2025.05.01
【試し読み版】編集部島田が綴る今月の藤井聡太 2025年5月編
将棋情報局ゴールドメンバー限定記事「編集部島田が綴る 今月の藤井聡太」第33弾でございます。ゾロ目です。東京タワーができたのは昭和33年。高さは333メートルです(だから何?)。
これからすぐに暑くなると思うので、過ごしやすい今のうちに屋外でビールを飲んでおきたい今日このごろでございます。
さて、5月は23日に棋王の就位式にお邪魔してきました。
棋王戦が節目の50期ということで、歴代の棋王が出席されて、ものすごく豪華な就位式でしたね。私は写真撮影を新人の清水君に任せて、会場の後ろのほうで突っ立っていたんですが、藤井棋王が入場の際に私の目の前を通って行ったのでびっくり。しかもその様子がバッチリYouTubeで配信されていて恥ずかしいことこの上なし!(笑)
まぁでも藤井先生の元気なお姿を近くで見れたのでよしとしましょう。
就位式でコナミ様から副賞で送られた「コナミゲームソフトセット」で一緒に遊ぶ妄想をしておきました。もちろん、妄想のなかでやっているのはファミコンです(昭和)。
新人の清水君を将棋の現場に慣れさせるという名目のもとで、今後もいろんなイベントに顔を出していく予定ですので、どこかで見かけたら声かけてください。
・・・さて、前置きはこれくらいにして5月の藤井先生の対局を振り返っていきましょう!
5月の対局まとめ
9、10日 第83期名人戦七番勝負第3局 永瀬拓矢九段戦 勝ち
17、18日 第83期名人戦七番勝負第4局 永瀬拓矢九段戦 負け
29、30日 第83期名人戦七番勝負第5局 永瀬拓矢九段戦 勝ち
5月は永瀬拓矢九段との濃密な名人戦が3局あり、第5局で4勝1敗としてタイトル防衛を決めました。4月の将棋の内容が良かったので、今期1敗もしないんじゃないかと思ってましたが、さすがにそんなことはなかったです(;^_^A9、10日 第83期名人戦七番勝負第3局 永瀬拓矢九段戦 勝ち
17、18日 第83期名人戦七番勝負第4局 永瀬拓矢九段戦 負け
29、30日 第83期名人戦七番勝負第5局 永瀬拓矢九段戦 勝ち
では1局ずつ振り返ってまいりましょう!
矢倉で完勝! 名人防衛に王手
9、10日 永瀬拓矢九段戦
第83期名人戦七番勝負(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)第3局
第1章 矢倉
藤井先生の2連勝で迎えた名人戦第3局は大阪府泉佐野市の「ホテル日航関西空港」で行われました。羽田空港に続いての空港対局です。
空港でタイトル戦を行う、という流れが来てるんでしょうか。この勢いで全国の空港でタイトル戦が行われることを期待します。そしてどこの空港にも電車で向かう藤井先生が見たいです(笑)。
さて、本局は後手番となった藤井先生が2手目に△3四歩を突きました。王将戦の最終局に初披露してから早くも2度目の採用です。その時と同じように雁木になるのかなーと思いきや、藤井先生が金を上がる趣向を見せて持久戦に。まったりとした駒組みが進んで結局矢倉になりました。
永瀬先生としては対雁木の用意はあったと思うのですが、藤井先生の変化球によって、早い段階で研究を外れてしまいました。形勢は互角ですが、研究を外して力戦に持ち込んだので、藤井先生のほうにプラスが大きいのかなと思いました。
矢倉といえば、藤井先生のデビュー戦の加藤一二三九段との将棋が思い出されます。矢倉は盤面全体を使った複雑な戦いになるため、未知の局面における指し手の正確性という藤井先生の強みが生きる戦型だと思っています。
第2章 絶妙のタラちゃん
後手の藤井先生が飛、角、銀、桂、香と攻め駒を躍動させて理想的な布陣に。とはいえ、駒の損得はなく、模様の良さをいかに具体的な良さにできるかというところです。そこで、永瀬先生が4筋に歩を合わせて盛り返していこうという姿勢を見せた瞬間に、3筋に歩を垂らしたのが絶妙手でした。「垂らしの歩」というのは次に成れるところに歩を打つことで、成ればと金ができて得ですし、受けても歩1枚で相手の陣形を乱すことができるのでコスパのいい手筋です。
本譜は永瀬先生が攻めの姿勢を見せた瞬間のタラちゃん(垂らしの歩)だったので、永瀬先生としても歩成りを受けるために駒をバックさせるわけにもいかず、と金を作らせて戦うことになりました。しかし、現実的にと金ができたプラスは大きく、ここで藤井先生が優位に立ちました。
とはいえ、そう簡単に将棋は終わりません。と金を作らせている間に永瀬先生も攻め駒を進めて、次に銀を取りますよ、という状況に持っていきます。銀を取られるのは大きいので普通は何か受けるところですが、受けないでじっと6筋の歩を伸ばしたのが驚愕の一手でした。いや、まじか!
何取りにもなっていないのでぼんやりした手に見えるのですが、次に歩を進めるのが後手陣の弱点をついてめちゃくちゃ厳しいことを見越しています。
実戦もこの6筋からの攻めが炸裂してあっという間に寄せ形に。3筋に製造したと金も中央に活用して逆転の望みはありません。藤井先生の攻めが決まったところで、永瀬先生の投了となりました。
第3章 3連勝
これで名人戦は藤井先生の3連勝となりました。本局は藤井先生の完勝といっていい内容だったと思います。序盤で永瀬九段の研究を外し、力戦に持ち込む。絶妙のタラちゃんで優勢に。じっと突いた6筋の歩が決め手になりました。強い、強すぎる。
この時点でストレート防衛もあるかと思っていましたが、次局で永瀬先生の執念を見ることになりました。
永瀬九段の底力、1勝を返す
ゴールドメンバー入会はこちら
将棋情報局では、お得なキャンペーンや新着コンテンツの情報をお届けしています。
