59) ( 3:52/00:04:20) *竹部は居飛車党。本局も▲6八玉と上がって居飛車で戦う構えを見せた。 6 4二飛(82) ( 2:14/00:04:28) *対する長谷川は振り飛車党。△4二飛と四間飛車に振った。 7 4八銀(39) ( 1:33/00:05:53) *◆竹部 さゆり(たけべ さゆり)女流四段◆ *1978年6月4日生まれ、神奈川県逗子市出身。伊藤果八段門下。1995年、女流2級。2019年、女流四段。女流棋士番号は19。 *タイトル戦登場は1回。 * *【竹部さゆり女流四段 女流棋士プロフィール】 *https://www.shogi.or.jp/player/lady/19.html 8 6二玉(51) ( 1:28/00:05:56) *◆長谷川 優貴(はせがわ ゆうき)女流二段◆ *1995年9月13日生まれ、兵庫県明石市出身。野田敬三六段門下。2011年、女流2級。2012年、女流二段。女流棋士番号は44。 *タイトル戦登場は1回。 * *【長谷川優貴女流二段 女流棋士プロフィール】 *https://www.shogi.or.jp/player/lady/44.html 9 7八玉(68) ( 0:10/00:06:03) *竹部の通算成績は244勝210敗(0.537)。 *2019年度は9勝8敗(0.529)。 *2020年度は3勝5敗(0.375)。 10 7二玉(62) ( 0:59/00:06:55) *長谷川の通算成績は57勝61敗(0.483)。 *2019年度は11勝10敗(0.524)。 *2020年度は3勝2敗(0.600)。 11 2六歩(27) ( 0:19/00:06:22) *竹部の直近10局の成績は、古い対局から順に○●○●●○●○○●で5勝5敗。 12 4四歩(43) ( 3:29/00:10:24) *長谷川の直近10局の成績は、古い対局から順に●●●●●○●●○○で3勝7敗。 13 2五歩(26) ( 0:08/00:06:30) *マイナビ女子オープンは株式会社マイナビが主催する棋戦で、8つある女流タイトル戦の一つ。20年にわたって開催されてきた「レディースオープントーナメント」が発展・拡大され、2007年に創設された。 *優勝賞金は500万円。現在のタイトルホルダーは西山女王で、第11期から3連覇中である。 14 3三角(22) ( 0:06/00:10:30) *マイナビ女子オープンは棋戦名が示すとおり、女性のアマチュア選手や研修会員も参加できるオープン戦であることが最大の特徴だ。シーズンの開幕に先駆けて「チャレンジマッチ」が行われ、2敗失格のトーナメントを勝ち抜いた9名が予選に出場することができる。予選と本戦はトーナメント方式で、勝ち抜いた選手が女王と五番勝負を戦う。五番勝負は例年4月から6月にかけて行われる。 15 5六歩(57) ( 0:05/00:06:35) *竹部は本棋戦に第2期からの参加。通算で10勝11敗(0.476)の成績を残している。第10期はチャレンジマッチで敗退となったため、上記の数字には含まれていない。 *昨年の第13期は予選を突破し、本戦に出場していた。今期は予選からの登場。トーナメントの決勝で妹弟子で元女王の上田初美女流四段に勝ち、本戦への出場を決めた。本戦トーナメントを戦うのは2年連続4回目となる。 16 3二銀(31) ( 2:46/00:13:16) *長谷川は本棋戦に第4期からの参加。通算で17勝12敗(0.588)の成績を残している。第4期と第5期はアマチュア選手としての参加で、チャレンジマッチを勝ち抜いての出場だった。 *大きな話題となったのは第5期で、アマチュアながら2年連続で予選を突破。本戦1回戦を終えたところで規定を満たし、女流2級としてデビューすることになった。晴れて女流棋士となった長谷川は、そのあとも甲斐智美女流王位(当時)、斎田晴子女流五段、清水市代女流六段(当時)とトップ棋士たちを次々に撃破。そのまま五番勝負の挑戦者となり、女流二段への昇段を決めた。デビュー4戦目での女流二段昇段は最短記録であり、プロ入りから4ヵ月でのタイトル挑戦は女流棋界の黎明期を除けば最速の記録である。 *今期は予選からの登場で、船戸陽子女流二段と中倉宏美女流二段に勝って本戦に駒を進めた。本戦出場は3年ぶり4回目となる。 17 5七銀(48) ( 3:28/00:10:03) *竹部と長谷川の対戦成績は竹部0勝、長谷川1勝。4年前の2016年にリコー杯女流王座戦の一次予選で対戦があった。 *マイナビ女子オープンでは長谷川のアマ時代に1回だけ戦っており、こちらも長谷川が勝っている。第4期の予選決勝での対局だった。 * *【対戦成績】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119309 *【第4期予選決勝の棋譜】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119310 18 8二玉(72) ( 2:54/00:16:10) *序盤の駒組みが続いている。互いに少考を重ねながらの着手。チェスクロックを使った対局ながら、比較的ゆったりとした進行である。 19 7七角(88) ( 0:14/00:10:17) *▲7七角は玉を囲うための一手。▲8八玉と寄るスペースを空けたもので、▲8八玉の次に▲7八銀なら左美濃、▲9八香なら穴熊になる。 *本譜は3手目に▲9六歩と突いて端に手をかけているので、穴熊は目指しにくい嫌いがある。しかし最近の実戦では端歩を突き合った形でも構わず穴熊を目指す将棋も増えているため、まだ断定はできない状況だ。 20 7二銀(71) ( 0:21/00:16:31) *長谷川はデビュー当初は中飛車と四間飛車を中心に指していたが、2016年ごろから三間飛車の採用を増やすようになった。代わりに四間飛車の将棋はめっきり少なくなり、長谷川の実戦ではほとんど見られなくなった。本局は2019年7月以来の採用となる。 21 8八玉(78) ( 0:04/00:10:21) *▲8八玉の局面は7局の前例がある。いずれも15年以上前の将棋で、平成の初期から中期にかけて指されていた。先手には田中魁秀九段の名前が並んでいる。 22 5二金(41) ( 0:22/00:16:53) *後手はスタンダードな美濃囲いに構えた。 23 9八香(99) ( 0:03/00:10:24) *先手がどの玉形を選ぶのかが最初の分岐点だった。竹部の選択は▲9八香。穴熊を目指した一手だ。前例の7局もすべて穴熊の将棋になっていた。 * *【後手四間飛車、先手居飛車穴熊】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119308 24 4三銀(32) ( 2:41/00:19:34) *対する後手の対策は決まったものはないようで、バリエーションに富んでいる。前例で最も多かったのは、△4五歩〜△3五歩と立石流を目指す形。7局のうちの4局で指されていた。ほかには△2二飛と向かい飛車に振り直した将棋や、△4五歩〜△4四銀と銀を繰り出していった将棋などがある。じっくり組み合うと穴熊の堅さが生きる展開になりそうなので、振り飛車はどこかで主張を作りにいく必要があるようだ。 25 9九玉(88) ( 2:16/00:12:40) *対する先手は穴熊を組み上げるまではなるべく穏便に済ませたいところ。後手の仕掛けを警戒しながらの駒組みになる。 26 5四銀(43) ( 4:00/00:23:34) *玉形の整備があらかた済んでいる後手。△5四銀と上がって揺さぶりをかけた。△6五銀〜△7六銀の筋を見せて対応をうかがう。銀の進出を防ぐなら▲6六歩や▲6六銀。ほかには▲7八金△6五銀▲7五歩と銀を呼び込む突っ張った対応も考えられる。 27 6六歩(67) ( 0:59/00:13:39) *竹部は▲6六歩と穏やかに組む順を選んだ。自然な対応だ。 28 6四歩(63) ( 1:42/00:25:16) *高美濃囲いへの組み替えを見せた手。陣形を膨らませて囲いを発展させていく。また、▲6六歩と突かせたことで6筋に争点を作ることができた。△7四歩〜△7三桂と跳ねたあと、△6五歩からの開戦も視野に入れている。 29 8八銀(79) ( 0:03/00:13:42) *▲8八銀とフタを閉め、先手も一息つける形になった。穴熊は王手がかかりにくいのが強みだ。ただ、金銀が密集して堅さを追求できる反面、駒が片寄ってバランスを保つのが難しい嫌いもある。特に先手番は千日手になるとつまらないため、仕掛けを見据えた駒組みが必要。ここからは自陣を固めつつ、局面が膠着状態にならないような工夫が求められる。 30 7四歩(73) ( 2:47/00:28:03) *今度は7筋の歩を突いた。△7三桂から桂の活用を目指す。 31 3六歩(37) ( 0:22/00:14:04) *▲3六歩と突いて攻め味を作る。▲3七桂の活用や▲5九角〜▲3七角の転回、▲3五歩の仕掛けなどを見据えた一手だ。 *▲3六歩の局面で前例は1局になった。1990年10月に指された順位戦B級1組の▲大内延介九段−△小林健二八段戦(段位は当時)で、▲3六歩以下は△4五歩▲5八金右△7三桂▲6七金と駒組みが続いた。 32 7三桂(81) ( 3:56/00:31:59) *△7三桂で瞬間的に▲大内−△小林健戦からは離れた形となった。 33 3五歩(36) ( 0:30/00:14:34) *ここで竹部が動いた。唐突な仕掛け。囲いもそこそこに、隙ありと見て動いていった形だ。後手は△5四銀と上がっているので、角頭が手薄になっている。ポイントを挙げるチャンスと見たのだろう。じっくりとした持久戦になるかと思われたが、早くも局面が動きそうだ。 34 同 歩(34) ( 3:23/00:35:22) *現局面の前例はない。長谷川は自然に△3五同歩と応じる。△4三銀と引いて対応するのでは元気が出ないということなのだろう。 35 3八飛(28) ( 0:06/00:14:40) *戦いが起こった筋に飛車を寄せる。 36 6三金(52) ( 6:43/00:42:05) *玉を固めて手を渡した。▲4六銀には△4五歩と反発してさばきにいく姿勢。以下▲3五銀に△8五桂と跳ねて攻め合いになる。角を逃げればいつでも△6六角と飛び出すことができる。 37 3五飛(38) ( 0:35/00:15:15) *銀を繰り出して攻めかかるのではなく、▲3五飛で1歩を手持ちにした。飛車が軽い形で、いつでも動き出せるようになっている。 38 4五歩(44) ( 2:15/00:44:20) *11時ちょうどの着手。△4五歩までの消費時間は▲竹部15分、△長谷川44分。 39 3七桂(29) ( 0:53/00:16:08) *桂を跳ねて力をためる。攻撃態勢が整ってきた。 40 1四歩(13) ( 3:53/00:48:13) *端歩を突いて様子を見る。△2二角〜△1三角と端から使う味ができた。 * *【先手の積極策】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119312 41 2四歩(25) (11:49/00:27:57) *▲7九金と手を戻すのも自然に思われたが、竹部は積極的だ。▲2四歩と突いて颯爽と攻めていく。本格的な戦いになりそうだ。 *▲2四歩に△同歩は▲5五歩の突き出しがあるだろうか。△同銀は飛車が中段にいる形を生かして▲4五桂と跳ねることができる。以下△2二角は▲2三歩。ここに歩を打てるのが▲2四歩と突き捨てた効果だ。△1三角には▲5三桂成△同金▲5五飛とさばく筋がある。 42 同 角(33) ( 4:53/00:53:06) *そこで長谷川は△2四同角とした。飛車取りに当てながら5七銀取りも見た一手だが、角が動いたことで▲3一飛成が生じている。相手の攻め駒を呼び込む強気の一着である。一気に激しい局面となった。 43 3一飛成(35) (16:10/00:44:07) *ならばと先手も切り込んでいく。もっとも、飛車を逃げると△5七角成があるため、▲3一飛成はこの一手である。竹部は慎重に16分使って着手した。 *▲3一飛成で後手の飛車が当たりになっている。角が動くと飛車が取られてしまうため、△5七角成とは指せない。竜を作らせた代償をどこに求めていくのか。このまま竜に自陣を荒らされてしまうようでは苦しくなってしまいそうだ。 44 4三飛(42) ( 0:23/00:53:29) *▲3一飛成に長谷川はすぐに△4三飛。振り飛車らしい一着だ。飛車を浮いて当たりを避け、次に△5七角成と取れるようにしたのが一つ目の狙い。もう一つの狙いは、△3三飛とぶつけて飛車をさばくことにある。以下▲同竜△同桂の飛車交換は、離れ駒が少ない後手の得になりそう。▲2一竜△3七飛成の進行も飛車がさばけて駒の損得がないため、後手も戦えそうだ。 45 4八銀(57) ( 1:36/00:45:43) *銀取りを受けて▲4八銀と引いた。臨機応変の対応。できれば▲6八銀と玉に近づけて使いたいところではあるが、角のラインに入っているといつでも△6八角成と切られてしまう可能性がある。本譜の▲4八銀は角切りの筋を避け、3七の桂にヒモも付けた一手だ。△3三飛には▲2一竜で先手だけ桂を取ることができる。 *▲4八銀の局面で長谷川が20分考え、そのまま昼食休憩に入った。消費時間は▲竹部45分、△長谷川1時間13分。対局は12時40分に再開される。昼食の注文は竹部が「うな重・竹(ごはん少なめ)、肝吸い」(ふじもと)、長谷川が「豚しゃぶ弁当(梅しそだれ、ごはん半分)」(鳩やぐら)だった。 * *【昼食休憩】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119315 46 9五歩(94) (20:41/01:14:10) *12時40分、対局が再開された。再開後すぐに指されたのは端を攻める△9五歩。盤面の右側は置いておいて直接、穴熊の攻略に向かう。 *玉頭を直撃する端攻めは、常に穴熊の急所となる。振り飛車の切り札ともいえる筋だが、自玉の近いところから攻めているので反動も大きい。特に本譜は3一の竜がにらんでいるため、手が付けば一気に崩壊してしまう危険性もはらんでいる。身を切る攻めといえるだろうか。 47 同 歩(96) ( 0:12/00:45:55) *▲9五同歩と取って堂々と受け止めにいった。わずか12秒の着手。 * *【対局再開】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119323 48 9七歩打 ( 0:39/01:14:49) *▲9五同歩には△9七歩のタタキが継続手だ。▲同桂は△9六歩が桂取り。▲同香や▲同銀は△8五桂と跳ねた手が角との両取りになる。 49 同 香(98) ( 0:18/00:46:13) *竹部は▲9七同香と応じた。 50 8五桂(73) ( 0:10/01:14:59) *狙いの両取りが実現した。穴熊の囲いを削ることができそうだ。しかし▲5九角に△9七桂成と取った手がどこまで厳しいのか。桂を渡すと▲8五桂や▲9四桂といった筋が生じるため、後手にとってはいいことばかりではない。 51 5九角(77) ( 0:13/00:46:26) 52 4六歩(45) ( 1:17/01:16:16) *筋の一着。飛車と角を働かせなければ後手は勝てない。△9七桂成を含みに、右辺にも攻め味を付けた。 53 同 歩(47) ( 1:03/00:47:29) *ここも▲4六同歩と取る。 54 3六歩打 ( 4:00/01:20:16) *▲4六同歩には桂取りに打つ△3六歩が用意の継続手だ。盤上に駒を増やして攻めをより厳しくしようとしている。▲4五桂とかわす手には△4六角が狙いの一手。△4五飛の桂取りと、△1九角成の香取りの狙いがある。△3六歩を利かせていることで、いつでも△3七歩成の筋があるのも大きそうだ。 *△3六歩に▲同竜と辛抱するのは、△4六飛のぶつけがぴったりになる。以下▲3二竜には△5六飛ともう1歩補充する手があるほか、△2六飛と回る手もある。また、歩が手に入れば△9七桂成▲同銀△9六歩と9筋の攻めにも勢いが増す。 55 5八金(49) ( 3:49/00:51:18) *桂取りを甘受して▲5八金右と上部を厚くした。後手が歩切れになっているのを見越した受けで、冷静な対応だ。△3七歩成▲同銀と進んだ局面で後続の手段が難しいと見ている。3七の銀が4六の地点を手順に支えており、後手の飛車角をさばきづらくしている。 *桂を取らずに△4六角には▲3六竜、△4六飛も▲4七銀△4三飛▲3六竜と頑張るのだろう。金を上がったことで△5七角成の筋が消されている。 * *【反撃開始】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119325 56 3七歩成(36) (10:13/01:30:29) *後手は桂得の戦果を挙げたが、歩切れに追い込まれてしまった。△9七桂成と取りづらくなっている。 57 同 銀(48) ( 0:06/00:51:24) *駒割りは▲歩3△桂の交換に。 58 8四桂打 ( 0:18/01:30:47) *△9七桂成は▲同銀で、それ以上攻め込むことが難しかった。△8四桂と控えの桂打ちで攻めの継続を図る。次に△7六桂と銀取りに跳ねる狙いだ。 59 2一竜(31) ( 3:11/00:54:35) *▲6七金と受けに回るのは、△6五歩の筋が厳しかったか。金を上がった手がとがめられてしまう恐れがあった。▲2一竜と攻め駒を補充して前に出る。△7六桂には構わず▲9四歩や▲9四桂と攻め合うつもりだ。 60 7六桂(84) ( 1:50/01:32:37) *1歩を補充しながら銀取り。▲7九銀と逃げると△9七桂成▲同桂△9六歩が厳しくなりそうだ。 61 9四歩(95) ( 3:01/00:57:36) *攻められた9筋を逆襲する。次に▲9三歩成があるため、後手玉もかなり危ない形になっている。△9七桂成や△8八桂成で駒が取られてしまうが、それは先手にとっても望むところ。前者は▲同銀で取られそうな銀を逃げることができ、後者も▲同玉で危険地帯から逃げ出すことができる。 62 9七桂成(85) ( 7:15/01:39:52) *長谷川は△9七桂成と香を取る手を選んだ。先手玉を薄くしつつ、自玉も安全にしている。攻防をにらんだ一手だ。 63 同 銀(88) ( 0:58/00:58:34) *先手は手順に銀を逃げることができた。次に▲8五桂と迫る手があるほか、▲6七金や▲7七歩から攻め駒を根絶やしにする順も見えている。後手は何か対応が必要な局面だ。 64 8四香打 ( 0:28/01:40:20) *長谷川が手にしたのは香。▲8五桂を消しつつ、△8七香成も見た攻防手だ。 65 9八玉(99) ( 1:47/01:00:21) *玉を立って自ら△8七香成を受けた。先手玉はかなり狭い格好をしているが、まだ耐久力はありそうだ。△9四香には角の利きを生かして▲9五歩と打てる。 66 3六歩打 ( 1:27/01:41:47) *長谷川の右手は再び3筋に。手にした1歩で飛車と角の活用を図る。 67 同 銀(37) ( 4:32/01:04:53) *▲3六同銀までの消費時間は▲竹部1時間4分、△長谷川1時間41分。 68 4六角(24) ( 1:47/01:43:34) *長谷川が盤面を広く使ってなんとか手をつないでいる。手順を尽くして△4六角と飛び出す形を実現させた。次に△1九角成〜△4九飛成が後手の狙い。細い攻めだが、切らすとなると苦労も多そうだ。▲3七歩で△1九角成を防ぐのは、△4八歩という狙いすました一手が用意されている。▲同金は△6八桂成▲同金△同角成▲同角△4八飛成。▲同角も△6八桂成▲同金直△同角成▲同金△4八飛成。どちらで取っても困るが、取らないのも△3七角成がある。先手は△4八歩の一手でしびれている形だ。うかつな対応は許されない。 69 9三歩成(94) ( 0:22/01:05:15) *ここで竹部の手も敵陣へ。▲9三歩成と成り捨てた。△同香に▲9四歩〜▲9五歩と連打して香を取る狙いだ。相手玉を攻めると同時に、遠くからにらみを利かせる香を取り払って自玉を安全にしようとしている。 70 同 香(91) ( 0:23/01:43:57) *△9三同玉で玉で応じるのも考えられたが、長谷川は△9三同香とした。歩と香の交換になりそうだ。 71 9四歩打 ( 0:08/01:05:23) *【雨の千駄ヶ谷】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119328 72 同 香(93) ( 0:43/01:44:40) 73 9五歩打 ( 0:04/01:05:27) 74 1九角成(46) ( 2:04/01:46:44) *香取りを手抜いて△1九角成。後手も馬を作りながら香を補充する。次に△6五歩と突き、馬を自陣に引きつけて戦う展開も見える。 * *【壮絶な戦い】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119327 75 4四歩打 ( 0:57/01:06:24) *後手からは次に△4九飛成と成り込む手があった。歩を打って飛車成りを受ける。△同飛には▲4五歩と打って手番を握れそうだ。 76 3三飛(43) ( 1:11/01:47:55) *ひらりとかわした手が銀取り。先手はまだ受けなければならない。▲3四歩から歩を連打して押さえ込もうとするのは、△同飛▲3五歩△4四飛▲4五歩に△2四飛と回り込まれて歩の数が足りない。▲3五歩や▲3七歩と控えて打つことになりそうだ。手番を渡すことになるものの、飛車の侵入は防ぐことができる。 77 3七歩打 ( 1:04/01:07:28) *▲3七歩と下から支えた。 *しかしここで△3七同馬の筋は大丈夫か。▲同角△3六飛で後手は銀が取れる。 78 2九馬(19) ( 8:33/01:56:28) *△3七同馬の順はやりすぎと見ただろうか。相手にも角を渡すことになるため、指しづらかったのかもしれない。本譜は△2九馬と裏側からの活用を目指した。△5六馬〜△6六馬と使う狙いだ。 79 6七金(58) ( 2:13/01:09:41) *しかし後手の飛車が4筋が逸れたため、▲6七金と上がることが可能になっていた。△5六馬を防いで馬の活用を阻止する。7六の桂取りにもなっている。 80 3九馬(29) ( 0:34/01:57:02) *△5六馬の筋は消されても、地道に馬を使う。次に△4九馬が金取りになる。 81 9四歩(95) (11:50/01:21:31) *時刻はちょうど14時を迎えたところ。12分ほど考えて▲9四歩と香を取りきった。駒割りは▲桂△香の交換。 82 4九馬(39) ( 2:17/01:59:19) *一進一退の攻防が続いている。形勢はどちらがいいのか。駒割りはほぼ互角で、先手は竜を、後手は馬を作っているのが主張。先手は穴熊がかなり薄くなってしまったが、すぐに寄ってしまうような形ではない。後手は美濃囲いが健在ではあるものの、9筋にキズを抱えているのは大きそうだ。総合するとまだまだ難しい局面といえるだろうか。 *14時1分の着手。△4九馬までの消費時間は、▲竹部1時間21分、△長谷川1時間59分。 83 9三歩成(94) ( 2:17/01:23:48) *いつでも歩を成り捨てて形を乱せるのは先手にとって小さくないポイントだ。さっそく▲9三歩成を利かせて玉を危険地帯に呼び込んだ。 84 同 玉(82) ( 1:26/02:00:45) *後手は△9三同玉と取るしかない。美濃囲いから離れて不安定な形になった。 85 9六香打 ( 0:09/01:23:57) *△9三同玉に▲9六香と据える。△9五歩〜△9四歩で取られてしまいそうな形だが。 86 9五歩打 ( 1:35/02:02:20) *6七の金が当たりになっているため、▲9五同角とは取りにくそうだ。次に厳しい手がなければ、△6七馬と取られて後手がよくなっていてもおかしくはない。 87 同 香(96) ( 7:00/01:30:57) *よって▲9五同香と香で取った。 88 9四歩打 ( 2:31/02:04:51) *歩の連打で香打ちをとがめにいく。先手の香が捕まった。ここで竹部はどのような組み立てを用意しているのか。 *一例としては、▲9四同香△同玉▲1一竜は考えられるだろうか。▲1一竜は詰めろではないものの、次に▲9五香△8五玉▲8六銀△9六玉▲7六金で必至がかかる。自玉に詰みはないため、▲9五香が入れば先手の勝ち筋だ。ただ、▲1一竜の局面で「敵の打ちたいところに打て」で△9五歩とされたときに継続手があるかどうか。後手は8四香の利きが強く、攻めの取っかかりが見えにくい形である。 * *【追い詰められているのはどちらか】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119330 89 7三歩打 ( 9:16/01:40:13) *9分の考慮で竹部は▲7三歩。▲9四同香と取る前に手裏剣を放った。歩を取らせて陣形を乱し、玉の退路を狭くする狙いだ。銀が動くと▲6一竜と取られてしまうため、後手は△7三同金と取るしかない。△7三同金の局面は上部への脱出口が1つ潰れている。手筋の一着だ。 90 同 金(63) ( 5:44/02:10:35) *長谷川は5分考えて△7三同金と取った。持ち時間はまだ50分ほど残している。 91 7九桂打 ( 1:00/01:41:13) *手の流れからは▲9四香かと思われたが、竹部の手は自陣へ。桂を投入して△6七馬を受けた。金取りを受ける手段はほかに▲5八桂のような手もあったが、玉から離れたところには打ちづらかったか。本譜の▲7九桂は8七の地点にも利かせている。 92 9五歩(94) ( 1:40/02:12:15) *端を逆襲された後手だったが、△9五歩までで進んでなんとかしのいだようだ。8四の香が8筋の制空権を確保しており、非常に手厚い駒になっている。香を取った9五の歩も攻めの拠点になりそうな形をしている。 93 7六金(67) ( 0:10/01:41:23) *非常手段のようにも見える一手だ。重しになっていた桂を金で取り払った。ただ、△7六同馬と取り返された形が絶好のポジションになる。 94 同 馬(49) ( 1:26/02:13:41) *駒割りは▲桂桂△金香香の交換で後手が駒得になった。△9六香や△8七香成など攻める手段もある。馬の存在感が大きい。形勢は後手がよくなっただろうか。 95 8八桂打 ( 0:04/01:41:27) *桂を自陣に投入。目障りな馬を追いながら△9六香の筋にも備えた。 * *【受けに回る先手】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119331 96 7五馬(76) ( 2:42/02:16:23) *2分の考慮で馬を引いておく。リスクを避けた落ち着いた一手である。 *一気に決めにいくなら、△8七香成のような手も考えられた。▲同桂に△9九金▲同玉△8七馬と迫った手が△9八香までの詰めろで、6九の金取りにもなっている。ただ、駒を渡す攻めになるため、決めきらないと形勢はすぐにひっくり返ってしまう恐れがあった。本譜は手堅い順を選んだ形だ。 97 7六歩打 ( 0:38/01:42:05) *さらに馬を追う。8四香との連係を断ちにいく。 98 6六馬(75) ( 0:46/02:17:09) *ひらりひらりと先手の追及をかわしていく馬。 99 7七角(59) ( 1:14/01:43:19) *働きの弱かった角も使った。苦しい辛抱を重ねている竹部だが、先手の駒も徐々にまとまってきている。 100 5六馬(66) ( 1:02/02:18:11) *この手で100手に達した。△5六馬までの消費時間は▲竹部1時間43分、△長谷川2時間18分。 101 1一竜(21) ( 2:20/01:45:39) *馬を追うだけ追って香を補充。次に▲5九香と打つ筋がある。 102 9四香打 ( 1:57/02:20:08) *歩の裏に香を設置。△9六香と打ってすぐに攻めかかるのではなく、じっと戦力を足して力をためた。次こそ△9六香が厳しそうだ。 103 5八香打 ( 7:09/01:52:48) *馬と銀の両取り。ただ、後手玉から遠い駒を攻めているので響きは薄い。 104 3四馬(56) ( 3:01/02:23:09) *決めにいくなら△8九馬▲同玉△8五桂のような順も考えられたが、ここも落ち着いて対応した。後手を引いたようでも、馬が遠くから先手玉の退路を断っている。6一の金にもヒモを付けていて攻防の位置だ。 * *【9筋制圧】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119332 105 6七歩打 ( 8:11/02:00:59) *ここ数手の先手は「忍」の一字である。なけなしの歩を打って馬の利きを遮断した。代わる手も難しかったということだろう。苦しい辛抱が続いている。 106 9六香打 ( 2:12/02:25:21) *満を持しての攻め。3枚の香が先手陣を貫いている。83手目▲9三歩成からは後手がしのぐ展開になっていたが、現局面は端の勢力図がすっかり塗り替わってしまった。 *△9六香を▲同桂は、△同歩▲同銀△同香▲9七歩に△8五桂が予想される手順。後手の攻めが止まらなそうだ。最後の△8五桂のところでは、△6五銀と自陣の駒を使っていくような手も考えられる。▲6七歩と打ったことで▲6二歩が打てなくなっているため、先手からの反撃手段が限られているのが大きい。 107 5四香(58) ( 8:10/02:09:09) *▲9六同桂では持たないとみた。開き直って▲5四香と銀を取る。銀は攻めだけでなく、受けにも使える可能性がある。 108 9七香成(96) ( 2:41/02:28:02) *銀を取って決めにいった。▲9七同桂に△9六歩が厳しい。 109 同 桂(89) ( 0:13/02:09:22) *ただ、△9六歩の瞬間は王手になっていないためわずかに甘い。▲8五桂打の王手金取りが先に入りそうだ。以下△8二玉▲9三銀△7一玉▲9六桂と進んだ局面はどうなっているのか。 110 8二玉(93) ( 3:50/02:31:52) *長谷川の指し手は冷静沈着だ。早逃げして▲8五桂打が王手になるのを避けた。次こそ△9六歩が厳しくなりそうだ。 *時刻は15時30分を回った。△8二玉の局面で竹部が手を止めている。消費時間は▲竹部2時間21分、△長谷川2時間31分。両者ともまだ30分近く時間を残している。 111 8五桂打 (13:13/02:22:35) *貴重な13分を使い、玉引きにも構わず▲8五桂打とした。△9六歩〜△9七歩が届く前に、敵陣に迫る形を作っている。 *▲8五桂打に△6三金とかわすのは利かされで、▲9三銀△7一玉は▲3五香の田楽刺しが嫌み。以下△同馬▲同銀と進むと次に▲5二角が厳しいため、攻守が完全に入れ替わっている。この変化は「危ない」で済んでいない可能性もありそうだ。 112 同 香(84) ( 4:20/02:36:12) *そこで長谷川は△8五香と桂を取る順を選んだ。以下▲同桂に△8四銀と受けに回る姿勢か。相変わらず△9六歩が着実な攻めとして残っている。 113 同 桂(97) ( 5:41/02:28:16) *取られそうだった自陣の桂が、後手陣を切り崩す貴重な攻め駒になった。一瞬の隙を突いて先手も厳しく迫っている。 * *【先手にも楽しみあり】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119340 114 8四銀打 ( 1:44/02:37:56) *代えて△6三金はやはり▲9三銀と打たれてしまう。△8四銀と持ち駒を投入して耐えた。 115 3五香打 ( 3:03/02:31:19) *▲8五桂の形を作ったことで、▲3五香の威力が増している。△同馬▲同銀△同飛には▲6二香と打つ手がある。歩の手筋を香で代用したもので、△同金は▲7一角が王手金取り。△7一金は▲9一角で一気に寄り筋に入る。現局面は先手にとって角が最も価値の高い駒だ。 116 8五銀(84) ( 1:05/02:39:01) *馬を犠牲に火種を取り払う非常手段だ。「終盤は駒の損得より速度」で、一手争いの終盤戦に突入している。 117 3四香(35) ( 0:06/02:31:25) *ぼろっと馬を取れたのは大きい。次に▲3三香成の飛車取りになっているほか、▲6二銀と打つ手も厳しい攻めだ。 118 9六歩(95) ( 0:54/02:39:55) *馬に続いて飛車も差し出す。飛車を取らせている間に先手玉を寄せきってしまうつもりだ。▲3三香成には△7八金が必殺の一手。△9七歩成▲9九玉△9八とまでの詰めろになるが、△7八金に▲同金もやはり△9七歩成以下の詰んでしまう。3三の飛車は毒まんじゅうの可能性が高そうだ。 119 6二銀打 (13:10/02:44:35) *飛車は取るのはワナだと見た。▲6二銀と厳しく迫る。しかしこの銀打ちは詰めろになっているのかどうか。▲7一角△9二玉▲9三香△8一玉の変化は先手がはっきり足りない。 120 3一歩打 ( 2:42/02:42:37) *危ないと判断したようだ。取られそうな飛車を使って△3一歩と防壁を作った。 121 2二竜(11) ( 0:33/02:45:08) *引いて竜を使った。ここで△7八金には▲7三銀成△同玉に▲9五角打から根元の香を取ってしのぐ順がありそうだ。竜が二段目に移動したことで、▲7三銀成を△同銀と取れなくなっている。また、攻めては▲6一銀成が厳しい狙いだ。 122 5二桂打 ( 4:28/02:47:05) *桂を打って竜の利きを遮断した。▲6一銀成や▲7三銀成を△同銀と取れるようになった。 123 3三香成(34) ( 7:07/02:52:15) *ここで▲3三香成と飛車を補充。 *消費時間は▲竹部2時間52分、△長谷川2時間47分。 124 7八金打 ( 5:10/02:52:15) *必殺の一手が放たれた。お手本のような退路封鎖の捨て駒だ。▲同金は△9七歩成から詰んでしまうため、先手は受けがない。 *問題は後手玉に詰みがあるのかどうか。駒台は飛車角香と充実している。▲7一角や▲7三銀(不)成、▲6六角とのぞく筋のほかに、▲5三香成もある。後手玉もかなり危険な格好だ。ゴールは綱渡りのような手順を乗り越えた先にある。 *竹部の手が止まった。刻一刻と持ち時間が減っていく。先手としては後手玉を詰ますよりない。希望の光を見つけることができるかどうか。 * *【退路封鎖】 *https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/blog/detail/id=119341 125 9五角打 ( 7:38/02:59:53) *持ち時間いっぱいまで考えて受けの一手をひねり出した。香の利きを遮って△9七歩成以下の詰めろを受けている。1手回れば▲7八金と払うことができるようになるほか、▲7三銀成△同銀▲8一金△同玉▲7三角成のような寄せも見ている。攻防手だ。起死回生の一手になるかどうか。 126 同 香(94) ( 0:49/02:53:04) *長谷川はすでに読みきっているのか。49秒の考慮で角を取った。再び△9七歩成以下の詰めろがかかっている。 127 同 角(77) ( 0:07/03:00:00) *先手は▲9五同角と取るしかない。 128 8九角打 ( 0:22/02:53:26) *しかし角を渡したことで、反対側から迫る順が生じていた。 129 9九玉(98) ( 0:00/03:00:00) *激戦に終止符が打たれようとしている。 130 6二金(61) ( 0:11/02:53:37) *▲9九玉に△6二金がぴったりだ。△9八銀までの詰めろで、自陣の嫌みも一掃している。もはや先手に受けは残されていない。端の攻防を制した長谷川が、最後はきれいな手順で先手玉を寄せきった。 *終局時刻は16時36分。消費時間は▲竹部3時間0分、△長谷川2時間53分。勝った長谷川は2回戦に進出。次戦で清水市代女流七段と千葉涼子女流四段の勝者と対戦する。 131 投了 ( 0:00/03:00:00) まで130手で後手の勝ち