《ヤバい奇襲》 最終回【嬉野流】―ラスボス登場!新型・旧型の違いを徹底比較|将棋情報局

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《ヤバい奇襲》 最終回【嬉野流】―ラスボス登場!新型・旧型の違いを徹底比較

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ひきこもりブロガーの二歩千金(にふ・せんきん)です。

7月23日にマイナビ出版より『奇襲完全撃退マニュアル50』という奇襲破りの本が刊行されました!

本書では、江戸時代から続く伝統的な奇襲、アマチュアが考案してネットで大流行の奇襲、トッププロも採用する現代調の速攻作戦まで、幅広く収録しております。

⇩第21回の記事はコチラ⇩

えー、長くお付き合いいただいた連載も今回で最終回となります。
本テーマ「嬉野流」は大トリを飾るにふさわしいラスボスじゃないでしょうか。それでは対局開始っ!!

初級編~土下座からの逆襲~

初手からの指し手①
▲6八銀 △3四歩 ▲7九角(第1図)

初っ端から▲6八銀~▲7九角!?が常識破りな出だし。

このあと後手が居飛車・振り飛車にかかわらず鳥刺しのような構えで角+左銀を主軸に2~3筋をガンガン攻める狙いです(参考図)。

相手への挑発度、攻め筋の明快さ、局面誘導率の高さ、どれを取っても超一級の奇襲戦法なのが嬉野流なのでございます。

第1図以下の指し手
△8四歩 ▲7八金 △8五歩 ▲4八銀
△8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8八歩
(第2図)

相手が急いで飛車先歩交換してきたら▲8八歩?!が理外の一手。

通常、八段目に歩を打つのは「土下座の歩」といって忌むべき形とされていますが、一体どのような効用があるのでしょうか。

第2図以下の指し手
△8二飛 ▲5六歩 △7二銀 ▲2六歩
△8三銀 ▲2五歩 △8四銀 ▲6六歩
△8五銀 ▲6七銀(結果1図)

後手が一直線に棒銀をめざしてきた場合は▲6六歩~▲6七銀がうまい組み替えで、結果図以下△8六銀には▲7六銀で後手の攻めは空ぶっています。

もしこのとき▲8七歩型だと△8六歩▲同歩△同銀であっさり8筋突破されているところで、▲8八歩には棒銀の速度を遅らせる意味があったのです。

これは嬉野流の根幹にかかわる変化であり、天野本では約1/3の大きな紙幅を割いて対棒銀の攻防を研究されています。

上級編~本家による改良策~

とはいえ、速攻棒銀を真正面から受けて立つのは嬉野流としても勇気がいるところでしょう。

初手からの指し手②
▲6八銀 △3四歩 ▲5六歩(第3図)

そこで従来の▲6八銀~▲7九角にかえて、▲6八銀~▲5六歩!が嬉野創始者の工夫。

引き角のタイミングを遅らせたことにより、時間差で▲7六歩と角道を開けたり、▲9七角と端にのぞいたりでき、戦術の奥行きがぐっと広がりました。

第3図以下の指し手
△8四歩 ▲7八金 △8五歩 ▲4八銀
△7二銀 ▲2六歩 △8三銀 ▲7六歩
(第4図)

懸念の速攻棒銀に対しては、△8三銀で後手の飛車先が重くなったのを見計らって角道を開けるのがポイントです。

以下△8八角成▲同金で一時的にカベ金になってしまいますが……。

第4図以下の指し手
△8八角成 ▲同 金 △8四銀 ▲9六歩
△2二銀 ▲2五歩 △3三銀 ▲3六歩
△3二金 ▲3七桂(結果2図)

結果2図は後手の棒銀(△8四銀)が渋滞しているのに対し、先手はいつでも▲4五桂の跳ね出しがあって、実戦的に奇襲サイドが勝ちやすい形ですね。

「はぁ~……ネットでいったい何度この戦法にボコられたことか……」
と悔しさを通り越して諦めに変わりつつある貴方。

──どうぞ、ご安心ください。

 

7月23日に発売された『奇襲完全撃退マニュアル50』に嬉野流の対策をバッチリ記してあります!

 

続きはWebで、、、じゃなかった、本の中でお会いしましょう!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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著者

二歩千金(著者)
ひきこもり将棋オタク。
2013年に序盤研究ブログ「現代振り飛車ナビ」を開設。
中飛車左穴熊封じのオリジナル研究を公開しネットで話題に。
翌年に現在のメインブログ「人生0手の読み」を開設。
著書に『2手目△3二銀システム』『振り飛車3.0』がある。