2026.07.03
【将棋ニュース】伊藤二冠「中原先生が参加されることは、朧気には聞いていましたが……」 三冠に向けた激励会に中原誠十六世名人登場
藤井聡太王位に伊藤匠二冠が挑戦する第67期王位戦、第1局は7月4日に静岡県浜松市で行われますが、それに先立つ6月28日、世田谷区の三軒茶屋で伊藤二冠への王位挑戦激励会が行われました。伊藤二冠の師匠である宮田利男八段の声掛けによるものです。
三軒茶屋将棋倶楽部の席主でもある宮田八段にはホームグラウンドというべき町ですが、世田谷区は伊藤二冠の出身地でもあります。激励会には世田谷区長の保坂展人氏も参加し、近く始まる王位戦七番勝負へ期待の言葉を語っていました。
これまでも師匠の肝いりによる宮田一門の激励会あるいは祝賀会は何度か催されていました。1年前に伊藤二冠と斎藤明日斗六段がそれぞれ順位戦で昇級を果たしたときもそうです。ただ、将棋ファンにとってこれまでとの一番の違いは、レジェンド中のレジェンドである中原誠十六世名人の姿があったことでしょう。伊藤二冠も「中原先生が参加されることは、おぼろげには聞いていましたが……」と、レジェンドの登場に驚いていました。中原十六世名人は高柳敏夫名誉九段門下として、宮田八段の兄弟子に当たります。
「伊藤さんは今回初めて王位に挑戦ですね。23歳で二冠を保持しての王位初挑戦は、私もそうでした。全国各地を転戦する王位戦は将棋熱を広げるありがたい棋戦です。ただ、真夏のタイトル戦ですから、体調に気をつけて」と、自身との共通点を交えて、甥弟子に激励の言葉を送っていました。
中原十六世名人の王位初挑戦は1971年の第12期で、この時は棋聖と十段の二冠を保持して大山康晴十五世名人に挑戦し、3勝4敗と惜敗しました。
改めて当時の王位戦について聞くと「福岡でも指したんだけど、あの頃はまだ山陽新幹線がなくてね(山陽新幹線が博多駅まで開通したのは1975年)、対局が終わると福岡から大阪までは在来線で戻ってきたんだ。それがえらく疲れたなあ」ということでした。
続けて、高柳名誉九段の次女である中村和子さんもあいさつに立たれます。「匠君がね、まだ小学校に入った位の頃ですか、80は超えていたうちの母(高柳名誉九段夫人)とよく将棋を指していましたよ」と。この位の年頃の子どもなら弱い相手とは指したくないというのが普通ではということですが、匠少年は構わずに指していたそうです。
もっとも、宮田師匠は「師匠よりも大師匠の奥様のほうがえらいのがわかっていたんじゃないかなあ」とオチをつけました。
最後に伊藤二冠による謝辞。「師匠に行っていただくパーティーは1年ぶりですが、この1年間はいろいろありました。たくさんの応援を受け、いい結果につながりました。王位戦については中原先生のアドバイス通り、体調に気をつけながら、熱い将棋をお見せできればと思います」
間もなく始まる真夏の大勝負に注目しましょう。
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