【将棋ニュース】磯谷祐維女流二段が初手合いの福間香奈女流五冠を破って女流名人リーグを独走! 初手合い初勝利の壁|将棋情報局

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【将棋ニュース】磯谷祐維女流二段が初手合いの福間香奈女流五冠を破って女流名人リーグを独走! 初手合い初勝利の壁

8月7日に行われた女流名人リーグで磯谷祐維女流二段が福間香奈女流五冠に勝ちました。

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別日に撮影したもの|写真:中村詩緒里

両者はここまで女流名人リーグを4連勝と走っていましたが、全勝対決を制したのは磯谷女流二段でした。

筆者は磯谷女流二段の女流名人リーグ3回戦(対伊藤沙恵女流四段)を観戦しましたが、その時点で磯谷女流二段は5回戦の対福間戦を相当に意識していました。ここを抜かないと女流名人のタイトルに挑戦できない、まずはその第一関門を突破したということでしょうか。

実はこの女流名人リーグ5回戦は両者の初手合い。後輩棋士が時の第一人者に初対戦で勝つというのは大変なもので、福間女流五冠自身もそれ以前の第一人者であった清水市代女流七段には、初勝利まで4連敗しています。

福間女流五冠より後輩の女流棋士は60人ほどいますが、対福間戦の初手合いで勝利の記録があるのは、中村桃子女流二段、香川愛生女流四段、渡部愛女流四段、塚田恵梨花女流二段、大島綾華女流二段、中七海女流三段、そして今回の磯谷女流二段の7人しかいません。また中村戦の初戦は福間女流五冠の不戦敗ですから、実際に盤を挟んだうえで初手合いで福間女流五冠に勝ったのは6人しかいないことになります。

渡部愛女流四段(左)、大島綾華女流二段(中央上)、香川愛生女流四段(右上)、中七海女流三段(中央下)、塚田恵梨花女流二段(右下)|写真:将棋世界(渡部)田名後健吾(その他)

このうち、香川女流四段と渡部女流四段はいずれも初手合いが女流タイトル戦の番勝負でした。両者ともに初対戦の勝利がそのままタイトル奪取につながっています。大島女流二段と中女流三段は対福間戦の勝利をタイトル挑戦へ結びつけました。塚田女流二段も挑決までは勝ち進んでいます。

こう考えると、単独トップに立ったのみならず、タイトル挑戦に至るまでの最難関を突破した磯谷女流二段は今期女流名人リーグ挑戦の最有力候補になったと言えます。もっとも女流名人リーグは9回戦の長丁場で、まだ半分を過ぎたばかりですから、今後の戦いからも目が離せません。

なお、後輩女流棋士への厚く高い壁という観点だと西山朋佳女流三冠は福間女流五冠以上といえます。対西山戦の初手合いで勝利を記録したのは竹内優月女流1級だけで、しかもその1局は西山女流三冠の不戦敗。

もっとも、西山女流三冠は奨励会員として女流棋戦に参加した時期が長く、女流棋士としてのキャリアが棋歴と比較して浅いので、西山女流三冠より年少の女流棋士(40人ほどいます)という視点で見てみるとどうなるか。こちらでも、対西山戦の初戦で勝ったのは和田あき女流二段だけです。

後輩に立ちはだかる女流2強ですが、将棋ファンは彼女らの圧倒的な強さを見たいのか、それとも脅かす存在の誕生を待ち望んでいるのか、どちらでしょうか。

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著者

相崎修司(著者)
将棋雑誌「近代将棋」の編集を経てフリーの観戦記者に。
2026年現在は竜王戦、王位戦・女流王位戦、棋王戦、女流名人戦の観戦記を執筆。
将棋世界をはじめとする各誌にも寄稿。