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週刊将棋

下村記者の棋楽にいこう 第54手 心が打てと言っている!

2015.06.16 | 

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 皆さんこんにちは。週刊将棋の下村です。名人戦が終わって6月に入り、いよいよ順位戦が開幕しました。3月後半か5月末までのオフシーズンは、週将記者も深夜に及ぶ取材はあまりありませんが、順位戦が始まるとそうも言ってられません。持ち時間は6時間と1日制では最長。お互い秒読みになれば終了する時間は0時以降と日付が変わるので、必然的に深夜取材、もちろん終電では帰れません。

そういう意味では週将記者の仕事は、将棋が好きでも体力がないとキツい仕事です。早寝早起きの健康的な人よりも、2~3日寝ないでも大丈夫な人(そんな人はいないか)のほうが向いているかもしれませんね。筆者も開幕したばかりでまだ体が慣れていませんが、徐々に慣らしてガンガン深夜対局を取材したいと思います。

先週は早速ですが、順位戦B級2組の1回戦の取材に行って来ました。取材対象局は糸谷竜王-鈴木八段戦、田村七段-澤田六段戦でした。なんか別の意味でも魅力あるカードだと思いませんか?。

取材経験のある方ならピンと来ると思いますが、澤田六段を除けば早指しの棋士。ということで早い終局時間が予想されます。午後10時頃?いや8頃かも?、ひょっとしたら夕休前もあるぞ!。取材前は「今日は久しぶりの順位戦取材だけど、健康的に終電で帰れそうかも」と内心淡い期待もありました。

大体こういう甘い予想は当たったためしがありません。フタをあけてみると田村七段は持ち時間4時間以上を使い、見事に勝ちを読み切り澤田六段に競り勝ちました。そして糸谷-鈴木戦は深夜に及ぶ大熱戦。もちろん終電では帰れませんでしたが、最高に面白い入玉攻防戦でした。

感想戦では糸谷竜王が猛攻をしのぐ局面で「余れと念じた!」や、難しい局面で持ち時間切迫で、直感的に詰めろ風の手を指したときに、「心が打てと言っている!」などの竜王の金言を聞けて、とてもカッコいい感想戦のフレーズが印象に残りました。筆者も将棋大会の感想戦で今度使ってみたいと思います。