【将棋ニュース】第85期順位戦1回戦が終了! 黒星スタートからの挑戦者は?|将棋情報局

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【将棋ニュース】第85期順位戦1回戦が終了! 黒星スタートからの挑戦者は?

藤井聡太名人への挑戦権を争う第85期順位戦が始まり、各クラスの1回戦が終了しました。

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A級では復帰を果たした広瀬章人九段が好スタートを切りましたが、同じく昇級組の伊藤匠二冠は黒星スタートと前期昇級組で明暗が分かれました。また前期名人挑戦者の糸谷哲郎九段も初戦は敗れています。

第85期名人戦・順位戦 A級												
挑戦1名 降級2名/持時間 各6時間												
順位	氏名	勝	敗	1	2	3	4	5	6	7	8	9
1	糸谷哲郎九段	0	1	●	近藤誠	豊島	先	先	増田	先	佐々木勇	先
				広瀬			千田	永瀬		伊藤匠		佐藤天
2	永瀬拓矢九段	1	0	○	伊藤匠	先	先	糸谷	佐藤天	先	先	豊島
				近藤誠		佐々木勇	広瀬			増田	千田	
3	豊島将之九段	1	0	○	先	先	増田	先	先	千田	伊藤匠	先
				佐藤天	佐々木勇	糸谷		広瀬	近藤誠			永瀬
4	近藤誠也八段	0	1	●	先	伊藤匠	佐々木勇	先	豊島	先	先	千田
				永瀬	糸谷			佐藤天		広瀬	増田	
5	増田康宏八段	1	0	○	広瀬	先	先	伊藤匠	先	永瀬	近藤誠	先
				千田		佐藤天	豊島		糸谷			佐々木勇
6	佐々木勇気八段	1	0	○	豊島	永瀬	先	千田	広瀬	先	先	増田
				伊藤匠			近藤誠			佐藤天	糸谷	
7	千田翔太八段	0	1	●	先	広瀬	糸谷	先	伊藤匠	先	永瀬	先
				増田	佐藤天			佐々木勇		豊島		近藤誠
8	佐藤天彦九段	0	1	●	千田	増田	先	近藤誠	先	佐々木勇	先	糸谷
				豊島			伊藤匠		永瀬		広瀬	
9	広瀬章人九段	1	0	○	先	先	永瀬	豊島	先	近藤誠	佐藤天	先
				糸谷	増田	千田			佐々木勇			伊藤匠
10	伊藤 匠二冠	0	1	●	先	先	佐藤天	先	先	糸谷	先	広瀬
				佐々木勇	永瀬	近藤誠		増田	千田		豊島

では、それ以前の前期七番勝負敗者とB級1組からの昇級組が、それぞれどのようなスタートを切ったか及び、最終成績がどうだったのでしょうか。まずは藤井名人の順位戦初参加となった第76期までさかのぼってみましょう。

	前期七番勝負敗者	対局相手	結果	B級1組1位通過者	対局相手	結果	B級1組2位通過者	対局相手	結果
			最終成績			最終成績			最終成績
84	永瀬拓矢九段	中村太地八段	〇	近藤誠也八段	千田翔太八段	〇	糸谷哲郎九段	豊島将之九段	〇
			7勝2敗			6勝3敗			7勝2敗
83	豊島将之九段	佐々木勇気八段	●	千田翔太八段	稲葉陽八段	〇	増田康宏八段	菅井竜也八段	〇
			4勝5敗			4勝5敗			5勝4敗
82	渡辺明九段	佐々木勇気八段	●	佐々木勇気八段	渡辺明九段	〇	中村太地八段	広瀬章人九段	●
			5勝4敗			4勝5敗			4勝5敗
81	斎藤慎太郎八段	菅井竜也八段	〇	藤井聡太名人	佐藤康光九段	〇	稲葉陽八段	佐藤天彦九段	〇
			5勝4敗			7勝2敗			4勝5敗
80	斎藤慎太郎八段	山崎隆之九段	〇	永瀬拓矢九段	広瀬章人九段	〇	山崎隆之九段	斎藤慎太郎八段	●
			8勝1敗			5勝4敗			1勝8敗
79	豊島将之九段	稲葉陽八段	〇	菅井竜也八段	羽生善治九段	●	斎藤慎太郎八段	糸谷哲郎九段	〇
			6勝3敗			5勝4敗			8勝1敗
78	佐藤天彦九段	羽生善治九段	●	渡辺明九段	木村一基九段	〇	木村一基九段	渡辺明九段	●
			4勝5敗			9勝0敗			4勝5敗
77	羽生善治九段	糸谷哲郎九段	●	糸谷哲郎九段	羽生善治九段	〇	阿久津主税八段	三浦弘行九段	●
			7勝2敗			6勝3敗			1勝8敗
76	稲葉陽八段	屋敷伸之九段	〇	久保利明九段	三浦弘行九段	〇	豊島将之九段	行方尚史九段	〇
			6勝4敗			6勝4敗			6勝4敗

前期の糸谷九段を含めて、この9年間の中では4人がB級1組からの昇級、即名人挑戦を決めています。3名以上のプレーオフとなった場合はともかく、こと挑戦争いに関して順位の高さ低さはまず関係ありませんから、前期の昇級の勢いが続いていたとも考えられますし、あるいはA級に上がる前からトップクラスの実力にあった(五冠王としてA級に初参加した第81期の藤井名人がその最たる例でしょう)棋士が、その実力通りに名人挑戦を果たしたともいえます。

対して残留争いについてはどうでしょうか。かつてはA級への昇級者が順位の低さもあって、即B級1組へ降級が続いた時期もありましたが(第63~68期のA級ではいずれの期でも少なくとも1人が昇級即降級となっています。この間ではB級1組からの昇級者が2人とも降級となった期も3期あります)、最近はそのようなケースは見られません。少なくとも上記の期間で順位差がもろに出たのは第78期くらいでしょう。

ただ、前期昇級者でA級初戦に敗れた棋士が名人挑戦を果たしたケースはなく、勝ち越しも1例しかありません。そうなると黒星スタートの伊藤二冠は早くも正念場を迎えているともいえます。王位戦と王座戦という2つのタイトル戦番勝負などの大きな勝負が続く伊藤二冠がA級でも存在感を見せるかどうか、今期A級序盤の注目点といえそうです。

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著者

相崎修司(著者)
将棋雑誌「近代将棋」の編集を経てフリーの観戦記者に。
2026年現在は竜王戦、王位戦・女流王位戦、棋王戦、女流名人戦の観戦記を執筆。
将棋世界をはじめとする各誌にも寄稿。