【将棋ニュース】藤井聡太棋王「課題を感じたシリーズだが、成長のきっかけもつかむことができた」第51期棋王就位式|将棋情報局

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【将棋ニュース】藤井聡太棋王「課題を感じたシリーズだが、成長のきっかけもつかむことができた」第51期棋王就位式

第51期棋王就位式が6月16日、東京千代田区「ホテルニューオータニ」で開催され、4連覇を達成した藤井棋王に就位状が授与されました。

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藤井棋王には、日本将棋連盟の清水市代会長から就位状が、共同通信社の井原康弘代表取締役社長からトロフィーと賞金がそれぞれ授与されました。また、特別協賛のコナミグループからは副賞として、全国のコナミスポーツクラブを1年間無料で利用できる年間利用パスやゲームソフトセットが贈られました。

苦闘の五番勝負「成長のきっかけに」

今期の五番勝負は、2期連続の挑戦となった増田康宏八段を相手に、藤井棋王が1勝2敗と並行する王将戦と合わせてダブルカド番に立たされていたことは多くの将棋ファンの記憶に残っていることでしょう。

謝辞に立った藤井棋王は当時を振り返り、「増田八段の強さ、局面の呼吸を見ぬく鋭さを感じる一方で、自分自身の判断の甘さを痛感する場面が多くあった」と吐露。しかし、勝利した第4局について「粘り強く指すことができ、終盤で強く踏み込んでいく手を選択できた。この対局を機に好転のきっかけをつかむことができた」と語り、苦しいシリーズを乗り越えたことが精神面・技術面での成長につながったと明かしました。

その言葉の通り、現在の藤井棋王の公式戦戦績は、棋王防衛、王将防衛、名人防衛を含む11連勝中と好調を感じさせるものとなっています。

藤井棋王は今期の番勝負を振り返って、「技術面、また精神面においても課題を感じたシリーズでもありましたが、その一方で成長のきっかけをつかむことができたのではないかなとも感じています。来期は永世棋王が懸かるシリーズにもなりますので、今期の経験を生かしてより面白い将棋が指せるように、今後も精進してまいります」と力強く決意を述べました。

祝福の声

また、式典では主催者や協賛社などから、防衛を果たした藤井棋王へお祝いの言葉が送られました。

「藤井棋王がなぜこんなに強いのだろうかということは、皆さま思われるところだと思います。同じ愛知県出身の丹羽宇一郎さんが著書で『自分には努力で人に負けないという自負があるが、藤井さんは人並み外れた努力家である。彼は形勢や勝敗に一喜一憂することなく真摯に将棋と向き合っており、その姿勢が強さの本質だ』と書いておられます。今期の対局を見ておりましても、追い込まれてからの強さや読みの鋭さは、人並み外れた努力の成果、それ以外あり得ないと考えます。日々の心身の鍛錬に対して心からの敬意を表したいです」(共同通信社 井原代表取締役社長)

「第5局終了後のインタビューで藤井棋王は、『自分の展開に持っていくことがなかなか難しく、苦しいシリーズだった』とおっしゃっていました。また、『幸運だった』という言葉を大変多く口にされていたのが印象に残っております。しかし、王者が語るとその幸運という言葉も決して偶然ではなくなります。幸運とは、チャンスと準備が一致したときに実現するという言葉がございます。まさにどれほど最大限の準備をして臨み、またわずかなチャンスも逃さずに勝利に結びつけたか。その藤井棋王がまた1つ新たなステージを登られたのではないかと感じております」(日本将棋連盟 清水会長)

「第1局が開催された2月8日は、滅多にない荒れた天気で、雪がうっすら積もるという、愛媛でも何年かに1回しかない状況でした。非常に寒い状況だったのですが、大盤解説には400名を超えるファンの方々に来ていただき、道後温泉の老舗ホテルでは夜の7時過ぎまで熱い戦いが繰り広げられました。結果は藤井棋王が敗れるという波乱の幕開けとなったのですが、その後、金沢、新潟、日光、鳥取と五番勝負が続き、最終的には藤井棋王が劇的な逆転勝利を収められました。地方ではなかなか見ることのできない将棋界の最高峰の棋士による対局を開催していただきましたことに御礼を申し上げます」(愛媛新聞社 加藤令史代表取締役社長)

「今年は第5局までの激戦となりました。棋王戦の歴史に残る本当に素晴らしい五番勝負であったと思います。長丁場を勝ち抜かれた藤井棋王と、対戦相手である増田八段には改めて労いと感謝の意を表したいと思います。来期の第52期は、藤井棋王の5連覇、そして永世棋王の資格が懸かる期待の五番勝負となります。藤井棋王のさらなるご活躍と、将棋界の発展を祈念いたします」(コナミグループ株式会社 東尾公彦代表取締役社長グループCEO)

「2011年に『サイエンス』に掲載された理化学研究所の田中啓治先生の論文で、プロ棋士とアマチュアでどう脳の働きが違うかというものがありました。アマチュア棋士の場合は前頭葉を非常に活発に使って、一手一手しらみつぶしに論理的に先々を考えて指していることが分かりました。じゃあプロ棋士はどうなんだというと、実は前頭葉をあんまり使っていないんです。どうも『身体感覚』や『直感』でやっているのではないかということが論文で明らかになっています。先ほど藤井棋王とお話しさせていただく機会があったのですが、やはり『直感』というところをお話しになっていて、研究結果とそこが一致するんだろうなと改めて確認いたしました。私たちは藤井棋王と同じ時代に生まれたということをとてもラッキーなことだと思いますし、彼が見せてくれるその景色の一端を、対局の一戦一戦でこれからも見せてくださると思います。それを楽しみに、人類の希望の星としてこれからも応援していきたいなと思います」(脳科学者 中野信子氏)

来期の第52期棋王戦で防衛を果たすと、史上3人目の「永世棋王」の資格を獲得することになります。永世棋王の資格は連続5期以外の条件がなく、来期失冠するとふりだしからのスタートとなります。これまで以上に注目を集める重要なシーズンになることでしょう。

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将棋世界編集部(著者)