2026.05.01
羽生、こぼれ落ちた挑戦権 服部が逆転勝利で棋聖戦挑戦者に
藤井聡太棋聖への挑戦者を決めるヒューリック杯第97期棋聖戦挑戦者決定戦。羽生善治九段対服部慎一郎七段の対局が、5月1日に東京「将棋会館」で行われ、服部七段が156手で勝利し、挑戦権を獲得した。
振り駒で先手となった羽生九段の初手▲2六歩で対局開始。服部七段の雁木に対して羽生九段は早繰り銀の急戦策を採り、3筋から開戦。服部七段も7筋から仕掛け、午前中から激しい攻め合いが展開された。
小技を織り交ぜた細かい応酬で長く難しい中盤戦が続いたが、竜を自陣に引き付けて手厚い布陣を築いた羽生九段が優位に立った。
終盤に入って反撃に転じた服部七段が手順を尽くして敵玉に厳しく迫っていった。正確な対応で猛攻を振り切った羽生九段が勝利をつかんだ……かに見えたが!?
服部玉に即詰みの筋が生じた局面で、一分将棋の羽生九段が決め方を誤り、急転直下の大逆転。羽生九段の手から勝利がすり抜けた。最後に挑戦権をもぎ取ったのは服部七段だった。
午後8時2分、終局。消費時間は▲羽生3時間59分、△3時間58分。
終局直後の感想では、羽生九段は詰み筋に気がつかなかったという。しかし、これはポカというより、羽生九段の持ち時間が切れるタイミングで選択肢の多い局面に持ち込んだ服部七段の卓越した勝負術が呼んだ奇跡といえよう。
九死に一生を得た服部七段は、これがタイトル初挑戦。強敵・藤井棋聖に挑む。
終局直後のコメント
服部「早い段階で激しい攻め合いになったので、ずっと難しい将棋だった。自玉が薄いのでバランスを崩さないように気を付けていたが、最後の最後までちょっと足りないのかなあと思っていた。(挑戦について)まだ実感がないが、藤井棋聖とタイトル戦で戦えるということはすごくうれしい。タイトル戦に出るからには盛り上げたいと思っている」
羽生「終始、ずっと際どい局面が続いていたような気がする。(最後は)詰んでいたんですね、ひどかった。最後に勝ちがあったことに気が付かなかった。(一局を振り返って)細かいところの精度を上げていかないといけないという課題が残る一局だった」
