（定刻10時に対局開始）

（上田女流三段の初手は▲７六歩）

（加藤女王は２手目に△８四歩と突く。第２局と同じ出だしだ）
（銀杏）

上田女流三段の先手で始まった本局は先手向かい飛車になりました。第１図は上田女流三段が作戦を明示したところ。第２局では▲５八飛と中飛車に構えました。
先手向かい飛車は、先手振り飛車の有力作戦の一つです。２月に出た田中悠一五段著「破壊力抜群！角道オープン向かい飛車 徹底ガイド」で詳しく解説している戦型です。

しばらくして第２図に進みました。加藤女王は飛車側を同じ形にしています。８筋の歩の位置がどのように影響するか。また、第２図の玉形は片美濃囲いの先手に利があります。似たような形の中で、先手がどのように仕掛けるかが本局の課題といえます。
（銀杏）

（千田翔太五段来訪。昨日は王位戦の対局だった。週刊将棋５月20日号を読む）

（週刊将棋５月20日号は竜王戦１組決勝の記事がトップ）

（５月20日号は上地隆蔵さんによる五番勝負第３局の観戦記が掲載されている。第４局は５月27日号にリポート、６月３日号に野月七段の観戦記を掲載）
（銀杏）

（野月七段と中村真梨花女流三段が検討）

検討では図の△１二玉で△３三桂を中心に調べていました。△３三桂の方がより攻撃的な意味がありました。
（銀杏）

図の44手目△６五桂の局面で昼食休憩に入りました。対局は13時再開です。ここまでの消費時間は▲上田57分、△加藤１時間３分。
立会人の屋敷九段にここまでの進行を聞きました。
屋敷「はじめは何になるか分かりませんでしたが、▲５六歩（３手目）を見て向かい飛車かなと思いました。第２局が中飛車でしたので、違う戦型になると思いました。
△６二金（28手目）まで加藤女王は相手に合わせた指し方です。後手なのでじっくりした駒組みです。▲４五歩（35手目）は意欲的な指し方でした。駒組みが続くと後手作戦負けの懸念があり、チャンスと見て△６五桂と動きました。後手がポイントをあげるか、先手がうまくいなすかの展開になりそうです。△６五桂からは▲同桂△同銀▲５七金が予想されます」

（対局前の屋敷九段。掛け軸を見やる）
（銀杏）