【将棋ニュース】永瀬拓矢九段がお誕生日対局で勝利! 通算1000勝以上の棋士で最も多くバースデー対局を経験したのは誰がいる??|将棋情報局

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【将棋ニュース】永瀬拓矢九段がお誕生日対局で勝利! 通算1000勝以上の棋士で最も多くバースデー対局を経験したのは誰がいる??

9月5日に行われた第47回将棋日本シリーズJTプロ公式戦で、永瀬拓矢九段が石田直裕六段に勝ちました。実はこの9月5日は永瀬九段の誕生日でもあります。永瀬九段はバースデーを自らの白星で飾った訳ですが、昨年の記念日は敗戦を喫していたということも。そして永瀬九段が9月5日に公式戦を指したのは昨年と今年の2回しかありません。

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そもそも自らの誕生日に公式戦の対局がつくかどうかというと、1年に1回しか機会がありませんから、自ずからキャリアが長い棋士のほうが誕生日対局を指しているであることは推測できますし、さりとて公式戦がどのタイミングでつくかというのは巡り合わせによるところが大きい面もあります。

例えば間もなく棋士人生11年目を迎える藤井聡太竜王・名人はこれまで自身の誕生日である7月19日に対局がついたのは2020年の1回(勝利)しかありません。対して7年目を迎える伊藤匠二冠は誕生日である10月10日の対局を2回経験し、23年は勝ちましたが25年は敗れています。

現役棋士生活最長の62年を誇る加藤一二三名誉十段は誕生日対局が1回もありません。これはまあ、加藤名誉十段の誕生日が1月1日ですから、公式戦が行われるはずがないということが理由になります。

ではバースデー対局を多く経験した棋士は誰なのでしょうか。通算1000勝達成の特別将棋栄誉賞受賞棋士を調べてみました。

 

特別将棋栄誉賞受賞者のバースデー対局
達成順 生年月日 氏名 通算対局数 バースデー成績
1 1923年3月13日 大山康晴 2214局 3勝1敗
2 1940年1月1日 加藤一二三 2504局 0勝0敗
3 1947年9月2日 中原誠 2090局 3勝2敗
4 1943年6月10日 米長邦雄 1903局 2勝3敗
5 1939年11月15日 内藤國雄 2132局 2勝1敗
6 1935年7月27日 有吉道夫 2090局 4勝1敗
7 1962年4月6日 谷川浩司 2384局 3勝2敗
8 1970年9月27日 羽生善治 2369局 11勝1敗
9 1969年10月1日 佐藤康光 1893局 3勝5敗
10 1970年9月5日 丸山忠久 1696局 5勝0敗
11 1970年10月10日 森内俊之 1672局 0勝1敗
12 1966年7月10日 森下卓 1790局 4勝1敗
13 1971年3月17日 郷田真隆 1694局 2勝2敗
※ 現役棋士の対局数・成績は9月11日時点のもの(未放送のものを除く)

史上最多勝利の1624勝(9月11日現在、現役棋士は以下同)を上げている羽生善治九段は9月27日が誕生日ですが、そのうち1988年、91年、94年、98年、04年、06年、10年、12年、13年、16年、21年で合計11勝。そして94年と06年の勝利は王座戦五番勝負、16年の勝利は王位戦七番勝負の決着局で、いずれも自らのタイトル防衛で誕生日を飾っています。一方で11年が唯一のバースデー敗戦ですが、王座の19連覇が途切れた苦い日でもあります。

2011年の第59期王座戦五番勝負第3局で羽生の王座連覇記録は「19」でストップ(写真:週刊将棋編集部)

史上2位の1433勝を記録している大山康晴十五世名人は、記録を追えたのが戦後の46年以降ですが、3月13日の誕生日では68年、78年、84年の3回勝利しています。68年の勝利は王将防衛を決めるもので、この勝利で自身の王将獲得を13期(通算では20期)としました。敗戦は54年の1回があります。

谷川浩司十七世名人は4月6日が誕生日で、01年と06年は敗戦していますが、18年と21年の2年で3勝を記録しています。というのは21年の対局はテレビ棋戦の収録で、2局指し2勝したことからこのような結果となりました。
ちなみにテレビ棋戦で1日に最も多く指せたのは早指し選手権(現在は休止)の予選で、最大4局指せますが、大島映二八段が91年の6月6日に4連勝で予選を通過しています。断定はできませんが、これは棋士が自身の誕生日で1日に最も勝利した記録となるのではないでしょうか。

加藤名誉十段は前述の通り、誕生日対局がありません。そして1308勝の中原誠十六世名人は誕生日の9月2日で86年、88年、94年の3勝があります。86年と88年はタイトル戦での舞台でした。敗戦は69年と03年の2回がありました。

佐藤康光九段は10月1日を93年、99年、07年で3勝。そして敗戦は90年、92年、02年、04年、05年の5回があります。

内藤國雄九段は11月15日を74年と94年の2回勝利、敗戦は89年の1回があります。

米長邦雄永世棋聖は6月10日が誕生日で、勝利は71年と75年の2回、敗戦は68年、80年、82年の3回です。

有吉道夫九段は7月27日に76年、81年、84年、87年の4回勝利。敗戦は78年の1回です。

丸山忠久九段は9月5日の誕生日を94年、95年、96年、97年、11年の5回勝利し、そして敗戦は1度もありません。

郷田真隆九段は3月17日生まれ。勝利は95年と12年の2回。12年は自身4つ目のタイトルとなる棋王獲得を決めた記念の日となりました。敗戦は92年と17年です。

森内俊之九段は10月10日が誕生日ですが、00年に1度の敗戦がある一方、バースデー勝利は1度もありません。

森下卓九段は7月10日の誕生日を89年、90年、92年、03年の4回で勝利を飾り、そして敗戦は06年の1回があります。

こう見ると羽生九段の誕生日対局12回というのは、通算1000勝達成者の中では断トツで多いといえます。他の1000勝達成者の誕生日も、加藤名誉十段を別にすれば特に対局がつきにくい日ということもありませんので、これは何かの巡り会わせでしょうか。

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著者

相崎修司(著者)
将棋雑誌「近代将棋」の編集を経てフリーの観戦記者に。
2026年現在は竜王戦、王位戦・女流王位戦、棋王戦、女流名人戦の観戦記を執筆。
将棋世界をはじめとする各誌にも寄稿。