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「矢倉左美濃急戦 基本編」発売までの道のり 第3回 校了

2017.03.30 | 島田修二

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こんにちは。
先日プロ公式戦で初めて嬉野流が出現し、思わず興奮してしまった編集部島田です。


4月19日発売予定の新刊「常識破りの新戦法 矢倉左美濃急戦 基本編」の進捗状況を不定期でお届けする連載ブログ第3弾いきます。




これまでの2回を読んでいない方はこちらをどうぞ。

第1回 原稿届く
第2回 ゲラできる


ゲラができてから斎藤先生と編集部で校正を続け、先日内容が確定、印刷会社に「これで印刷してください」というOK(校了)を出しました。

と、いうわけで現在は書籍が出来上がってくるのをただただ待っている状態です。

本書は4月19日発売ですが、編集部には書籍の見本が4月5日に届きます。ドキドキワクワクです。見本が来ましたら写真アップしますのでお楽しみに。


さて、今回は校了記念というこで、また中身を一部紹介したいと思います。

本書の第1章第2節は「仕掛けと狙い筋」となっており、タイトル通り、基本図からの仕掛けと狙い筋を解説しています。





本書を読んだ方はここで左美濃急戦の恐ろしい攻撃力を知ることになります。そしてこう思うでしょう。「将棋って、こんなに気持ちよく勝てるもんなのか」と。


今日はこの第1章第2節に書かれている定跡手順のなかで、私的に特に「すげぇ・・・」と思ったものを紹介してみようと思います。


上の基本図から△6五歩▲同歩△7五歩▲同歩△6五桂と仕掛けます。





歩を二つ突き捨ててから桂跳ね。これなら私でもできそうです。
しかし、こんな単純な仕掛けでいいんでしょうか?

・・・いいんです!!続きを見てみましょう。

図で普通は▲6六銀、ですよね?私ならそうします。

▲6六銀以下、△6四銀▲5五歩に、△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩と飛車先の歩を交換します。





ここはいったん△8二飛・・・ではありません!!

図から△6六飛!!!と飛車を叩き切るのが「左美濃スタイル」。





あちょーーー!!

久しぶりのあちょーーーーーー!!!!!!


▲同金と取られて純粋な飛車銀交換。
どう考えても損にしか見えませんが、斎藤先生はこう言っています。

================
図で△6六飛が左美濃スタイルの強襲である。
飛を渡しても自玉に響きが少ないので、攻めがつながれば良いという考えである。

================


そうです。何のために左美濃に組んだんですか、そうです!飛車を切るためです!

▲8一飛などと打たれても自玉はびくともしません。

さらに、飛車切りの後の△7七歩!!がこの戦型での頻出手筋。





以下、▲7七同桂△同桂成▲同角で桂交換した後、さらに△5五銀!!





▲同金と取られて銀もくれてやります。

飛車銀交換して、そのあと銀損したので、この時点でなんと飛車損!!それでもいいのが「左美濃スタイル」。

▲5五同金に△7六歩!▲6六角△7七銀!!





あちょーーー!!

拠点に銀ぶち込みあちょーーーーー!!!!!



以下、▲7七同金△同歩成▲同角△6七金で、後手勝勢となりました。






・・・き、気持ちいい。気持ちよすぎる。

こんな手順を見せられては誰でも矢倉左美濃急戦のとりこ。


このページ、斎藤先生はこう結んでいます。


===============
 この変化では、△6六飛~△5五銀の華麗な強襲が決まった。損して得取れとよく言われるが、将棋は損して王を取る戦いだと感じる。
===============

損して王取る左美濃。

左美濃、ああ左美濃、左美濃(辞世の句)。


・・・私なりにまとめるとこうです。

(1)仕掛けは6、7筋を突き捨てて△6五桂
(2)基本、飛車は切る
(3)いいタイミングで△7七歩
(4)攻めが続けば勝ち
(5)それが左美濃スタイル

以上です。


書籍見本ができあがったら第4回(たぶん最終回)をアップします。


完全な別件ですが、4月3日より、このマイナビ将棋情報局がサイトリニューアルします。その名も「将棋情報局」!

一緒やん!と思いきや、「マイナビ」が取れたのが大きな違い。他社の将棋の商材も幅広く扱っていく予定です。オープン記念キャンペーンということで、一部電子書籍を100円で販売します(まじか!)。お楽しみに。

編集部ブログは相変わらず続いていきますので、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。