広げよう!将棋の輪 文部科学大臣杯小中学校将棋団体戦東日本大会レポート|将棋情報局

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広げよう!将棋の輪 文部科学大臣杯小中学校将棋団体戦東日本大会レポート

限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから 文部科学大臣杯小中学校将棋団体戦は、同じ小学校、中学校の3人の将棋団体戦。各都道府県で代表校を決める大会が行われ、代表チームが東西に分かれて兵庫と東京に集まり7月25日に西日本大会、7月29日に東日本大会が行われました。東日本大会のレポートをお届けします。

主催は産経新聞社。特別協賛にヒューリック株式会社。これは棋聖戦と同じです。プロ棋戦だけでなく、未来ある子どもたちの大会も支えているのです。そして、競輪の補助事業でもあります。
この文部科学大臣杯は今年で21回目。最初の2回は5人の団体戦で、学校に関係なく各都道府県の強い小中学生を集めてチームを結成していました。個人戦の小学生名人戦、中学選抜で代表になる子がずらりと並んでいました。

会場は東京・大手町のサンケイプラザ。200人近い参加者に引率者もいたものの、広く涼しい快適な会場だった。

小学校で多い「きょうだい+1」チーム

第3回から同じ小学校、中学校3人の団体戦に変更。個人戦で県代表になったことがない子にチャンスが広がりました。また、学校名で大会に出場し、県大会や東日本大会の結果は産経新聞に掲載されます。全校生徒に将棋を知ってもらうきっかけにもなり、学校へ将棋を広げることにもつながります。
小学校で4割を占めるのは、きょうだい+1のチーム。子ども将棋界には「強いきょうだい」は数多く、もう1人同じ学校で将棋の指せる子がいれば強いチームができます。
指導対局に来ていた高橋佑二郎四段はこの大会の千葉県大会に小3~小6の4回出場、2回千葉県代表になり、最後の小6のときに8月の決勝大会まで進み3位に。その直後の奨励会試験に合格し、棋士への道を歩んできました。
十数年前、将棋が強い高橋3兄弟は有名で高橋四段は次男。2歳下の三男が同じ小学校の1年生になった年に高橋四段のクラスメイトを誘って3人チームを作ってこの団体戦に出場していました。
「駒の動かし方を知っている友達に、昼休みに指したりして教えて出てもらいました。器用で飲み込みが早かった。負けてもずっと一緒にでてくれて感謝しています」(高橋四段)。
同じ学校で将棋の指せる子を3人集めるのは今も昔もハードルが高いのですが、このようにお友達に将棋を教えて出るケースはよくあります。

抽選で行われた指導対局。チームごとの当選になる。笑顔で指導する高橋佑二郎四段。

指導対局を受けた子どものうち希望者には、段位認定と免状を書いてもらうこともできた(免状は有料)。
 

学校の仲間を探して将棋を普及

会場には岩崎夏子女流2級の姿も。卒業した文教大学付属小学校が出場しており応援です。同小の6年生だった2年前、この大会に出たいと岩崎女流2級は将棋の指せる子を学校で探しました。お父様も相手の親御さんにお手紙を書いたりして協力し、無事チーム結成。その年は東京都代表になることはできませんでしたが、岩崎女流2級が卒業したあと、初心者や級位者だった子は教室や道場に通い力をつけて上級や有段者に。今回3位に入る健闘を見せました。あと1歩、決勝大会に及びませんでしたが、
「ここまで続けてくれるとは思っていなかった。頑張ってくれて嬉しい」(岩崎女流2級)。

文教大学付属小の後輩たちを見守り、ずっと会場にいた岩崎夏子女流2級。

学校の仲間を誘って大会に出る。それが将棋の普及につながっています。将棋の輪を広げるのにもってこいの大会と言えるでしょう。
この東日本大会では小、中ともに32チームが定数(今年は小学校の部で参加できなくなったチームがあった)。東日本の範囲は北海道から本州の真ん中あたり石川県、長野県、静岡県までの1都1道18県。基本は1都道府県に代表1枠ですが、都道府県大会に特に参加数が多い、東京都は小中とも5枠、神奈川県が中学校5、小学校3など枠が大きくなっています。
埼玉県は小学校の部の枠が4で、今年は埼玉県大会小学校の部に46チームの参加がありました。多くの県で参加数1ケタです。さいたま市には生徒数が多い将棋教室が複数あり、この大会に向けて同じ学校の子を把握してチームを結成することに積極的。山本将棋教室からは今年115人もの小中学生が埼玉県大会に出場しました。県大会を主催する埼玉県連と地元教室が協力していることが突出した参加数につながっており、同じ学校の子が違う教室に通っていたら紹介してチーム結成に繋げることもあるそうです。

小学校の部にはお揃いのTシャツで出場するチームも。その1つ甲府市立舞鶴小学校の3人。舞鶴のポーズ。

強い将棋部のある中学

中学校の部で多いのは私立中学。公立中学で将棋部があるところは少ないのですが、私立中学には比較的多い。公立中に比べて規模が大きい学校が多い上、中高一貫で活動できるため、メジャーな部活でなくても成り立つことが影響しているのでしょう。私立中学が多い東京では、代表5チームのすべてを私立中学が占めました。
君津市立君津中など将棋部のある公立中からの出場も。この大会の良いところは、ほとんどの都道府県大会で1校から何チームでも出せること。大規模運動部のようになかなか大会に出してもらえないことはなく、1年生から大会に出場可能です。6チームで県大会に出た学校もあったそうです。
部活に関わらずこの大会には参加可能で将棋部がない公立中学校からの参加も多くありました。注目チームの1つ、さいたま市立常盤中は運動部所属も含めた2年生の3人。同じメンバーで小学校の部から参加しており、さいたま市立仲町小学校時代には決勝大会連覇、昨年は中学校の部で全国準優勝でした。今回は予選ブロック3戦目で負けてしまい、決勝大会進出を逃しましたが、「来年も同じメンバーで出たい。来年は優勝できる気がする」と会場を後にしました。
 

オーダー作戦も大事

この東日本大会は事前の抽選で小中とも8チームずつABCDの4ブロックに分かれ、主催の産経新聞にも出場校とメンバーの名前が掲載されます。3人並んで対局し、2勝以上したチームが勝ち。勝っても負けても予選はブロックごとの3戦。同じ勝星(チームの)同士あてていき、3連勝したチームのみが午後の決定戦に進みます。決定戦で小中2校ずつのみが決勝大会に出場できます。



3人をどう並べるかの「オーダー」も重要。同ブロックの学校のメンバーの名前を検索し、研修会のクラスや大会実績などを調べて、親御さんと選手でオーダーを相談するチームも。エースを2番(大将、副将という言葉は使われていませんでした)に置くなど「強い順に並べない」チームもありましたが、相手も同じように考える場合もあり、うまくいくかどうかは運次第。当日朝提出したオーダーでブロックの3戦は戦い、午後の決定戦に進むと、改めてオーダーを提出します。
午後の決定戦に進んだのは小学校の部が宇都宮市立今泉小(栃木)、文教大学付属小(東京)、山形市立東小(山形)、浜松市立内野小(静岡)。中学校の部が東京の私立の攻玉社中、芝中、海城中に静岡県の日本大学三島中。2校ずつの組み合わせはクジで決定。結果は写真の通り、宇都宮市立今泉小、浜松市立内野小、攻玉社中、海城中の4校が勝ち決勝大会進出を決めました。
同じ7月29日と翌30日には香川県で全国高校選手権が行われ、海城高校が男子団体(3人チーム)で優勝を果たしました。中高とも全国優勝なるかも注目です。
西日本大会は7月25日に行われ、小学校の部が松山市立福音小(愛媛)と福岡市立西高宮小、中学校の部が東大寺学園中(奈良)、岡山県立岡山大安寺中等教育学校の4校が勝ち抜けています。東西の4校ずつによる決勝大会は8月8日に開催されます。


決勝大会進出を決めた小学校、中学校合わせて4チーム。

宮田聖子(将棋情報局) 限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから

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著者

宮田聖子(著者)
県代表決定大会を中心に将棋大会の運営を15年。手合いをつけるスピードには自信あり。複数代表を選ぶ大会の競技方法を工夫するのが好き。公平で開かれた大会を心掛けています。女性大会を中心に大会出場50回以上。ペンネーム宮田聖子で将棋の記事を書いていますが、将棋は弱いです。