『羽生の法則』シリーズレビュー|将棋情報局

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『羽生の法則』シリーズレビュー

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はじめに

今回は、オススメ棋書のレビューを書く機会をいただきましたので、特に級位者の方にオススメしたい棋書として『羽生の法則』シリーズを取り上げさせていただきます。

文庫版のまえがきから抜粋すると『将棋には手筋と呼ばれるたくさんのテクニックがあります。それを知る事によって型を知り、基本を知り、実戦で使えるようになります。本書では様々な手筋を紹介してありますがそれらを知る事によって応用の幅が広がり、将棋の楽しさも知る事になるはずです』とあります。

級位者の方が初段を目指す上で、手筋の勉強は欠かすことができないかと思います。もちろん実戦の中で自分で思いついたり、相手の手から学ぶことはありますが、書籍で体系的に勉強した方がより効率的です。

『羽生の法則』は、2003年頃、全6巻で出版されました。
2011年には、2巻分を1巻にまとめた『羽生の法則1 歩・金銀の手筋』『羽生の法則2 玉桂香・飛角の手筋』『羽生の法則3 玉の囲い方・仕掛け』として全3巻の文庫版として再出版されています。
2026年3月現在、書店で新品の書籍として手に入るのはこの文庫版となっています。(なお、第3巻は在庫切れとなっております。)

 

本書の特徴

本書は将棋の手筋に関する講座タイプの書籍となっており、問題集ではありません。見開き1ページでひとつずつ手筋が紹介されています。手筋の勉強が初めての人は、まず気楽に本文の説明を読んでいってください。

右上に局面図が載っています。この局面図から手数がたくさん進むわけではないですし、途中図、結果図も多く載ってますので、級位者の方でも盤駒を用意せずに読み進めることができるでしょう。(もちろん、もし難しいと感じたら、盤駒で並べるとより理解できることでしょう。)

読んでいくだけで、次から次へと手筋を知ることができます。ぜひ、学んだ手筋を実戦で活用してください。実戦で試していくことによって、「手筋を知った」段階から「手筋が身についた」段階へと移行していき、そのうち実戦の中で自然と手筋を使えるようになるでしょう。

もし別の書籍などで手筋の勉強をしたことがある方は、見開き1ページの右上の局面図から次の手を予想するといった読み方もできます。問題集ではないのですが、問題集的な使い方もできるのが本書の特徴です。本書を何周かしたら、問題集のように利用して、間違えたものに絞って丁寧に解説を読んでいく、といった使い方もよいでしょう。

本書には巻末に実戦編が入っており、羽生九段の実戦をベースに手筋を学ぶこともできます。羽生九段ファンにはたまらない内容でしょう。

なお、第3巻は玉の囲い方と仕掛けについて解説されています。当然ですが、2003年頃当時に流行っていた戦型が取り上げられているため、現代調の角換わりや相掛かりなどの形は入っていません。ただ、基本的な形の紹介なので汎用的に使えるものが多いですし、アマチュア将棋においては、以前の形を愛用する人もいるので、読んで得るものはあるでしょう。
ただし、手筋の勉強だけをしたい方は、第1巻、第2巻のみを購入すれば十分です。

 

印象に残った手筋

第1巻と第2巻は駒別の手筋について解説されています。重要な手筋のオンパレードです。どれも紹介したいものばかりなのですが、その中でも特に私が印象に残った手筋を厳選して紹介させていただきます。

焦点の歩(第1巻 44ページ)

飛車をさばいて気持ちのよい局面ですが、まだ駒得しているわけではありません。どうやって駒得にもっていくか考えどころです。

ここは▲3三歩が決め手。後手がどう応じても、先手は駒得することができます。本文中にある通りで「▲3三歩のように相手の駒がたくさん利いているところに打つ歩を"焦点の歩"という。好手になることが多い手筋だ」。

 

駒を呼び込む強い受け(第1巻 294ページ)

後手の銀が迫ってきて怖い局面です。銀ばさみの筋も見えますが、▲5五歩としても△同角で無効です。さてどうするべきでしょうか。

ここは▲6六歩と指すのが正解。一瞬、「え?この歩、タダで取られてしまうんじゃ?」と思ってしまいますが、△同銀に冷静に▲8八銀とかわしてみると、次の▲6七歩で銀ばさみできる形になりました。

 

味な受け(第2巻 68ページ)

2枚飛車で攻められて絶体絶命にすら思える局面です。持ち駒もなくて、いよいよ困りました。(私ならつい投了してしまうかもしれません。)

ここは▲9八香という面白い受けがありました。これで先手はしのいでいます。△9九飛成にも▲9七玉と逃げるスペースができています。

3例だけ挙げさせていただきましたが、本書には他にも役に立つ手筋がたくさん載っています。中には、感激を覚える手筋も見つかるかもしれません。これらの手筋を身につけて、実戦で組み合わせることによって、指し手のレベルがグンと上がることでしょう。

 

さいごに

今回は新刊ではありませんが、多くの級位者の方に読んでほしい棋書として『羽生の法則』シリーズのレビューを書かせていただきました。

序盤の駒組み、終盤の詰将棋と合わせて、本書で手筋の勉強に取り組めば、実戦で手をうまくつないでいくことができるようになると思います。

手筋の勉強を今までしてこなかった方、また、より多くの手筋を身につけたい方は、ぜひ本書を購入してみてください。

一点、本書は文庫本サイズになっていますので、文字が小さめです。その点だけご注意ください。

それでは、本レビューをお読みの方が手筋を身に着け、昇級・昇段されることを願っています。本レビューをお読みいただきありがとうございました。

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著者

たろいも(著者)