2013.01.10
リレー将棋の結末 （小川の書籍レポート 第５回）
１月５日の土曜日、将棋連盟に行ってきました。まずは近くの鳩森八幡神社で将棋堂祈願祭です。谷川会長、森内名人、羽生三冠、郷田棋王、佐藤康王将、田中寅専務理事らが並んで、将棋界の発展を祈願します。将棋界をすごい勢いで牽引してきた米長会長が亡くなった後だけに、今年は谷川会長のもと、棋士、関係者、ファンが一体となって発展に努めなければと感じました。
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続いて将棋会館で指し初め式。特別対局室の上座に棋士や女流棋士、下座に関係者が着き、１手指したら次の人と交替する仕組みです。しかし、控えの席は盤から離れているので、自分の番がくるまで局面が分かりません。戦いにならないうちに、また足がしびれないうちに自分の番がこないものかと願っていました。
そんな気持ちが北島理事に伝わってか、早めに指名されて深浦九段の目の前に。長考はできないし、秒読み将棋のような緊張が走りましたが、無難な▲６八玉を見つけて一安心。今年は「居玉は避けよ」をモットーに、ファンの皆様の期待に応えられるような将棋事業を提供したいと思います。
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さて、第１図は前回の問題図。書籍チーム４人のリレー将棋の終盤です。
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正解は▲８五桂打。以下(1)△９四玉は▲９五歩△同玉▲８六銀△９四玉▲９五香（Ａ図）まで。
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?(2)△８二玉は▲９三銀△９一玉（△８一玉は▲７三桂不成△９一玉▲９二香）▲９二歩△８一玉▲７三桂不成△同金▲９一歩成△同玉▲９二銀成（Ｂ図）まで。
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ところが本譜は▲９五香。安直に香を使ったので、△９四歩▲８五桂打△８二玉▲９三銀△８一玉▲７三桂不成△９一玉（Ｃ図）と進んで打ち歩詰めとなってしまいました。
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そこで▲６九金と質駒を取って第２図です。
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途中、▲７三桂不成とせずに▲６九金、また第２図の▲６九金で▲８四馬なら危ない筋はなかったのですが、第２図では完全に逆転。△８七香成▲同金△同銀成▲同玉△６九馬以下の詰みがあります。
しかし私の相棒は自信満々△９七銀打。「おいおい▲８九玉でどうするんだ」と心の中でつぶやいていると、相手は▲９九玉。私は「待ったなし」と言いながら△７七馬（投了図）。森先生の「逆転の３手詰」ばりの大技で相手チームの投了となりました。
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局後、相棒に▲８九玉の変化を聞くと、「△８七香不成▲同金△９八銀成▲同玉△８七銀成▲同玉△６九馬の筋で詰みでしょうと」のこと。確かに詰みかもしれませんが、なぜ銀を打って捨てるのか意味が分かりません。
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詰将棋をやりすぎてこうなってはいけませんが、「逆転の３手詰」は終盤力養成に最適です。２月には中田章道七段の「逆転の５手詰」も発売されます。ご購入のほどよろしくお願い申し上げます。
（株式会社マイナビ 小川明久）
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