【熱局プレイバック番外編】『将棋世界7月号』に掲載しきれなかった棋士コメントを一挙掲載!|将棋情報局

将棋情報局

【熱局プレイバック番外編】『将棋世界7月号』に掲載しきれなかった棋士コメントを一挙掲載!

棋士・女流棋士が選ぶ2024年度のベストバウトはどれだ?今年も将棋世界の人気特別企画「熱局プレイバック」を実施しました。
「将棋世界2025年7月号」では、特にプロの支持を集めた熱局の棋譜や寄せられたコメントを掲載しています。
本記事では、本誌に掲載しきれなかった棋士・女流棋士コメントをすべて公開します!
※コメントの段位は本誌掲載当時のもの

限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから
目次
第10位:▲佐々木勇気八段ー△藤井聡太竜王(第37期竜王戦七番勝負第2局)
第9位:▲藤井聡太竜王・名人ー△丸山忠久九段(第32期銀河戦決勝)
第8位:▲藤井聡太叡王ー△伊藤匠七段(第9期叡王戦五番勝負第3局)
第7位:▲渡辺明九段ー△永瀬拓矢九段(第83期順位戦A級7回戦)
第6位:▲藤井聡太名人ー△豊島将之九段(第82期名人戦七番勝負第1局)
第5位:▲永瀬拓矢九段ー△佐藤天彦九段(第83期順位戦A級プレーオフ)
第4位:▲柵木幹太四段ー△西山朋佳女流三冠(棋士編入試験第5局)
第3位:▲藤井聡太竜王・名人ー△増田康宏八段(第74回NHK杯将棋トーナメント準決勝)
第2位:▲永瀬拓矢九段ー△藤井聡太王座(第72期王座戦五番勝負第3局)
第1位:▲???ー△???(???)
番外編:まだまだあるぞ、熱い支持を集めたベストバウトの数々
本誌のコメントも要チェック!

第10位:▲佐々木勇気八段ー△藤井聡太竜王(第37期竜王戦七番勝負第2局)


佐々木八段が持ち時間を残して快勝した一局だった(提供:日本将棋連盟)

【棋士・女流棋士コメント】

※棋士・女流棋士コメントは本誌にすべて記載しています。

第9位:▲藤井聡太竜王・名人ー△丸山忠久九段(第32期銀河戦決勝)


漢・丸山九段、新たな伝説を創る。羽生世代とはいったい何なのか?(撮影・常盤秀樹)

【棋士・女流棋士コメント】

「早指しの好局とともにベテラン健在を評価」(小林健二九段)

 

第8位:▲藤井聡太叡王ー△伊藤匠七段(第9期叡王戦五番勝負第3局)


伊藤七段(当時)の逆転術が光った名勝負(撮影・中野伴水)

【棋士・女流棋士コメント】

「最後までどちらが勝ちかわからない大熱戦」(横山泰明七段)
「終盤の大激闘。△6六桂から△6八角の勝負手が印象に残る」(池永天志六段)
「84手目66桂~68角の勝負手が印象的でした」(中澤沙耶女流二段))

第7位:▲渡辺明九段ー△永瀬拓矢九段(第83期順位戦A級7回戦)


休場明け、永瀬九段相手にこの内容。渡辺明ここにありを示した対局

【棋士・女流棋士コメント】

「それでこそ」(千田翔太八段)

第6位:▲藤井聡太名人ー△豊島将之九段(第82期名人戦七番勝負第1局)


強者VS強者の熱戦譜。終盤のドラマも印象に残る(撮影・金子光徳)

【棋士・女流棋士コメント】

「名人戦開幕局にふさわしい名局でした。最後の長手数の詰みはさすがとしかいいようがありません」(瀬川晶司六段)

第5位:▲永瀬拓矢九段ー△佐藤天彦九段(第83期順位戦A級プレーオフ)


天彦流振り飛車が強さを発揮したが、あと一歩及ばず。しかし、振り飛車党にも夢を与える一局となった(提供:日本将棋連盟)
※棋士・女流棋士コメントは本誌にすべて記載しています。

第4位:▲柵木幹太四段ー△西山朋佳女流三冠(棋士編入試験第5局)


挑戦者の西山女流三冠、試験官の柵木四段の双方に惜しみない拍手を送りたい(撮影・田名後健吾)

【棋士・女流棋士コメント】

「西山さんが怪力の持ち味出したが及ばなかった」(有森浩三八段)
「西山女流三冠のみならず、女流棋界はおろか将棋界の趨勢さえも左右し得る5番勝負・その最終局に相応しい熱戦だった。番勝負にせよ本局にせよ後一歩及ばなかったが、その鬼気迫る迫力が今日の白玲戦に纏わる各種契約さえも動かした様に思う」(窪田義行七段)
「注目を集めた対局」(横山泰明七段)
「対抗形らしいねじり合い。終盤は柵木四段に運があったか」(宮田敦史七段)
「女性棋士誕生かどうかの大きな分かれ目だなと思いました。試験の制度などもう一度考えた方がいいと思っています。そして試験官の5人が素晴らしかった」(大平武洋六段)
「試験官の柵木四段の気迫がすごく、米長哲学を体現していました。大熱戦の最終盤、角取りを手抜いての柵木四段の踏み込みが素晴らしかったです」(瀬川晶司六段)
「凄い凌ぎ」(黒沢怜生六段)
「両者の気持ちがぶつかった名局でこちらの心も揺さぶられました」(斎藤明日斗六段)
「柵木さんの負けるわけにはいかないという強い気持ちを感じる将棋。 終盤剛腕をかわして勝ちきったところは棋士としての意地を感じ、棋譜をみているだけで震えた」(藤本渚六段)
「柵木四段の執念を感じた」(古森悠太五段)
「柵木四段が強かった」(石川優太五段)
「世間が注目する大一番で、お互いの持ち味が出た大熱戦だった。また、お互いの対局姿勢に誰もが感動したと思う」(小山怜央四段)
「お互いの魂がぶつかり合った試合。△8七歩を無視した柵木四段の判断が素晴らしくすごい将棋だった」(吉池隆真四段)
「柵木先生の指し回しがとても勉強になった」(炭﨑俊毅四段)
「指し手から両者の気迫が伝わってくるような対局だったと思います」(内山あや女流初段)
「両対局者の方のこの一局に対する闘志が溢れていて、感動した」(崎原知宙女流1級)
「柵木四段と西山女流三冠の気迫のこもった対局に感動しました」(岩崎夏子女流2級)

第3位:▲藤井聡太竜王・名人ー△増田康宏八段(第74回NHK杯将棋トーナメント準決勝)


30秒将棋での技の応酬。名局は、等しく才長けたものが対峙した時に生まれる(写真は本誌2025年3月号インタビューより)

【棋士・女流棋士コメント】

「見応えがある終盤戦だった。絶対絶命の局面、しかも秒読みの中、藤井七冠が奇跡的に凌いで勝利した」(三浦弘行九段)
「作ったような手が連発した魅せる将棋だったように思います。逆転してからの最後の詰み筋も30秒将棋の中藤井竜王・名人が完璧に指されたのが印象的でした」(中村太地八段)
「終盤の逆転だが手順の美しさ」(有森浩三八段)
「双玉詰将棋のようなスリリングな終盤。▲4二飛や▲2四桂~▲1三香から▲5三飛で凌ぐ順が圧巻」(北浜健介八段)
「藤井七冠の終盤の詰みがあまりに素晴らしかった」(遠山雄亮六段)
「増田八段が勝ちになったと思ったところから藤井七冠の逆転術がすごすぎる。早指し棋戦でこれだけの内容の将棋が指せるのかと感動しました」(古賀悠聖六段)
「入玉模様での詰むや詰まざるやのスリリングな攻防。秘術を尽くした大熱戦。時間がない実戦の中で、詰将棋あるいは双玉詰将棋を創作しているかのようだった」(上村亘五段)
「藤井玉の生命力に感動した。藤井七冠の凄まじい終盤力を感じた」(上野裕寿五段)
「死闘の跡が見える終局図。最終盤、早指しでの技の掛け合いはハラハラしました」(高野智史六段)
「最後の逆転が印象的な一局でした」(大島綾華女流二段)
「なんといっても終盤戦の攻防だと思います。なかなか捕まらない藤井玉、迫り来る秒読み…。最終盤の逆転劇も含めて、本当に見ていて心がドキドキしました」(藤井奈々女流初段)
「最後の詰みや終盤が参考になる一局だったから」(竹内優月女流2級)

第2位:▲永瀬拓矢九段ー△藤井聡太王座(第72期王座戦五番勝負第3局)


この2択を正解できる者がどれだけいるだろう。将棋の神とはかくも残酷で無慈悲なものである

【棋士・女流棋士コメント】

「先に秒読みに追い込まれていて局面が劣勢にも関わらず△9六香の局面に誘導してワンチャンスを作り出す終盤力に脱帽です」(広瀬章人九段)
「まさか、この将棋が逆転するとは。終盤の怖さを痛感させられた一局でした」(北島忠雄七段)
「毎度の事ながら、終盤戦が凄かった」(松本佳介七段)
「終盤の香車の王手からの逆転が印象に残りました」(石井健太郎七段)
「死力を尽くした戦いだったと思います」(長谷部浩平五段)
「時間が切迫してからの藤井王座のプレッシャーの掛け方が印象に残りました。△9六香に自然に見える▲9七歩で逆転してしまうとは恐ろしいなと感じました」(冨田誠也五段)
「角換わり対右玉の定跡となった将棋。序盤から終盤まで勉強になりすぎる」(岡部怜央五段)
「中盤の見応えあるねじり合い、最終盤の△9六香からの大逆転は藤井七冠と将棋の恐ろしさを感じた一局」(徳田拳士四段)
「形勢が悪くなってからの藤井王座の追い込みが流石だった。香車の王手に対し、100人中100人がそうする手が敗着になるのだから将棋は恐ろしい」(森本才跳四段)
「△9一飛、△9一香も候補にある中で、敢えて近づける△9六香の勝負術に震えました」(宮嶋健太四段)
「このカードの番勝負はとても面白い。永瀬九段が勝ちになったと思ってからの突然の△9六香。終盤がとても惹きつけられた」(吉池隆真四段)
「千日手かと思われましたが藤井王座が打開し、永瀬九段が端攻めから藤井玉の金駒を剥がしての終盤戦。もう逆転はないと思うほど追い込まれた藤井王座が指した146手目の△9六香に一番自然に見えた▲9七歩が敗着とは。〈最後のお願い〉って大事なんだなと、感じた1局でした」(山田久美女流四段)

第1位:▲藤井聡太叡王ー△伊藤匠七段(第9期叡王戦五番勝負第5局)


投票した半数以上の棋士が支持した、2024年度のベスト対局。本局は将棋史の1ページ、いや1冊分を刻んだだろう

【棋士・女流棋士コメント】

「八冠落城と衝撃と世代の躍進感じた」(小林健二九段)
「藤井八冠が初めてタイトルを失った。負け続けても努力を継続した伊藤新叡王に敬服した」(三浦弘行九段)
「舞台の大きさはもちろんですが、中終盤のねじり合いが凄かったです。一歩抜け出した後の伊藤七段(当時)の勝ち方も流石のものがありました」(中村太地八段)
「八冠の一角が崩れました」(長沼洋八段)
「八冠崩れる」(畠山成幸八段)
「八冠からタイトル奪取の偉業にふさわしい名局。ギリギリのところでバランスを保つ攻防が凄まじい」(北浜健介八段)
「定跡の進化に貢献するような序盤に始まり、最後の最後まで際どい勝負が続いた。八冠王を相手に終盤で競り勝ったのは見事で、新たなスターの誕生にふさわしい一局だった」(片上大輔七段)
「番勝負で藤井さんに勝つ快挙に驚きました」(村田智弘七段)
「八冠の牙城を崩した大熱戦」(佐々木慎七段)
「八冠王を倒した」(松本佳介七段)
「タイトル戦最終局でギリギリの終盤戦。八冠の攻めに耐え、勝ち切った伊藤さんは強かった」(千葉幸生七段)
「終盤が非常に難解で、流石の藤井八冠(当時)も間違えたか。八冠の壁を崩した歴史的名局」(宮田敦史七段)
「両者持ち味を生かしたコクのあるねじり合い。最後の△9六香の鬼手と大逆転の決着。ミステリードラマを観ているかのようでした」(勝又清和七段)
「際どい中でもバランスの取れた決着局に相応しいハイレベルな一局」(渡辺和史七段)
「歴史に残る一戦。伊藤七段の緩急をつけた指し回しが印象的でした」(八代弥七段)
「右玉らしく玉が遊泳して、伊藤叡王の受けの強さや終盤の攻防が印象に残る一局でした」(石井健太郎七段)
「白熱の終盤戦だった」(服部慎一郎七段)
「藤井八冠に終盤競り勝つ素晴らしさ。挑戦者が粘り強く戦っているのが印象的でした」(大平武洋六段)
「伊藤叡王の最終盤の踏み込みが印象的」(遠山雄亮六段)
「伊藤叡王が穴熊の猛攻をかわして上手く体を入れ替え叡王を勝ち取った一局」(阪口悟六段)
「難解な終盤戦。伊藤さんの初タイトル、藤井八冠の牙城を崩した歴史的な一局に思います」(高野智史六段)
「弟弟子の活躍に複雑な想いはあったが、フルセットでの大激戦で目が離せずその日はとてもソワソワしていたのを覚えている。とても感動的な内容でした」(斎藤明日斗六段)
「全冠制覇が崩れたという結果も、藤井先生を相手に後手番でギリギリを見切って耐え続け、終盤で出し抜いたという内容もどれも衝撃的だった名局」(藤本渚六段)
「両者の玉の耐久力が凄まじかった。名局に相応しいと思います」(長谷部浩平五段)
「▲6六銀直に衝撃を受けました。藤井叡王の防衛かと思ったところからの伊藤挑戦者の凌ぎが見事でした。最後は見ていて興奮しました」(冨田誠也五段)
「最終盤までの一進一退の攻防、藤井七冠の猛攻を紙一重で受け続けて一瞬のチャンスを正確な寄せでものにした伊藤叡王の執念が実った一局」(徳田拳士四段)
「舞台背景もさることながら、両者の棋力が盤上に現れた名局」(森本才跳四段)
「藤井叡王(当時)の激しい攻めと、伊藤七段(当時)の凌ぎというギリギリの攻防が終盤まで続き、とても興奮しました。また2024年度で唯一タイトルの移動があったという観点からも相応しいのではないかと思いました」(柵木幹太四段)
「最終局に相応しい大熱戦」(山川泰熙四段)
「細そうな攻めを上手く繋ぎ優勢にした藤井八冠(当時)に、上手く粘り△7六歩から△8六歩、△8七歩と嫌らしく攻め、逆転に繋げた。手に汗握る熱戦だと思う。藤井八冠からタイトルを奪取し歴史が動いた」(齊藤優希四段)
「勉強のため対局場現地へ向かう車中、信号待ちで見た(現)局面がちょうど歩の頭に銀を差し出した77手目▲6六銀直でした。何?どういうこと?と2度見ならぬ3度も4度も見返しました。ずっと藤井叡王が良さそうでしたが、伊藤七段もヒタヒタと『マムシのと金』でプレッシャーを与え、双方粘り強く決め手を与えない終盤戦で最後までどちらが勝つのかわからない熱戦でした」(山田久美女流四段)
「注目度、同学年のライバルである両対局者の関係性も含めて、将棋史に残る一局だったと思う」(中村真梨花女流三段)
「最後まで目の離せない一局でした」(和田あき女流二段)
「挑戦者の伊藤先生が叡王を奪取された決定局。77手目▲6六銀直は当時観戦していて驚きで声が出そうになりました。中段玉で耐える伊藤先生の粘り強さが印象に残った一局です」(藤井奈々女流初段)
「中盤の藤井聡太先生の鋭い攻めと伊藤匠先生の際どい受けに感動しました。リアルタイムで見ていましたが、緊張する場面の中、優勢になってから正確な指し手を続ける伊藤匠先生の凄さを肌で感じました」(山口仁子梨女流1級)
「伊藤叡王誕生の一局。終盤は藤井先生が優勢でしたが、伊藤先生の粘りも素晴らしく、最後はお互い秒読みになる熱戦でした。98手目△5三銀~△5二銀の玉の退路の開き方はなるほどと思いました」(砂原奏女流2級)
「伊藤叡王が134手目の△7八金と打った場面が印象に残っています。読みの深さと踏み込みの良さに感動しました」(伊藤真央女流2級)
「最後までどちらが勝つかわからないような大熱戦で勉強になった」(竹内優月女流2級)

番外編:まだまだあるぞ、熱い支持を集めた名局の数々

第37期竜王戦七番勝負第1局(藤井聡太vs佐々木勇気)

「定跡をはずれてからの一手一手がとても濃厚」(池永天志六段)
 

第37期竜王戦七番勝負第3局(藤井聡太vs佐々木勇気)

「意表の戦型選択と藤井竜王の圧巻の寄せが印象的」(佐々木慎七段)
「タイトル戦で久しぶりの振り飛車だったから」(横山友紀四段))
「振り飛車の登場で、自分はとても心がワクワクした1局でした。バランス型に組み換える31手目▲6八玉が一番印象に残っています」(藤井奈々女流初段)
「タイトル戦ではあまり見ない角交換振り飛車の将棋で序盤から目が離せませんでした。藤井先生の▲4一角から▲5四角という寄せの構想が見ていて勉強になりました」(伊藤真央女流2級)
 

第37期竜王戦七番勝負第4局(佐々木勇気vs藤井聡太)

「作戦が素晴らしく快勝した一局。佐々木八段の作戦選択が大変興味深かった」(木村一基九段)
「角換わり早繰り銀に新しい風を吹き込んだ一局。研究の深さも印象的でした」(村山慈明八段)
「佐々木勇気の真骨頂を見た」(門倉啓太六段)
「▲4五銀~▲5六銀の新構想から快勝したため」(古森悠太五段)
「藤井さんを圧倒した対局を久しぶりに見ました」(小山直希四段)
「佐々木勇気先生の序盤の構想と鋭い攻めがとても印象に残っています。こんなにも実戦例がある早繰り銀でもまだまだ面白い手があるんだなと感動しました」(山口仁子梨女流1級)
「佐々木八段の角換わり早繰り銀の新構想に驚かされた。その後の指し回しも完璧な、会心譜」(八木日和女流2級)
 

第37期竜王戦七番勝負第6局(藤井聡太vs佐々木勇気)

「凄まじい研究勝負。現代将棋を象徴するかのような1局と感じました」(八代弥七段)
 

第37期竜王戦決勝トーナメント1回戦(池永天志vs郷田真隆)

「後世に語り継がれる池永さんの矢倉名局、指し回しが職人芸だと感じた」(服部慎一郎七段)
 

第37期竜王戦ランキング戦1組準決勝(佐藤康光vs伊藤匠)

「矢倉の最先端の研究と、昔ながらの戦術がぶつかり合った一局。積み重なった将棋の歴史を感じた」(大橋貴洸七段)

第37期竜王戦ランキング戦2組1回戦(高見泰地vs佐々木慎)

「相穴熊の秘術を尽くした攻防が面白かったです。この両者の対局はいつも大熱戦のイメージがあります」(古賀悠聖六段)
 

第37期竜王戦ランキング戦2組1回戦(深浦康市vs本田奎)

「タイトル戦ではありませんが、この将棋も強く印象に残っています。現代調の矢倉の出だしから、先手の本田六段が深浦九段の居玉を咎めに行くかのように積極的に動いていき、じわじわとリードを広げていきました。そして終盤も手に乗るように後手玉にアタックしていきましたが、いつの間にか雁木に収まってしまい、玉の堅さが逆転してしまいました。そのあとも形勢は揺れ動きましたが、107手目、絶対絶命に思われた後手玉でしたがなんと△1六銀!という目がくらむような受けの妙手があり、深浦九段がしのぎ切って勝利を掴みました。△1六銀を見たときは、わけがわかりませんでしたが、これでギリギリしのいでいるという深浦九段の正確な読みと強い信念を感じました。私自身もこのような、人々に感動を与える将棋を指せるようになりたいと思ったので、選ばさせていただきました」(木村朱里女流初段)
 

第37期竜王戦ランキング戦5組昇級決定戦(井田明宏vs千葉幸生)

「後手雁木の名局。寄せが素晴らしかった」(横山友紀四段)
 

第37期竜王戦ランキング戦6組決勝(藤本渚vs山下数毅)

「大注目の将棋で素晴らしい対局でした。形勢がよくなってから勝ちに持っていくまで、藤本五段(当時)の切れ味が印象深いです」(加藤結李愛女流二段)
 

第82期名人戦七番勝負第2局(藤井聡太vs豊島将之)

「千日手も絡む難解な終盤戦。名人戦屈指の熱局に感じました」(高野智史六段)
 

伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負第1局(藤井聡太vs渡辺明)

「駒テラスで解説を担当していたこともあって最終盤の詰むや詰まざるやは見ごたえがありました」(岡部怜央五段)
「両先生の強さがとても伝わってくる将棋でした。最終盤は藤井王位の素晴らしい勝負術が心に残っています」(加藤結李愛女流二段)
「千日手局も含めて渡辺先生の序盤の構想力に感銘を受けました。最終盤の劇的な逆転も圧巻でした」(今井絢女流初段)
 

伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負第2局(藤井聡太vs渡辺明)

「渡辺先生の緻密な序盤戦略に感動しました」(宮嶋健太四段)
 

伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負第3局(藤井聡太vs渡辺明)

「終盤戦で合い駒に打った▲4八桂が土台となり▲4五銀右から寄せに成功。苦戦の終盤戦でも勝ち方は鮮やかで素晴らしかった」(深浦康市九段)
「難解な終盤戦で見応えがありました」(豊島将之九段)
「中盤以降の技術の高さが圧巻。何度か形勢が入れ替わってはいるが、難解かつギリギリの終盤戦での読みの密度が凄い」(野月浩貴八段)
「凄い終盤戦でした」(松本佳介七段)
「面白い仕掛けからギリギリの寄せ合い。超難解な終盤戦で、長時間対局ならではのハイレベルな将棋だった」(上村亘五段)
「逆王手で逃れる変化があったり、受けが難しいと思っていたら歩頭に銀が出たりと、すごい終盤戦でした」(石川優太五段)
「水面下の逆王手の合駒など複雑な終盤戦が面白かった」(岡部怜央五段)
 

伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦挑戦者決定リーグ紅組(丸山忠久vs佐々木勇気)

「深い研究からの終盤の鋭い寄せがとても勉強になりました」(横山友紀四段)
 

伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦予選(都成竜馬vs藤本渚)

「研究合戦の将棋が多い現代で序盤から力戦で終盤までとても見応えある将棋でした」(阪口悟六段)
 

伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦予選(佐藤天彦vs小山直希)

「三間飛車の捌き方が軽快だった」(横山友紀四段)
 

ヒューリック杯第95期棋聖戦五番勝負挑戦者決定戦(山崎隆之vs佐藤天彦)

「AI全盛の現代にあって、最新形から距離を置く2人による挑戦者決定戦が実現したのは意義深い。長手数のねじり合いが長く続き、見どころの多い熱戦だった」(片上大輔七段)
「序盤から両者の個性がぶつかり合い、中終盤まで延々とねじり合いが続く。非常に見応えのある一局」(杉本和陽六段)
 

ヒューリック杯第95期棋聖戦二次予選(服部慎一郎vs出口若武)

「速攻からの華々しい応酬で、最後まで目が離せませんでした」(今井絢女流初段)
 

ヒューリック杯第95期棋聖戦一次予選(阿部隆vs折田翔吾)

「持将棋の大熱戦!指し直し局も含めて、阿部先生の底力がすごかったです」(黒田尭之五段)
 

第50期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第3局(藤井聡太vs増田康宏)

「怯まずに増田さんが切り込んだところを、強烈カウンター一撃で沈めた切れ味が抜群すぎる」(島本亮六段)
「持ち時間が少ない中、中盤の均衡のとれた応酬が印象に残った」(上野裕寿五段)
「千日手局が特に印象的だった。後手角換わりが厳しいと言われる時代に、作戦の可能性を感じた」(小山怜央四段)
 

ALSOK杯第74期王将戦七番勝負第3局(藤井聡太vs永瀬拓矢)

「幻の▲6二銀不成の勝ち筋」(有森浩三八段)
「幻の▲6二銀不成があまりにも衝撃的だった。それ以外に正解がなかったのも驚き」(小山怜央四段)
 

ALSOK杯第74期王将戦七番勝負第5局(藤井聡太vs永瀬拓矢)

「後手番雁木の完勝譜。教科書にできそうな非の打ち所がない一局」(島本亮六段)
 

ALSOK杯第74期王将戦挑戦者決定リーグ戦1回戦(永瀬拓矢vs菅井竜也)

「角交換の相穴熊の将棋で振り飛車の攻めが繋がるかどうかギリギリの均衡が取れた終盤戦に見応えがあった」(佐々木勇気八段)
 

ALSOK杯第74期王将戦挑戦者決定リーグ戦4回戦(西田拓也vs永瀬拓矢)

「四間飛車対穴熊の有力な手順を示してくれた一局だと思います」(阪口悟六段)
 

第83期順位戦A級5回戦(永瀬拓矢vs豊島将之)

「中盤の細かい動きと最終盤の気が付きにくい詰み筋が印象に残る」(佐々木勇気八段)
 

第83期順位戦A級3回戦(佐藤天彦vs豊島将之)

「振り飛車の可能性と楽しさに心躍らされた一局」(山川泰熙四段)
「升田幸三賞を受賞した戦法」(竹内優月女流2級)
 

第83期順位戦B級1組13回戦(大橋貴洸vs羽生善治)

「大橋七段の綿密な指し回しが光った」(千田翔太八段)
 

第83期順位戦B級1組13回戦(大石直嗣vs高見泰地)

「B級1組残留を懸けた大一番で、大石七段が丁寧な指し回しを見せた」(千田翔太八段)
 

第83期順位戦B級2組9回戦(深浦康市vs伊藤匠)

「中盤からリードを広げて伊藤叡王の粘りを振り切った深浦九段の好局」(黒沢怜生六段)
 

第83期順位戦C級1組4回戦(窪田義行vs三枚堂達也)

「私の先手四間飛車VSトーチカ囲い志向の序盤から私の趣向的対策で乱戦となった。桂馬の貴公子の桂捌きを封じつつ、しぶとい指し回しで強敵との対戦での初白星を挙げたが……(窪田義行七段)
 

第83期順位戦C級2組2回戦(本田奎vs牧野光則)

「順位戦らしい長手数のねじりあいが見られた。特に持将棋局が、両者の持ち味がでて見応え十分だった」(大橋貴洸七段)
 

第83期順位戦C級2組10回戦(瀬川晶司vs池永天志)

「両者大一番でした」(長沼洋八段)
 

第83期順位戦C級2組10回戦(森下卓vs石川優太)

「大記録となる1000勝目を、自玉を打ち歩詰めに誘導しながら相手玉に詰めろをかける名手で決められて、ドラマをみているみたいでした」(村田顕弘六段)
 

第83期順位戦C級2組10回戦(上野裕寿vs高橋佑二郎)

「上野さんの終盤の粘りが凄まじかった」(高橋佑二郎四段)
 

第83期順位戦C級2組10回戦(佐々木大地vs山本博志)

「終盤のねじり合いでお互いの負けたくない気持ちが伝わってきて、とても感動しました」(崎原知宙女流1級)
 

第74回NHK杯将棋トーナメント3回戦(郷田真隆vs八代弥)

「早指し対局と思えない内容の濃さだった」(大橋貴洸七段)
 

第74回NHK杯将棋トーナメント1回戦(西山朋佳vs木村一基)

「西山女流三冠の終盤が強かった」(安用寺孝功七段)
 

第18回朝日杯将棋オープン戦決勝(近藤誠也vs井田明宏)

「A級棋士が貫禄を示すも、弟子の井田の活躍に師匠として胸が熱くなった」(小林健二九段)
 

第18回朝日杯将棋オープン戦一次予選(杉本和陽vs増田康宏)

「杉本五段が、端からそのまま押し切って圧勝だったのが印象に残った」(佐々木海法女流初段)
 

第14期加古川青流戦決勝三番勝負第1局(岡部怜央vs上野裕寿)

「上野さんの終盤の捲りが素晴らしかった」(高橋佑二郎四段)
「自分も大盤解説会にいって観戦していたため。兄弟子の上野先生が、苦しい将棋を上手くまとめて勝利されたのが印象にのこっています」(炭﨑俊毅四段)
 

第2回達人戦立川立飛杯(丸山忠久vs増田裕司)

「和服姿で将棋を指す師匠の姿がとてもかっこよかったです。将棋の内容につきましても、優勝された丸山九段をあと一歩のところまで追い詰めた熱戦だと思います」(柵木幹太四段)
 

ヒューリック杯第4期白玲戦七番勝負第1局(西山朋佳vs福間香奈)

「時間がない中での77香が印象に残っています」(和田あき女流二段)
 

第51期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負(福間香奈vs西山朋佳)

「福間女流の工夫の序盤から、丁寧な指し回しで穴熊がほぼ残ったまま終局になったところ」(佐々木海法女流初段)
 

第18期マイナビ女子オープン予選(梅津琴美vs山根ことみ)

「戸辺流の魅せる▲7六飛がかっこよかったです」(岩崎夏子女流2級)
 

棋士編入試験第1局(西山朋佳vs高橋佑二郎)

「屈強な受けで盤面を支配。大山名人のような強い勝ち方でした」(北島忠雄七段)
「終盤の△9七角!の鬼手。その後の攻防もギリギリだし、古い表現だと「銭の取れる将棋」(宮田敦史七段)
「白熱の盤上、盤外。勝負の厳しさを世の中にアピールされた名局だったと思います」(村田顕弘六段)
「90手目△9七角が西山女流らしい一着で印象に残っています」(中澤沙耶女流二段)
「西山女流三冠の棋士編入試験開幕局ということで、将棋ファン全員大注目の一局だったと思います。近年、後手番の振り飛車は少し不利と言われていますが、西山女流三冠はそんな風評をものともせず華麗な振り飛車のさばきを見せつけてくれました。高橋四段も中終盤にかけて負けじと力を発揮しましたが、90手目の△9七角という目の覚めるような角捨ての強手が、勝利を手繰り寄せたと思います。そのあとも本当に際どい攻防が続きますが、西山女流三冠は一度も崩れることなく、最終手は90手目△9七角とはギャップを感じさせる、△6四歩という冷静沈着な一手で幕を閉じました。どこを切り取っても西山女流三冠の強さが際立つ大熱戦でした」(木村朱里女流初段)
「女流タイトル戦も重なり忙しい中での編入試験1局目でしたが、西山女流らしく豪快に歩を突き捨てて手を作っていく将棋は、いつも見ていて面白いです。終盤、高橋四段の嫌味な端攻めにも強く対応し、90手目タダ捨ての△9七角は驚きました。その後も1手間違えると負けという局面でも正確な指し手でしのぎましたが、ハラハラドキドキの一戦でした」(山田久美女流四段)
「西山女流三冠の強さが光った一局だったと思う。プレッシャーを跳ねのけるような強い内容でした」(中村真梨花女流三段)
 

棋士編入試験第2局(山川泰熙vs西山朋佳)

「山川四段の落ち着いた指し回しで流れが変わったため」(獺ヶ口笑保人四段)
 

棋士編入試験第3局(上野裕寿vs西山朋佳)

「熱戦だった。長い均衡が印象的だった」(獺ヶ口笑保人四段)
 

棋士編入試験第4局(西山朋佳vs宮嶋健太)

「対抗系の比較的オーソドックスな形でしたが、西山先生がどんどんリードを広げていった印象がありました。83手目▲2四金からの寄せは綺麗でした」(砂原奏女流2級)

本誌のコメントも要チェック!

ここまでお読みいただきありがとうございました!
その他の棋士・女流棋士コメントは、2025年7月3日発売の『将棋世界2025年7月号』に載っています。
どんなコメントが寄せられているのか、実際に手に取って確かめてみてください!
  限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから
将棋情報局では、お得なキャンペーンや新着コンテンツの情報をお届けしています。