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古典詰将棋を楽しむ 北浜健介

北浜健介八段が『将棋無双』を語る

将棋無双といえば米長先生の「無双と図巧を解けば最低でも四段にはなれる」という名言があまりにも知られているが、今回谷川九段の解説で図式全集が出版されることは詰将棋ファンとしては喜ばしい限り。発売日が待ち遠しい。



無双は図巧と比較しても難解。私も奨励会時代に挑戦したが、ほとんど解けなかった。手順は力強く華麗で手数も短編から100番の「大迷路」は163手詰の長編までバラエティに富む。今回はその中から第10番を紹介したい。


1三銀 同 玉 1四歩 2二玉 1三歩成 同 玉
1九飛 1八歩 1四銀 2二玉 2九飛 3一玉
2一飛打 同 金 同飛成 同 玉 3二金 1一玉
2三桂まで19手詰

初手3二飛は2一玉で詰まないので、1三銀から入るが1五歩が邪魔駒。いかにも必要そうにみえるので気づきにくい。6手目同香は3二飛以下早詰。
1五歩を消去してどうするか。平凡に1四飛は2二玉で続かない。1九飛(途中図)が絶妙手。



同竜は2四銀以下詰む。2二玉に竜を取る狙いで唯一の正解という仕掛けだが鮮烈というほかない。収束は取った飛車も消えて綺麗にまとまっている。

大模様の作品も少なくない中、本作はコンパクトな配置で洗練された仕上がり。それだけに1九飛の主題が明確に伝わってくる。

300年近く前、検討ソフトはもちろん、詰将棋の手筋や知識がない時代。文字通りゼロから数々の傑作、名作がどのように生み出されていったのか興味は尽きない。詳細な解説と華麗な手順をぜひ鑑賞していただきたい。
 
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