真田八段に中盤以降の攻防について聞きました。対局者心理を踏まえた解説で、流れがよく分かります。

真田「1図では△1九竜も普通の手でしたが、△6二銀が実戦的にうまい手でした。▲5三成銀を受けていますが、実は受ける必要はありませんでした。▲5三成銀を許しても△6二銀(▲同成銀は△同角が飛車取り)の味がいいからです。それでも△6二銀としたのは、相手の手を消して悪い手を指させよう、と考えたからだと思います。実際、先手に悪手の多そうな局面でした」

真田「2図の1手前、▲5五角の局面は先手が危なそうでした。西山さんは、△2四竜で技がかかった! と考えたと思います。しかし、▲4六銀がうまい対応でした。△4五歩があるから指しにくいのですが、そこで▲2五歩と打つと、意外に後手から技がかからない」

真田「実際に3図まで進むと、後手の技がかからなかったのは明らかです。だから△7六竜▲7七桂△7四竜のように、じっと反省しておくのがよかったと思います。実戦の△4二金は心理的にじれてしまった手に見えました。△4二金を指してしまうと、後手は駒をぶつける将棋にするしかなく、先手は対応するだけでよいので、かなり楽になったと思います」

真田「▲3四飛が味のいい手でした。狙いは▲3三成銀で△同歩なら▲7四飛△同歩▲9一角成です。実戦の△6四銀▲3七角も先手よしです」

真田「後手は形勢が悪いですから、自分からよくすることはできません。相手に何か悪い手を指してもらわないといけない。何かうまいパスが必要です。パスをしても相手によい手を指されたら負けてしまうので、指していてつらいですが、逆転勝ちの多い人たちは、そういう手渡しがうまいものです。例えば△6二角で4四の成銀取りにして、▲2四飛からの飛車成りを牽制するのはひとつの手だと思います」
実戦は5図からかなり進み、先手が勝勢を築いています。
(牛蒡)


