《ヤバい奇襲》 第11回【後手早石田】—強者はたいてい遅れてやって来る|将棋情報局

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《ヤバい奇襲》 第11回【後手早石田】—強者はたいてい遅れてやって来る

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ひきこもりブロガーの二歩千金(にふ・せんきん)です。

7月23日にマイナビ出版より『奇襲完全撃退マニュアル50』という奇襲破りの本が刊行される運びとなりました。

本書では、江戸時代から続く伝統的な奇襲、アマチュアが考案してネットで大流行の奇襲、トッププロも採用する現代調の速攻作戦まで、幅広く収録しております。

⇩第10回の記事はコチラ⇩

さて、今回のテーマは「後手早石田(4手目△3五歩)」!

「早石田って先手番でもけっこうキツいらしいじゃないっすか。後手番だと、さらに一手遅れてるわけだから居飛車が楽勝なのでは?w」

と冷笑している読者がいらっしゃるかもしれませんね。

でも宮本武蔵だって、わざと遅れて来て佐々木小次郎を倒してるわけですから、後手番だからといって決して油断はなりませんぞ。

初級編 ~▲2四歩早突きの是非~

初手からの指し手
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3五歩(第1図)

4手目△3五歩が後手石田流を宣言した歩突き。

なお、この手では△9四歩▲9六歩と9筋の交換を入れてから△3五歩と突けば後手の条件がもっと良いという説もあり、都成七段の本にて詳しく研究されています。

▲2五歩 △3二飛(第2図)

▲2五歩には2筋をおかまいなしに△3二飛が成立します。
以下▲2四歩△同歩▲同飛には△3六歩(第3図)が用意のカウンターで、

①▲3六同歩は△8八角成~△1五角が王手飛車、②▲4八銀も△8八角成~△3三角が飛車銀両取りでいずれも後手優勢。

したがって③▲2三飛成△3七歩成▲同桂(第4図)が最も手ごわい応接となります。

以下△3六歩や△8八角成~△5五角には▲4五桂が幸便な跳ね出しで、これは後手の居玉がたたっています。

先手「やったか…?!」(負けフラグ)

△8八角成 ▲同 銀 △1二角 ▲2六竜
△3六歩(結果図)

△8八角成~△1二角!が知らないと指せない攻防手。

結果図は、後手の遠見の角が▲4五桂を消しつつ、△6七角成の攻めを見せた抜群の働きをしており、先手の仕掛けは失敗しています。

上級編 ~死闘!▲6五角の攻防~

第1図に戻ります。

第1図では▲6八玉が石田流封じとしてよく知られている手で、以下△3二飛には▲2二角成~▲6五角の反撃に期待しています(第5図)。

このとき△3四角の切り返しがないのが▲6八玉の効果で、後手は4三と8三を同時に守る気の利いた受けがありません。

そこで後手は△5二玉▲8三角成△3六歩▲同歩△5五角▲7七桂△3六飛(第6図)と開き直って攻め合いを志向します。

第6図は本戦型における最大の山場ですので詳しく解説します。

まず一歩を温存する①▲1八飛は△2六飛と取られて駄目。
また②▲3七歩も将来▲5八飛~▲5六歩で後手の玉頭をおびやかす常套手段がなく(中飛車に振った瞬間に△2六飛)先手面白くありません。

後手早石田の攻略なんて簡単かと思いきや、意外や意外。
①②の変化はどちらも「通常形よりも一手得しているはずの▲2六歩がマイナスに働いている」んですよね。

まあ、どうにかして2六歩の顔を立てるなら③▲4六歩△同飛▲3八馬(第7図)でしょうか。

△3七歩と叩かれたとき▲2七馬と味よくかわせるのが2六歩型の利点ですが、じっと△7四歩で桂頭を狙われるとやっぱり先手が少し苦しそう……。

「ぐぬぬぬ……早石田め、後手番のくせに生意気だぞ!」
と、口をとがらせて憤慨している貴方。

──どうぞ、ご安心ください。

 

7月23日に発売される『奇襲完全撃退マニュアル50』に後手早石田の対策をバッチリ記してあります!

 

続きはWebで、、、じゃなかった、本の中でお会いしましょう!

 

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著者

二歩千金(著者)
ひきこもり将棋オタク。
2013年に序盤研究ブログ「現代振り飛車ナビ」を開設。
中飛車左穴熊封じのオリジナル研究を公開しネットで話題に。
翌年に現在のメインブログ「人生0手の読み」を開設。
著書に『2手目△3二銀システム』『振り飛車3.0』がある。