2026.07.07
【将棋教室紹介】自分のあたまで考えて強くなる「かむがふ こども将棋教室」
2026年6月20日、小中高生を対象とする「かむがふ」を見学させていただきました。
「考える」を意味する古語「かんがう」から名付けられた教室で、将棋だけでなく、あらゆる分野にも通じる「自分のあたまで考える力」を育むことを大切にしています。
運営しているのは将棋指導者の加藤幸男さん。中学2年から将棋にのめり込み、高校選手権、高校竜王戦、学生三冠(学生名人戦、学生王将戦、オール学生選手権)、アマ竜王戦、朝日アマ名人戦での優勝など、数々の輝かしい実績を持たれておりアマ強豪としても知られています。個人的には人間代表として「激指」などの将棋ソフト(AI)と対局していた印象が強く残っています。アマ将棋界のレジェンド的な存在です。
また、2026年6月22日にマイナビ出版から発売した『才能に頼らない こども将棋上達法』の著者でもあります。
ここでは、私が実際に教室を見学させていただいて感じた、「かむがふ」の特長をいくつか紹介したいと思います。
将棋が好きな子が、もっと強くなれる
加藤さんが大切にしているのは、棋力ではなく「成長したい」「もっと強くなりたい」という気持ちです。
教室には、将棋が好きでそのような思いを持ったこどもたちが集まっています。棋力も目標もさまざまですが、それぞれが昨日の自分より一歩成長することを目指して真剣に将棋と向き合っていました。
教室は基本的に加藤さんによる多面指しの指導対局なのですが、どの対局も真剣そのもの。子どもたちは一手一手を考え抜き、感想戦でも熱心に耳を傾けていました。
私が見学した日は5人のこどもが参加しており、そのうち3人が倉敷王将戦の代表でした。3人ともに級位者のときから通っているとのことです。
高いレベルで切磋琢磨できる環境があることも、この教室の魅力の一つだと感じました。
一人ひとりに寄り添う指導
教室の中心は、多面指しによる指導対局です。
生徒は事前に指したい戦型を伝え、それに合わせて対局が行われます。
印象的だったのは、加藤さんが最初から答えを言うのではなく、先にどの手が悪かったのか、生徒に考えさせていたこと。
対局が終わると加藤さんは「自分でポイントだと思った局面まで戻してごらん」と生徒に促し、生徒は勝負所だと思った局面に戻していました。……そもそも局面をきちんと戻せること自体がすごいのですが、その一局で形勢が大きく動いた理由をきちんと考えて、自分の中に落とし込ませるために、この感想戦の始め方はとてもいいなと思いました(生徒が局面を戻せない場合は、加藤さんが戻していました)。
また、加藤さんの説明はとても論理的で、なぜその手が悪い手なのかを背景にある理屈から解説することで、汎用性のある知識として子どもの中に定着させていました。
「教えてもらう」のではなく、「自分で理解する」。
この積み重ねが、自分のあたまで考える力を育てているのだと感じました。
これなら、次に同じような局面に出くわしたときに、もう間違えることはないでしょう。
それを支える、加藤先生の圧倒的な知識量
こうした一人ひとりに寄り添う指導を支えているのが、加藤先生の驚くべき知識量です。ほとんどすべての戦型に対して定跡を理解していて本当にビックリしました。
生徒は指したい戦型を事前に指定して指導対局を行うのですが、感想戦で加藤さんが、「こういう攻め方があるよ」「対してこういう対策があるよ」あるいは、「この形で待っておけば大丈夫だよ」と理路整然と説明していきます。果てはこの手順は『〇〇』という本に書いてあるよと、読むべき書籍のアドバイスまでしていました。加藤さん曰く、「どんな戦型のどんな定跡にも対応しているので、使い勝手がいいんだと思います」とおっしゃっていました。
確かに生徒からすれば「何を聞いても答えてくれる」わけですから安心感がすごいです。
また、この日は参加した5人の子どもたちと、それぞれ3~4局くらい指していたのですが、恐ろしいことに、加藤さんはその日1日の棋譜をすべて記憶しているそうです。また、これまでの対局もほぼ記憶していて、同じ子に対して基本的には同じ球を投げず、いつもこれまでとは違う指し方で対局しているとのことでした。加藤先生、すごすぎます。
豊富な知識、そして一人ひとりの成長を記憶した上で指導できること。
それが、「かむがふ」の質の高い指導を支えているのだと感じました。
「考える習慣」を育てる仕組み
9時から13時まで、みっちり4時間の指導対局が終わって、「いや、これは強くなるわぁ」と十分納得したのですが、「かむがふ」のカリキュラムはこれで終わりではありません。宿題として、詰将棋にも取り組みます。
3手詰~17手詰くらいまでの詰将棋が10問出題されます。問題に手数は書かれておらず、手数も自分で考えます。制限時間は20分間、自宅できっちり時間を計って解き、解答用紙を提出。加藤さんが採点し、教室内の順位がメールで共有されます。まさに詰将棋解答選手権のような仕組みで、これが毎週行われているのです。
自分の順位や点数の推移が分かるため、こどもにとってはモチベーションにつながるでしょうし、毎週続けることで、「前よりも考えられるようになった」という成長を積み重ねることができます。
加藤さんと次の指導対局を受けるときのために、こどもたちは勉強するでしょうし、詰将棋のランキングを少しでも上げるために、日々詰将棋に取り組むようになるでしょう。まさに「自ら考える習慣」が自然に身につくシステムになっており、これこそが生徒の棋力アップを支えているのだと理解しました。
「かむがふ」では他にも、対面では研究会、オンラインでは講義形式のオンライン勉強会や指導対局形式のオンライン対局、さらには教室内オンラインリーグ戦も行っており、棋力アップと高いモチベーションを維持する仕組みが整っています。
こうした日々の積み重ねが、「考える力」と棋力の両方を育てているのでしょう。
積み重ねの先にある全国レベルの実績
「かむがふ」は
- 全国大会優勝 のべ12人
- 都道府県代表 のべ241人
- 奨励会員34人
- 女流棋士4人
を輩出するというとんでもない実績を持っています。
ではなぜ、「かむがふ」には本気で将棋に取り組むこどもたちが集まるのでしょうか?
この日、参加していた子の親御さんがおっしゃっていたのですが、本気で将棋に取り組みたい子の親は、強い子の親に、どの教室に通っているのかを聞くのだそうです。
そして、強い子の多くが「かむがふ」に通っていることを知り、自分の子も通わせたいと思う。そうした口コミの積み重ねによって、「かむがふ」には本気で将棋に取り組むこどもたちが自然と集まっているのだと感じました。
私自身、この「かむがふ」を知ったのが、テーブルマークこども大会に取材に行ったときで、決勝戦を戦った2人のこどもが両方とも教室の生徒だと知って度肝を抜かれたのでした。
しかし、見学して感じたのは、この実績は目的ではなく結果なのだということです。
一局一局を振り返る。
自分で課題を考える。
毎日、毎週少しずつ積み重ねる。
その積み重ねが、大きな成長につながり、その先に全国大会での優勝・入賞や都道府県代表という結果があるのでしょう。
まとめ
「かむがふ」を1日取材させていただいて感じたのは、こどもたちの本気度の高さでした。また、その本気の想いをすべて受け止めて、それぞれに合った課題を与え続ける加藤さんの指導力も強く印象に残りました。
「かむがふ」は、県代表や全国大会を目指す子どもだけの教室ではありません。
棋力にかかわらず、将棋が好きで、
「もっと強くなりたい」
「自分のあたまで考える力を身につけたい」
そんな思いを持つ子どもにとって、多くの学びがある教室です。
もちろん、本気で全国大会や奨励会を目指す子どもにも十分応えてくれる環境があります。
しかし、その土台にあるのは、一人ひとりの成長を大切にする指導でした。
「考える力」は、将棋だけでなく、その先の人生にもつながる力です。
そんな力を育みたいと思う親子には、ぜひ一度体験してほしい教室だと感じました。
気になった方は以下の「かむがふ こども将棋教室」ホームページ、noteをご確認ください。
HP:https://kamugafu.com/
note:https://note.com/kamugafu
加藤さんがこれまでに培った経験やノウハウが詰まった『才能に頼らない こども将棋上達法』の購入はこちら。素晴らしい内容になっておりますので、ぜひ読んでみてください。
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