2026.07.22
【将棋ニュース】柵木幹太五段が「1組の壁」を破って竜王戦ドリーム街道を突き進む! 第39期竜王戦決勝トーナメント
7月18日に行われた第39期竜王戦決勝トーナメントで、5組優勝の柵木幹太五段が1組5位の佐々木勇気八段を破りました。柵木五段は「1組の壁」を突破したことになります。
竜王戦決勝トーナメントにおける1組の壁とは、6組優勝者VS5組優勝者、その勝者VS4組優勝者という戦いを勝ち上がった棋士が1組5位の棋士と戦うことを指すものです。
竜王戦決勝トーナメントのトーナメント方式が現行の形式になったのは、2006年度の第19期からですが、それからしばらくはランキング下位者にとって1組の壁が分厚く存在していました。その壁に挑んで破れなかったメンバーには若き日の糸谷哲郎九段、豊島将之九段、永瀬拓矢九段といった現在の一流棋士もいます。
その分厚い壁を初めて乗り越えたのは第28期の永瀬六段(段位は当時、以下同)です。自身2度目の1組の壁に挑んだ永瀬六段は1組5位の藤井猛九段を破ると1組4位の佐藤康光九段、1組優勝の羽生善治名人も連破し、初の竜王挑戦者決定戦進出を果たしました。しかし挑決三番勝負では渡辺明棋王に1勝2敗で惜敗しました。
初めて1組の壁が破られてからの10年程は、むしろ勢いに乗るランキング戦下位者が1組5位を破るほうが多数となっています。第29期の青嶋未来四段(6組優勝)、第30期の佐々木勇気五段(4組優勝)、第31期の増田康宏六段(4組優勝)、第32期の藤井聡太七段(4組優勝)、第33期の梶浦宏孝六段(5組優勝)、第34期の梶浦七段(4組優勝)、第36期の伊藤匠六段(5組優勝)、第38期の石田直裕六段(4組優勝)が1組5位の棋士を破りました。
ですがこの中で竜王奪取に至った棋士はおらず、挑決三番勝負まで駒を進めたのは第28期の永瀬六段と第36期の伊藤六段、第38期の石田六段の3人、そしてその中で挑戦を果たしたのは伊藤六段ただ1人です。やはり1組の壁は高くそびえ立っているといえるのではないでしょうか。
あるいは1組の壁を突破して竜王奪取を果たした、といえそうなのが第1期の島朗六段です。当時の決勝トーナメントは4~6組の優勝者から勝ち上がった棋士が3組2位(当時は3組も2人に決勝トーナメント進出の権利がありました)の棋士と戦い、その勝者が1組優勝者と戦うシステムでした。ランキング戦3組を2位で通過した島六段は決勝トーナメント初戦で4組優勝の羽生五段を破ると、続いて1組優勝の桐山清澄九段も撃破。さらに永世十段有資格者としてシードされていた大山康晴十五世名人も負かして、挑戦者決定戦三番勝負へ進出。三番勝負では中原誠前名人(第3局のときの肩書は王座)を2勝1敗で破り、七番勝負へ進出しました。そして七番勝負では米長邦雄九段を4勝0敗のストレートで下して第1期の竜王となります。いわゆる「竜王戦ドリーム」を実現した島竜王は「シンデレラボーイ」とも呼ばれました。
柵木五段は次戦で斎藤慎太郎八段と対戦、その上には1組優勝の永瀬九段が待ち構えています。まだまだ大変な戦いが続きますが、1組の壁を破って竜王戦ドリームを実現できるか、注目です。


