羽生九段通算1600勝記念 みんなで選ぶ羽生将棋ベスト10|将棋情報局

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羽生九段通算1600勝記念 みんなで選ぶ羽生将棋ベスト10

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将棋世界2026年5月号では、羽生善治九段の前人未到の1600勝を記念して、特集「みんなで選ぶ羽生将棋ベスト10」を実施いたします。羽生将棋に詳しい勝又清和七段と長岡裕也六段が選んだ50局に編集部が選んだ6局をあわせた計56局を一挙紹介。あの時の感動を思い出しながら、あなたが思う名局を選んでください!
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No.01 朝まで感想戦!?
●1986年8月25日
第45期順位戦C級2組 ▲羽生善治四段―△小堀清一九段

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 デビューから間もない羽生は、初の順位戦で老雄小堀と対戦。何と年齢差60歳の対局。図から▲7二角△5四銀▲7五桂と、飛車を攻めるのがうまい。翌日午前1前まで戦い羽生が勝利した。何を隠そう、記録係を務めたのが私こと勝又1級(当時)。感想戦は朝8時まで続き、さすがの羽生少年も盤の前で寝てしまったエピソードは有名だ。

No.02 非凡な名手
●1988年5月24日
第1期竜王戦ランキング戦4組決勝 ▲羽生善治五段―△富岡英作六段

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 記念すべき第1期竜王戦。4組決勝で富岡と対戦。勝ったほうが決勝トーナメントに進出する大一番だ。相掛かりから△3五銀と飛車取りに打たれて、さすがの羽生もバラバラな陣形で苦戦を思わせた。ところが図から▲7七角!が非凡な名手で、景色が一変。以下△3六銀▲6五金△4八飛▲6七玉△7七角成▲同玉と進むと、上部に厚い先手が優勢に。

No.03 マジック誕生の一局
●1988年10月4日
第47期順位戦C級1組  ▲泉正樹五段―△羽生善治五段

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 泉と対戦で、羽生マジック誕生と言われた一局。図は野獣流の猛攻で後手 玉は絶体絶命に見えるが、△7九銀▲同玉△6七桂▲8八玉に、再度の△7九銀から▲9七玉△6四角▲7五金と金を使わせたあとに、△3二歩と馬に催促した受けがピッタリの組み立て。▲6四金に△3三歩で馬を除去して体を入れ替えた。
 

No.04 伝説の妙手
●1989年1月9日
第38回NHK杯 ▲羽生善治五段―△加藤一二三九段

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     羽生の▲5二銀と言えば、将棋ファンなら誰もが思い浮かぶこの将棋。空間に捨てる▲5二銀に衝撃を受けた。以下△同飛    
    や△同金は▲1四角から詰み。実戦は△4二玉▲6一銀不成△2九歩成▲2八歩△3九と▲3二金と進んで、大豪加藤を下し、  
    一気に優勝まで上り詰めた。

No.05 ガードを粉砕
●1989年年2月17日
第11回オールスター勝ち抜き戦 ▲大山康晴十五世名人―△羽生善治五段

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 大山との対戦はこれまで1勝1敗。3局目の本局は、大山の四間飛車に羽生が6筋から急戦を仕掛けて迎えた図。▲9一角成で先手陣は、馬と角が自陣によく利いており攻略が難しそうだが、図から△6四歩▲8七飛成△5五歩▲3九香△4五桂▲4六歩△5七桂打と、大山のガードを粉砕する鋭い攻めで快勝した。

No.06 師匠に恩返し
●1989年3月10日
第11回オールスター勝ち抜き戦 ▲羽生善治五段―△二上達也九段

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 最初で最後の師弟対決は、羽生が五段のとき。羽生の勝勢で迎えた図から、鮮やかに決めて恩返しを果たした。▲6二銀打△同飛▲同銀不成△同玉▲5三金△5一玉▲8一飛△6一銀▲同飛成△同玉▲6二銀△7二玉▲7四飛△8二玉▲7三銀不成△9二玉▲9三角成まで。

No.07 竜冠が完成
●1989年3月25日(スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催)
第39期王将戦一次予選 ▲羽生善治五段―△達正光五段

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 振り飛車穴熊に対して駒得している羽生だが、決めるとなると先はまだまだ長そう。ところが雄大な構想で優位を拡大する。図から▲1一飛成△2九飛▲1五竜△2八飛成に、その後に竜を▲7五竜~▲8六竜と銀冠の頭上に設置。強力な竜の援護を受け、端攻めが炸裂した。

No.08 軽妙手
●1992年7月28日
第42期王将戦二次予選 ▲羽生善治棋王―△郷田真隆四段

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 私が奨励会三段時代に記録係を務めた本局。側面から右玉に迫る郷田の攻め駒への対処が難しいが、図から▲7八歩が軽妙手。△同竜なら▲7九香からと金が消せる。実戦は△7六歩に、▲3六香△5四歩▲6六馬△2八金▲5九飛△8六竜に対して、▲3五歩からの攻めを間に合わせて羽生が勝利した。

No.09 絶妙の寄せ
●1994年4月25日
第52期名人戦七番勝負第2局 ▲米長邦雄名人―△羽生善治棋聖

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 本局は奨励会三段のときに、現地で観戦したのでとても印象に残っています。先手玉をどう寄せるかですが、図から△8六桂▲同歩で玉頭に空間を作ってから、△6八金▲9七玉△6七金と迫ったのが絶妙の寄せ方で、▲1三桂に△8八銀で羽生棋聖が勝利して、初の名人獲得まであと2勝となりました。

No.10 歴史が動いた一局
●1994年6月6日
第52期名人戦七番勝負第6局 ▲米長邦雄名人―△羽生善治棋聖 

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 羽生がついに初の名人を獲得したのが本局。角換わりに対して先手は右玉で対抗。難解な戦いが続く中、図から△4六歩▲同歩△4四歩が、俗にいう歩を下げる手筋で好判断だった。これで次の△3六歩の桂取りがわかっていても受からない。歴史が動いた一局となった。

No.11 ぼんやりした好手
●2000年10月4日
第48期王座戦五番勝負第4局 ▲羽生善治王座―△藤井猛竜王

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 美濃囲いは堅陣のままだが、搦め手から手をつける▲9三歩が、緩んだようでも軽妙手。この歩は取っても後手陣は弱体化する。実戦は△5四金からさばきに出たが、▲9二香からスピードアップの攻めが決まり、端を食い破って後手陣を攻略した。

No.12 9連覇達成!
●2000年10月13日
第48期王座戦五番勝負第5局 ▲藤井猛竜王―△羽生善治王座

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 フルセットで迎えた第5局。後手は飛車先突破を図りたいが重たい形。ここで△8六歩が驚いた手で、と金をブラインドにして、飛車を成り込んだのが絶妙だった。本局に勝った羽生は9連覇だが、まさか、19まで連覇を伸ばし続けるとは、恐れ入りました。

No.13 格調高い指し回し
●2002年7月5日
第22回オールスター勝ち抜き戦 ▲金沢孝史四段―△羽生善治竜王

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 図は相掛かりの中盤戦。ここからわずか5手で終局するから驚きだ。図から△3一玉▲9六歩△6三金▲1七桂△2二玉。△3一玉に▲7三角成は、△8九飛が厳しい。▲9六歩で▲9七角の余地を残したが、△2二玉が安定感をさらに増して格調高い。

No.14 指が震えた一局
●2003年10月15日
第51期王座戦五番勝負第5局 ▲渡辺明五段―△羽生善治王座

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 若き五段の渡辺の初挑戦を受けたシリーズ。フルセットまで追い込まれ、絶対王者も大ピンチだったが、第5局で底力を発揮した。図から△6四金▲7二銀打△1一歩が曲線的な指し回し。勝利に近づいた羽生の指が震えて、マス目になかなか駒が入らなったのが本局である。

No.15 集中砲火!
●2005年2月9日(スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催)
第54期王将戦七番勝負第4局 ▲羽生善治二冠―△森内俊之王将

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 右辺は後手の馬が厚く、攻略は不可能だが、羽生の視線は左辺に向いていた。ここから端攻め一本で、後手陣を崩壊させるのだから驚きだ。図から▲9六歩△1九馬▲9五歩△9三歩▲9九飛△1八馬▲8五桂と、9筋を集中砲火。穴熊玉を攻め倒した。

No.16 大駒のサバキ
●2005年9月1日
第53期王座戦五番勝負第1局(千日手指し直し局)▲羽生善治王座―△佐藤康光棋聖

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 14連覇がかかる王座戦。開幕局は千日手指し直しで迎えた本局。大駒のコンビネーションが冴えわたり、後手陣を崩壊させた。図から▲7七角△3三金▲6八飛△6二飛▲6六角△4三金引▲7七金寄。角のラインを生かしてコンパクトに自陣を固めつつ、大駒のサバキを狙ったのが秀逸な構想だった。

No.17 絶妙の中合
●2005年12月14日
第64期順位戦A級 ▲郷田真隆九段―△羽生善治四冠

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 図の▲4八飛の王手に、△4五歩では▲6七金と質駒を取られて後手敗勢。△4六桂の中合いが絶妙のしのぎ。▲同飛なら△4五歩で飛車のヨコ利きが消え、先手玉は詰めろになる。実戦は▲6七金と外したが、△7八銀▲同玉△6七歩成から詰み筋に入った。

No.18 勝負の呼吸
●2008年4月22日
第66期名人戦七番勝負第2局 ▲羽生善治二冠―△森内俊之名人

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 永世名人は森内に先を越された羽生だったが、この期は4―2で奪還して通算5期獲得。永世名人の資格を得た。図の先手玉は不安定だが、▲6四桂△5三金を決めてから、▲6八玉△5五角▲7九玉と安全地帯に引いたのが、勝負の呼吸。以下△6四金に▲8二飛と打ち込んで、勝ちを決めた。

No.19 角取り放置
●2010年8月16日
第23期竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局▲久保利明二冠―△羽生善治名人

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 竜王挑戦を懸けた大一番。図は▲2九同玉で角取りが残り、羽生の攻めが細いが、角取りに構わず△3六歩が驚きの着想。▲同歩は△3七桂▲同金△4五桂と攻めが調子づく。実戦は▲8一竜△6二飛▲4九金に、△3七歩成から手をつないだ羽生が先手玉を寄せきり、第2局も制して挑戦権を獲得した。

No.20 芸術的な玉サバキ
●2011年1月31日
第60回NHK杯戦本戦 ▲羽生善治名人―△佐藤康光九段

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 同一対局カード現役最多の172局(羽生の117勝55敗・1位は中原誠十六世名人―米長邦雄永世棋聖の187局)の両者は、当然タイトル戦以外でも対戦は多く、本局が147局目。図の△9四香の王手に、▲9五歩△同香▲9六金△5二玉▲7八銀△9六香▲8七玉と、中合~移動合と芸術的な玉サバキ。

No.21 緩急自在
●2012年7月5日
第83期棋聖戦五番勝負第3局 ▲羽生善治棋聖―△中村太地六段

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 本局は羽生がタイトル獲得81期で、歴代単独1位になったのと、私が観戦記でペンクラブ大賞を受賞した思い出深い一局。先手玉も危ない形だが飛車桂のコンビネーションで猛攻。△3四金と飛車に当てられた図に、ジッと▲3六飛が柔らかい。以下△4五角成に▲2三飛成から勝ちきった。緩急自在な指し回しに感動。

No.22 拠点生かした攻め
●2013年9月9日
第72期順位戦A級 ▲三浦弘行九段―△羽生善治三冠

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 飛車金両取りのうえに、2七、6九の2枚の銀にも当たっており、後手が大変忙しい局面。ここから羽生は妙手順で攻めをつなげる。図から△8六飛と走り、▲同銀にジッと△4七馬と引いて、△7八歩を狙う。▲7七飛の受けにも△7八歩▲6八金上△7九歩成▲同飛△5八馬。8七の拠点を生かして攻めきった。

No.23 紙一重の受け
●2023年1月21日(スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催)
第72期ALSОK杯王将戦七番勝負第2局 ▲羽生善治九段―△藤井聡太王将

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 盛り上がった羽生と藤井の初タイトル戦は、羽生が勝てばタイトル獲得通算100期の偉業がかかる。図は第2局で、△7八飛と迫る後手に、▲4六歩△同角▲6九銀と紙一重の受け。さらに連続王手で迫る後手を際どくかわし、最後は飛車成りの王手に唯一の香合でしのぐ、奇跡的な受けで藤井を投了に追い込んだ。

No.24 攻めをつなげる
●2023年2月9日(スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催)
第72期ALSОK杯王将戦七番勝負第4局 ▲羽生善治九段―△藤井聡太王将

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 1―2とリードされた第4局。本局は駒を捨てまくる猛攻を見せた、羽生の指し回しに感動した。図から▲5二桂成△同玉▲6四角成△5四銀に▲2四飛と走り、△2三角(△2三歩は▲3四飛~▲4四飛~▲5三桂成)▲同飛成△同金▲3一角から攻めをつないだ。スコアをタイに戻したものの、奪取はならなかった。

No.25 真の狙いは?
●2025年1月9日
ヒューリック杯第96期棋聖戦二次予選 ▲佐藤康光九段―△羽生善治九段

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 両者の171局目の対戦は、約半年ぶりの激突。本局は私が観戦記を務めた。図は▲6四桂と金銀両取りに打たれたが、実は羽生の深謀遠慮の構想。以下△6二金寄▲同金寄と進行したが、真の狙いは後に△5四桂の設置から△6二竜の転回で、先手のかけた技に手に乗って6筋を反撃する、達人ならではの技だった。

No.26 限定合でしのぐ
●1989年9月6日(スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催)
第42期王将戦二次予選 ▲村山聖五段―△羽生善治五段

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 村山聖と公式戦2度目の対戦。中盤から苦戦となったが最終盤にチャンスがきた。図から△1三玉▲1二飛成△1二金▲同竜△同玉▲1一金△同玉▲1三香△1二飛で、後手玉がぎりぎり詰まず、羽生の逆転勝ち。△1二金と△1二飛が2度の限定合だった。

No.27 絶妙な寄せ
●1989年11月16日
第2期竜王戦七番勝負第4局 ▲羽生善治六段―△島朗竜王

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 2敗1持将棋で迎えた第4局。矢倉で華々しい戦いとなり、終盤のねじり合いに。図から▲2六歩△同銀▲2五歩△同金▲2三歩△同金▲2四歩△同金引▲4一竜が絶妙な手順で、タイトル戦初勝利を挙げた。

No.28 驚きの勝負手
●1990年11月15日
第3期竜王戦七番勝負第4局 ▲羽生善治竜王―△谷川浩司王位

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 初防衛戦で開幕から3連敗しカド番の一局。100手を超えて中盤戦という力の入った大熱戦。終盤は谷川優勢となり、羽生も決め手を与えずに粘る。図から▲3六金が△5九角成を 催促する驚きの勝負手で、逆転勝ちにつながった。

No.29 巧妙な手渡し
●2003年8月26日
第44期王位戦七番勝負第4局 ▲谷川浩司王位―△羽生善治竜王・名人

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 開幕から3連敗し、カド番の一局。苦戦の終盤戦の中、粘り強く受け続けて逆転に成功。図から△9四歩が好手で、以下▲4一とに△4七歩から反撃に転じて勝ちきった。

No.30 長手順の即詰み
●1998年2月18日(スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催)
第47期王将戦七番勝負第5局 ▲羽生善治王将―△佐藤康光八段

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 羽生3勝1敗で迎えた第5局。佐藤が中盤で三段玉に構える意欲的な構想から空中要塞を築き、終盤は佐藤勝勢に。しかし最終盤に羽生が逆転し、図から▲2五飛以下40手を超える長手数の即詰みで防衛を決めた。

No.31 詰めろ逃れの詰めろで逆転
●1998年9月3日
第39期王位戦七番勝負第6局 ▲羽生善治王位―△佐藤康光名人

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 羽生3勝2敗で迎えた第6局。相矢倉らしい激しい攻め合いとなり、佐藤優勢で最終盤に。図から▲6二銀成が好手で、長手数だが詰めろ逃れの詰めろがかかる。実戦は先手玉の詰めろを維持するため後手玉が即詰みの変化となり、羽生が逆転勝ちで防衛を決めた。

No.32 不詰を見切り
●1998年11月17日
第70期棋聖戦棋聖リーグ ▲羽生善治四冠―△屋敷伸之七段

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 矢倉から激しい攻め合いとなり、△6九銀で先手も怖い形だが、羽生は最短の勝ちを目指す。図から▲4三成銀△7八銀成▲9七玉△4八角成▲1五金△同馬▲同歩と進行。後手の持ち駒が豊富だが、先手玉の不詰を読みきっている。実戦は△8六銀▲同歩△8七金以下、長手数の王手が続いたが、逃げきって羽生の勝ちとなった。

No.33 体を入れ替える
●1999年1月20日(スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催)
第48期王将戦七番勝負第2局 ▲森下卓八段―△羽生善治王将

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 0勝1敗で迎えた第2局。劣勢の最終盤に、先手玉を攻めながら上部を開拓してチャンスを待つ。図の▲6六歩では玉を逃がすような▲7四銀が正着で森下の勝ち筋だった。本譜は図から△6六同馬▲7七桂△同香成で攻守が入れ替わり、羽生の逆転勝ち。

No.34 懐深い指し回し
●2000年8月8日
第41期王位戦七番勝負第3局 ▲羽生善治王位―△谷川浩司九段

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 1勝1敗で迎えた第3局。谷川の猛攻に劣勢だった羽生が粘って逆転。図から▲1八玉が決め手で、銀桂が手に入ると後手玉に▲1四桂△同歩▲3三銀以下の詰みがあるため先手玉に詰めろが続かない。谷川と棋聖・王位のWタイトル戦だったが、いずれもフルセットで羽生が制した。

No.35 勇者の踏み込み
●2000年12月14日
第13期竜王戦七番勝負第6局 ▲羽生善治五冠―△藤井猛竜王

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 羽生2勝3敗で迎えたカド番の一局。四間飛車対急戦で、一手一手に工夫が凝らされた手順が続いた。△8七香成が見えている中、図から▲5三竜△同歩▲6三角と踏み込んだのが勇者の手順。連続王手の千日手で逃れるぎりぎりの変化も出現し、羽生が激戦を制した。

No.36 絶妙のしのぎ
●2001年3月19日
第26期棋王戦五番勝負第4局 ▲羽生善治棋王―△久保利明六段

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 羽生2勝1敗で迎えた第4局。久保が四間飛車を採用し、中盤で優位を築き終盤戦へ。羽生が徐々に差を詰めて、図から▲7九金が金を捨てる意表の受けで逆転勝ちを収め、防衛を決めた。

No.37 犠打が決め手に
●2001年11月20日
第14期竜王戦七番勝負第4局 ▲藤井猛竜王―△羽生善治四冠

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 両者の過去の対戦でも指されていた藤井システムの変化から、藤井が新手を放ち激しい攻め合いに。ガジガジ流の攻めで後手玉が危険だが、図から△3一銀▲同と△3五銀が好手順で羽生が優勢になった。 長岡12図は▲3五同歩まで

No.38 意表の受け方
●2005年4月12日
第63期名人戦第1局 ▲羽生善治四冠―△森内俊之名人

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 角換わりで、羽生の左銀が中盤で7七から4六まで移動した珍しい将棋。図から▲6七金が△7七香の拠点を残したまま戦う意表の受けで、難解な終盤戦を羽生が制した。私が記録係を務めた将棋で、▲6七金に驚いたのをよく覚えている。

No.39 取られる駒が躍動
●2008年1月15日
第66期順位戦A級 ▲丸山忠久九段―△羽生善治二冠

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 ここまで5勝1敗の羽生と、4勝2敗の丸山の上位対決。同型角換わり腰掛け銀から、丸山の猛攻にうまく反撃して優勢に。図から△7五金のタダ捨てが気持ちのいい好手で、▲7五同銀は△7六桂が厳しく、この金は取れない。本譜は▲7七銀と辛抱したが、羽生が攻め続けて快勝した。

No.40 勢いのある攻め
●2009年6月23日
第67期名人戦七番勝負第7局 ▲羽生善治名人―△郷田真隆九段

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 3勝3敗で迎えた最終局。羽生が秀逸な駒組みで序盤から優位を築く。図から▲4五歩△同歩▲6五歩△3五角▲同銀△5三銀▲3七桂が、勢いのある攻め。郷田に粘る隙を与えず、快勝で防衛を決めた。

No.41 不退転の攻め
●2009年7月17日
第80期棋聖戦五番勝負第5局 ▲木村一基八段―△羽生善治棋聖

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 2勝2敗の最終局。中盤で相手に馬を作らせる代わりに、自玉を固める工夫が奏功。図から角を逃げずに△6五桂が好手で、以下▲5六歩△8九飛▲7一飛に△3一金寄で、後手玉が堅く羽生勝勢。快勝で防衛を決めた。

No.42 長手数のねじり合い
●2011年6月25日
第82期棋聖戦五番勝負第2局 ▲深浦康市九段―△羽生善治棋聖

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 千日手指し直し局で、羽生が珍しく角交換四間飛車から穴熊に組んだ一局。とても長い力の入った終盤戦が印象的で、206手の激闘。図から△7九銀▲7七玉△5四角が、詰めろ逃れの詰めろで決め手となった。

No.43 硬軟自在の指し回し
●2011年8月9日
第52期王位戦七番勝負第4局 ▲広瀬章人王位―△羽生善治二冠

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 2連敗から1勝を返して迎えた第4局。横歩取りの激しい定跡から優勢となり、図から△4一金打▲4二と△同金右▲1一竜△6九角▲同玉△4九銀が好手順。自陣の安全を確保してから角捨ての寄せが決まり、快勝でタイに戻した。

No.44 これぞ羽生の名手
●2012年10月3日
第60期王座戦五番勝負第4局(千日手局)▲渡辺明王座―△羽生善治二冠

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 第40回名局賞。王座19連覇後に失冠した翌年のリターンマッチ。2勝1敗で迎えた第4局は羽生の2手目△3二飛戦法から、終盤は迫力のある攻め合いに。図から△6六銀が詰めろ逃れの詰めろとなった絶妙手で、▲同歩△8九金以下、千日手に持ち込んだ。

No.45 玉の大逃走劇
●2013年10月8日
第61期王座戦五番勝負第4局(千日手指し直し局) ▲中村太地六段―△羽生善治王座

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 第41回名局賞。2勝1敗で迎えた第4局の千日手指し直し局。大熱戦で、元は3一にいた後手玉が8筋を経由して6五まできている。図から△5七同とで後手玉が打ち歩詰めで詰まない形。難解ながら羽生の逆転勝ちで防衛となった。図の▲5七桂では、▲6六歩△同と▲同銀△同玉▲6七歩が指しづらい正解手で、詰めろ逃れの詰めろをかけておけば、先手の勝ち筋だった。

No.46 異筋の妙手
●2014年5月20日
第72期名人戦七番勝負第4局 ▲羽生善治三冠―△森内俊之名人

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 両者の9回目の名人戦で、羽生が開幕3連勝で迎えた第4局。羽生の仕掛けにうまく対応した森内が優勢で終盤戦に。図から▲4一金が異筋の勝負手で、羽生の逆転勝ちにつながった。本局に勝って4連勝で名人を奪取した。

No.47 絶妙!歩のマジック
●2014年10月23日
第62期王座戦五番勝負第5局 ▲羽生善治王座―△豊島将之九段

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 第42回名局賞。豊島と初のタイトル戦で、2連勝のあと2連敗して迎えた最終局。図から▲9三歩△8二玉▲9二歩成△同玉▲9四歩△8二玉▲9三歩成が、絶妙な寄せ。玉が9三にくれば▲7一銀や▲9一銀と、逃げ道を封鎖して勝ちということだ。以下は羽生が寄せきって防衛を決めた。

No.48 強攻突破
●2016年8月1日
第87期棋聖戦五番勝負第5局 ▲永瀬拓矢六段―△羽生善治棋聖

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 2勝2敗で迎えた最終局。角換わりから積極的な指し手で十分な態勢に。図から△6八金が先手陣の急所を突いた強攻。以下は▲同金△6六角▲3八玉△9九角成と進み、先手の歩切れを突いた△2五香が残り優勢に。快勝で防衛を決めた。

No.49 永世七冠に王手
●2017年11月23日
第30期竜王戦七番勝負第4局 ▲渡辺明竜王―△羽生善治棋聖

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 第45回名局賞。2勝1敗で迎えた第4局。矢倉から激しい攻め合いとなり、羽生優勢で終盤戦に。図から△6八飛が決め手の飛車捨てで、先手玉は受けなし。永世七冠に王手をかけた。

No.50 手順を尽くした攻め
●2018年4月11日
第76期名人戦七番勝負第1局 ▲羽生善治竜王―△佐藤天彦名人

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 第46回名局賞。佐藤と2度目の名人戦の開幕局。横歩取りで互いに妥協のない手順で、序盤早々から終盤戦に突入した。佐藤優勢から羽生が粘り、反撃に出た。図から▲6二歩成△同金▲6三歩△7二金▲8一飛△7一桂▲6二歩成△同玉▲6四桂が手順を尽くした攻めで、逆転勝ちにつながった。

No.51 不思議な好手
●1989年2月6日
第38回NHK杯 ▲谷川浩司名人―△羽生善治五段

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衝撃の▲5二銀で、大豪加藤九段に勝利した羽生は、ベスト4に進出。谷川との準決勝は激戦となった。▲3四歩の馬への打診に、編集1図先手の馬にぶつける△5五馬が不思議な感覚。以下▲同馬は△同飛でさばけ形だ。実戦は▲7七桂△6五飛▲同桂△同馬▲3三歩成△7六馬から、羽生が勝ちきって決勝に進出。

No.52 絶妙の切り返し
●1990年8月31日
第9回全日本プロトーナメント ▲泉正樹六段―△羽生善治竜王

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 横歩取りの激戦模様から、△2五同飛と桂を取ったが、編集2図の▲1四角が角金両取り。ここで△2九飛成は▲3九金と竜に当てられて先手を取られてしまう。困ったように見えたが、△3七香が攻めを加速させる妙手。▲同金や▲同銀ならそこで△2九飛成が速い攻めになるし、▲2五角も△3八香成が厳しい肉薄。

No.53 挟撃形を築く
●1991年11月2日
第25回早指し選手権 ▲羽生善治棋王―△佐藤康光五段

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 相矢倉からお互いの玉頭めがけて。激しい寄せ合いとなった編集3図。どちらの攻めが速いか際どい中、▲8三香が羽生らしい曲線的な一着だった。△同飛は▲1二飛成が厳しいので、佐藤は△3七角成としたが、▲8二香成△1九馬に▲2三歩成から、▲6三金と挟撃形を築いて、接戦を制した。

No.54 後手玉を射抜く名角
●1992年11月6日
第51期順位戦B級1組 ▲羽生善治王座―△青野照市八段

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 相矢倉の終盤戦。後手玉は不詰で先手玉は△7八飛以下の詰めろ。絶体絶命に見えるが、敵の打ちたいところに打つ▲7八角が絶妙手。△6七歩成は▲同角が王手になる仕組みた。実戦もそう進み△5六銀に▲3四歩で投了に追い込んだ。順位戦は2期連続の昇級を果たし、ついに名人挑戦の足がかりのA級に昇級した。

No.55 絶好のサバキ
●1993年9月3日
第41期王座戦五番勝負第1局 ▲羽生善治王座―△谷川浩司王将

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 矢倉穴熊の堅陣だが、編集5図の△2七金から上部を開拓されると、先手が勝ちにくくなってしまう。飛車取りに構わず▲2五歩が強手。△同銀に▲3七飛とさらにぶつけて、サバキを狙ったのが好判断。以下△同金▲同桂△3四銀に▲8三金と大駒を取り返してペースをつかむと、終盤の激戦を制した。

No.56 緩急自在の指し回し
●1995年8月28日
第36期王位戦七番勝負第6局 ▲羽生善治王位―△郷田真隆五段

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 △7三桂の角取りで、一見ピンチだが羽生は鋭く斬り込んで活路を見出した。以下▲9三歩成△2六歩▲8二と△2七歩成▲2五歩△同飛▲7二と△8五歩▲6二と△同玉▲7六飛。緩急自在の指し回しが冴えて制勝、3連覇を達成した。以降も防衛を重ねて9まで伸ばし、通算獲得数18期も最多記録。


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