2026.08.13
【将棋ニュース】11連勝で駆け上がり、竜王挑戦まであと1歩! 1期の1棋戦における勝利数のあれこれ
8月4日に行われた第39期竜王戦挑戦者決定戦三番勝負で柵木幹太五段が服部慎一郎七段に勝ち、藤井聡太竜王への挑戦権獲得まであと1勝としました。
今期竜王戦ではランキング戦5組から圧巻の11連勝で、七番勝負を間近としています。
このまま挑戦及び奪取に至れば、今期の竜王戦で16勝を上げることになりますが、ある1人の棋士が1期の1棋戦で上げられる最多勝はいくつになるのでしょうか。例えばタイトル保持者はどう頑張っても番勝負の4勝あるいは3勝が最多なので、とても最多勝には届きません。必然的に予選の下のほうから勝ち上がって挑戦権獲得、タイトル奪取という道筋が必要になります。
例えば竜王戦で見てみると、6組の優勝者はランキング戦で最大7勝を稼ぐことが出来ます。今期6組優勝の西田拓也六段はランキング戦で6勝ですが、トーナメントの組み合わせによってはいわゆるゼロ回戦を指すことになり、さらに1勝を上積みできます。
よって、竜王戦における1期の理論上の最多勝は18勝(ランキング戦6組7勝、決勝トーナメント5勝、挑決2勝、七番勝負4勝)となりますが、これまで6組から竜王奪取を果たした棋士はいないので、当然ながら1期の竜王戦で18勝を挙げた棋士はいません。
過去の竜王戦を見てみますと、第11期の藤井猛九段と第17期の渡辺明九段による14勝(ランキング戦4組5勝、決勝トーナメント3勝、挑決2勝、七番勝負4勝)、第2期の羽生善治九段と第26期の糸谷哲郎九段による13勝(ランキング戦3組4勝、決勝トーナメント3勝、挑決2勝、七番勝負4勝)、第34期の藤井竜王(ランキング戦2組4勝、決勝トーナメント2勝、挑決2勝、七番勝負4勝)と第36期の伊藤匠二冠(ランキング戦5組5勝、決勝トーナメント5勝、挑決2勝)の12勝。このあたりが竜王戦1期で多くの勝利を収めた例となります。
他のタイトル戦ではどうでしょうか。まず各棋戦における理論上の最多勝数を見ていきます。
名人戦 13勝(A級順位戦9勝、七番勝負4勝)
叡王戦 12勝(予選5勝、本戦4勝、五番勝負3勝)
王位戦 15勝(予選5勝、紅白リーグ5勝、挑決1勝、七番勝負4勝)
王座戦 14勝(一次予選5勝、二次予選2勝、挑戦者決定トーナメント4勝、五番勝負3勝)
棋聖戦 13勝(一次予選4勝、二次予選2勝、決勝トーナメント4勝、五番勝負3勝)
棋王戦 16勝(予選5勝、挑戦者決定トーナメント8勝、五番勝負3勝)
王将戦 18勝(一次予選5勝、二次予選3勝、挑戦者決定リーグ6勝、七番勝負4勝)
ほとんどの棋戦が下から勝ち上がらないと白星を積み重ねることが出来ませんが、唯一の例外が名人戦で、これは挑戦権を獲得するには最高クラスのA級に上がっておく必要があるからです。1期1棋戦の最多勝という本稿の趣旨からは外れますが、最速で名人を取るまでに上げられる理論上の最多勝は55勝(C級2組10勝、C級1組10勝、B級2組10勝、B級1組12勝、A級9勝、七番勝負4勝)となります。
続いて、これまでに実現した1期1棋戦における最多勝を見てみましょう。
名人戦 13勝
森内俊之九段(第62期のA級で9勝、七番勝負4勝)
叡王戦 13勝
永瀬拓矢九段(第4期の七段予選3勝、本戦4勝、挑決2勝、七番勝負4勝)
※ 現行制度では第9期の伊藤二冠による11勝(六段予選4勝、本戦4勝、五番勝負3勝)
王位戦 14勝
高橋道雄九段(第24期の予選4勝、紅白リーグ5勝、挑決1勝、七番勝負4勝)
羽生善治九段(第34期の予選4勝、紅白リーグ5勝、挑決1勝、七番勝負4勝。こちらは紅白リーグのプレーオフ1勝を含む)
藤井聡太王位(第61期の予選4勝、紅白リーグ5勝、挑決1勝、七番勝負4勝)
王座戦 9勝
宮田利男八段(第31期の一次予選4勝、二次予選2勝、本戦3勝、挑決で敗戦)
塚田泰明九段(第35期の二次予選2勝、本戦4勝、五番勝負3勝)
井上慶太九段(第36期の一次予選5勝、二次予選2勝、本戦2勝)
福崎文吾九段(第39期の二次予選2勝、本戦4勝、五番勝負3勝)
深浦康市九段(第43期の一次予選4勝、二次予選2勝、本戦3勝、挑決で敗戦)
中村太地八段(第60期の一次予選4勝、二次予選2勝、本戦3勝、挑決で敗戦)
(第65期の二次予選2勝、本戦4勝、五番勝負3勝)
青嶋未来七段(第65期の一次予選4勝、二次予選2勝、本戦3勝、挑決で敗戦)
棋聖戦 13勝
屋敷伸之九段(第55期の一次予選で5勝、二次予選で2勝、本戦で4勝、五番勝負で2勝)
藤井聡太棋聖(第91期の一次予選で3勝、二次予選で3勝、決勝トーナメントで4勝、五番勝負で3勝)
棋王戦 12勝
千田翔太八段(第42期の予選で4勝、挑戦者決定トーナメントで6勝、五番勝負で2勝)
永瀬拓矢九段(第43期の予選で4勝、挑戦者決定トーナメントで6勝、五番勝負で2勝)
本田奎六段(第45期の予選で5勝、挑戦者決定トーナメントで6勝、五番勝負で1勝)
王将戦 15勝
中村修九段(第35期の一次予選で3勝、2次予選で3勝、挑戦者決定リーグで5勝、七番勝負で4勝)
今期竜王戦の柵木五段がどこまで星を伸ばせるか、注目です。
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