2026.04.21
【今日は何の日】斎藤慎太郎八段の詰将棋を並べてお誕生日を祝おう
今日、4月21日は斎藤慎太郎八段の33歳のお誕生日。「詰将棋を愛している」でもおなじみの斎藤八段は、タイトル戦の登場のみならず、詰将棋創作でも絶好調です。ここ最近の作品を鑑賞して、お誕生日をお祝いしましょう!
動く盤を用意したので、解かなくても並べるだけで大丈夫です!
詰将棋パラダイス2025年5月号発表「天神祭」
煙詰、という趣向があります。盤上に39枚(攻方の玉以外全部)の駒があり、それが煙のように消えていって、最後は3枚の駒だけになって詰め上がるというもの。本作は、斎藤八段としては2作目の煙詰。全体的に(煙詰としては)やさしい手順が続き、軽快な駒さばきを楽しむことができます。81手目の▲3一桂成以降は特にきめ細やかなさばきで駒を消していく手順となり、ここが創作の動機になっているようです。
詰将棋パラダイス2025年11月号発表「王位継承」
これは歴史に残る作品です。
前提として、本作は双玉都煙詰と言われる趣向の作品。先ほど煙詰は攻方の玉を除いた39枚の駒を使って作ると書きましたが、双玉煙では攻方の玉も加えた40枚の駒を使います。
また、都煙は5五の地点で詰め上がる煙詰のことを指します。5五で詰むためには、盤上に4枚の駒が最低限必要なので、通常の煙詰より消す駒が1枚少なくなりますが、中段の玉を詰ますほうが難しいので、条件としてはより難しくなります。
その前提を踏まえてお読みください。本作が実現しているのは都玉の交代劇、つまり王位の継承です。初形では、攻方の玉が5五にいます。しかし、詰め上がりを見てみると、5五にいるのは玉方の玉。これがいままで実現されてこなかった難条件です。
この初形から玉方の玉を5五に持ってくるためには、当然ながら攻方の玉が最低2回動いて5五の地点を解放しなければいけないわけですが、玉方と違って攻め方には王手義務がありますから、玉を動かす手も相手玉への王手になっていなければならないわけです。
双玉煙で攻方の玉が2回動く、というだけでも希少な作品で、前例は岡村孝雄作「アツクナレ」(詰将棋パラダイス2020年11月号、看寿賞長編賞)、岸本裕真作「天動説」(詰将棋パラダイス2022年3月号)の2作だけ。「天動説」は攻方玉が5五の地点から2回動く作品でしたが、本記事の執筆にあたって岸本氏に尋ねると、氏は「空いた5五に玉方の玉を持ってくるなどということは考えもしなかった」とコメントしました。
しかも、玉方玉の初形位置は通常の将棋でも初期配置である5一、というのもこだわりを感じるポイント。斎藤八段らしい美学を感じる作品となっています。ぜひ並べて鑑賞してください。
詰将棋解答選手権チャンピオン戦5番(2026年3月29日)
岩村凛太朗四段が優勝して幕を閉じた今年の詰将棋解答選手権チャンピオン戦で、話題を呼んだ作品のひとつがこれ。
第1ラウンドのボスとして登場し、優勝した岩村四段以外誰も解くことができなかった作品です。序の4手が特に難解で、そのため途中まで正解で部分点を取ったという人もほとんどいませんでした。作者の見せたかったのは11手目▲2六桂以降の軽快でリズミカルな手順。それだけに、「序が難しくなりすぎたかもしれない」と斎藤八段も気にしていましたが、駒の働きを高めるための手順を逆算で入れたところ、結果的に難しくなってしまったという事情とのこと。駒の効率を意識する斎藤八段らしい選択と思います。
詰将棋パラダイス2026年3月号

最後に、詰将棋パラダイスの表紙を斎藤八段の作品が飾った号をご紹介します。こちらはまだ解答発表がされていないので、腕に覚えのある方はぜひ解いてみてください。
詰将棋パラダイス3月号はこちらからご購入いただけます。
33歳の斎藤慎太郎八段は、どんな作品を見せてくれるのでしょうか? 改めてお誕生日をお祝いしつつ、新作も楽しみに待ちましょう!
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