2026.07.30
【将棋ニュース】石田直裕六段がプロ入り13年9カ月の初手合いに勝利! 羽生善治九段と対局するまでの道のりはどれほど険しい?
7月25日に行われた第47回JTプロ公式戦将棋日本シリーズで石田直裕六段が羽生善治九段に勝ち、2回戦に進出しました。
石田六段は自身の日本シリーズ初陣を白星で飾った訳ですが、もう一つ注目する点は本局が羽生九段との公式戦初手合いであること。石田六段が四段へ昇段したのは12年10月ですから、棋士生活13年9カ月にしての初対戦となりました。昨年は竜王戦の挑決まで進出し、棋戦優勝の経験もある実力者(そもそも、日本シリーズへの出場権を獲得するということが実力者の証です)の石田六段にしては意外と思えます。
ですが、羽生九段クラスのレジェンド相手だと、対戦の機会を得るだけでも大変なのです。現在の藤井聡太竜王・名人と対戦することが大変なのと同じく、羽生九段が多くのタイトルを持っている時代に当たるのは難しかった(タイトル戦番勝負に出場しないとほぼノーチャンス)と想像がつきますが、無冠になって以降はどうだったのか。
結論からいうと、こちらもかなり大変です。まず棋戦内で明確なランク付けがされている竜王戦と順位戦では羽生九段が在籍する上位クラスまで上がらないと当たる機会がありません。ランクがない棋戦でも羽生九段はそれまでの実績によるシード権がありますから、予選の初戦から当たるということはまずありません。
羽生九段の棋士番号が175、石田六段は289ですが、この間には対羽生戦を経験していない棋士は20人ほどいます。名前を出すことは控えますが「えっ、この人が対戦してないの」と思わせる棋士も多くいました。
では、自身のデビューから対羽生戦が実現するまでの最長期間はどれほどだったのでしょうか。羽生九段より後輩の現役棋士を調べてみました。
石田六段の13年9カ月は上記に続く数字となります。もっとも、対戦できるかどうかは組み合わせ抽選の結果などの運にもよる部分はあります。例えば、羽生九段が七冠ロードをひた走っていた95年4月1日に四段昇段を果たした北島忠雄七段と勝又清和七段について。現役生活30年を超えたこのお二人は通算勝率で見るとほぼ同じ数字で、順位戦の最高クラスも同一と、棋歴に大きな差はなさそうなのですが、対羽生戦では、北島七段が96年8月31日とデビューから1年ちょっとで対戦する機会があったのに対し、勝又七段の対羽生戦初手合いは07年12月11日と、10年以上の月日がかかっています。
もう一つ、当たりの巡り合わせの例を挙げますと、22年4月1日に四段昇段した岡部怜央六段と徳田拳士五段。このお二人はそろって初参加の王位戦でいきなりのリーグ入りという快挙を達成しました。徳田五段は羽生九段と同一の紅組リーグだったので、23年2月6日に初対戦と、デビューから1年以内に対羽生戦を実現しましたが、白組リーグ入りとなった岡部六段は王位戦で対戦の機会がありませんでした(それでも同年の12月に朝日杯で対戦しているのは十分早いのですが)。
では、自身のデビューから相当に速く対羽生戦が組まれた棋士はどれほどの速さで、誰がいるのでしょうか。自身のデビューから最速で対羽生戦が組まれたのは中田功八段で、86年4月30日に四段昇段し、同年の5月30日に対羽生戦が組まれています。ですが、羽生九段と中田八段は棋士番号が1つ違いという事実上の同期生ですから、さすがに前提条件が異なるでしょう。
羽生九段が初タイトルの竜王を獲った89年12月26日以降で、自身のデビューから1年以内に対羽生戦を実現した棋士は以下の通りです。
そして、棋士番号345の齊藤四段は、現時点で公式戦での対羽生戦がある、もっとも棋士番号の若い棋士となります。



