Webで売れる仕組みを作る|Tech Book Zone Manatee

マナティ

Webで売れる仕組みを作る

Chapter1 Webマーケティングに関わるすべての人たちへ
Webでモノが売れない、サービスの申し込みが増えない。そんな悩みを持つWeb担当者やマーケターの方へ、「売れない理由」から売れる仕組み作りを紐解いていきます。そして、その売れる仕組みを作れる人材になるためのスキルは何なのか、分かりやすく解説していきます。

Webでモノが売れないと嘆くすべての人たちへ

売りたいものが売れない。申し込みが増えない。そんな声をよく聞きます。
確かに、日々世の中には新しい商品が生まれ、嗜好が細分化され、ユーザーに届く情報は爆発的に増えています。ただ、そんな外部環境に嘆いたところで、なにもいいことは起こりません。特にWebでは以下のような悩みをよく聞きます。
 

図1-1-1 Web担当者・マーケターのよくある悩み
 

Webで行っている様々な施策や運用が100%うまく行っていると自信を持って言える方は少ないのではないでしょうか。つまり、みんなWebでもっとモノが売れると思っています。でも次の打ち手がわからない。
Webでは様々な方法でユーザーとコミュニケーションを持つことができます。顧客となる人と初めて接点を持ち、自社の商品を知ってもらう。そのユーザーへ定期的に情報発信をして、関係性を築く。なにか困っている、欲しいと思っているユーザーにピンポイントで情報を届ける。そして購買や登録を促し、24時間365日どこからでもユーザーに行動をしてもらう。その一連の流れを定量的なデータで理解し、どこが良くてどこがダメなのかを把握することができる。
やれることが多すぎて、逆に何をすればいいのかわからなくなってしまうのです。
Webでモノが売れない。でも何をしていいのかわからない。そんな方のために、Webマーケティング、特に販促に関わるプロモーションの領域で、次にあなたが何をすべきなのかが見つかる、これはそんな本です。

 

なぜWebでモノが売れないのか

どうすればWebでモノが売れるのか、それを考える前に「なぜWebでモノが売れないのか」を考えていきましょう。大きく4つの理由が考えられます。

 

Webでモノが売れない4つの理由

・売っている商品が悪い

・Webサイトが担う役割が悪い

・Webサイトでのデザインや操作性が悪い

・集客方法が悪い

 

ここでいう「悪い」というのは、競合他社と比較して劣っている、ターゲットユーザーから見て魅力的ではないという意味合いとなります。
一番上の「売っている商品が悪い」に関しては、Webでなくても売れないでしょう。前提として、ユーザーに使ってもらって満足してもらえるような商品でなければ、そのモノを得る仕組み自体を考えたところでムダです。
本書では、プロモーションについてメインでお話をしますが、すべてが一本の線でまとまっていないとうまくいかないので、Webでの売り方や、Webサイトの話の話も合わせてお伝えしていきます。
このように、売れない理由は4つしかないと考えれば、複雑に見えがちなWebサイトでのマーケティングや、売れる仕組み作りもシンプルに見えてきます。

 

図1-1-2 Webでモノが売れないときは、どこかが悪い

 

Webマーケティング全体に一貫性を

前のページでモノが売れない4つの理由を挙げましたが、逆にいうとこれがすべてうまくいっていれば、Webでのマーケティング活動はうまくいきます。
何をもってうまくいくというのか。
それはすべてに一貫性があるかどうかにかかってきます。

 


それぞれの項目自体に対して良し悪しは存在しますが、それぞれを「使いやすく」「魅力的に」と良くしていったところで、それぞれの項目に一貫性がなければ、ちぐはぐになってしまい、ユーザーを惑わせてしまうことになります。ユーザーが商品を購入する、または登録をするまでに、どのようなコミュニケーションをWebで行っていくのか。Web以外のところではどのようにコミュニケーションをするのか。そういったことも考える必要があります。
Webでビジネスのすべてを行うことは業種によって難しいものです。来店やお試し購入後のダイレクトメール、営業マンによる対面営業などにつなげていくことがWebとしての役割である、ということを明確化し、それぞれの「売れない理由」について、どこが問題点なのかを調べていくことが必要です。

 

「集客方法が悪い」を分析する

Chapter2以降でも、集客やプロモーションについて解説をしていきますが、先に「集客方法が悪い」について簡単に分析していきましょう。

 

集客方法が悪い4つのケース

・そもそもWebサイトを誰も知らない

・見込み客となるユーザーがWebサイトを知らない

・見込み客となるユーザーがWebサイトを知っていても訪れない

・見込み客となるユーザーが訪れても、購買意欲が高まっていない

 

ここでいう「見込み客」というのは、後述する「ターゲットユーザー」です。自社のサービスを理解し、購入してくれるであろうユーザー層のことを指しています。
誰もサイトを知らないというのは、当たり前ですが、ダメですね。
だからといって、むやみやたらといろんな人に「サイトがあるんだよー! 見に来てね!」といったところで、その商品を本当に欲しいと思う見込み客に届かなければ意味がありません。現実的なことをいえば、広告費のムダです。
では、その見込み客にサイトを知ってもらえるだけでよいのでしょうか? しっかりと商品の良さを知ってもらい、サイトを訪れてもらわなければなりません。見込み客にしっかりとサイトのこと、商品のことを知ってもらい興味を持ってもらうことが必要です。
それに加えて、タイミングが重要です。見込み客が訪れたとしても、そのとき「今買うときじゃないな」と感じているのであれば、購入してくれません。情報を継続的にユーザーに与え、何度も足を運んでもらいながら、少しずつ購買意欲を高めていくことは大切ですが、一番いいタイミング、つまり、「欲しい!」と思ってくれているタイミングでサイトに呼び込めないのであれば、その継続的なアプローチは無駄になってしまいます。

 

基礎から学ぶWeb広告の成功法則

著者:本間和城
価格:2,462円
発売日:2016年8月1日

 

 

著者プロフィール

本間和城(著者)
株式会社インタースペース プロデューサー / 株式会社Resupress STORYS.JPプロデューサー / 一般社団法人日本ディレクション協会 副会長
1989年長野県生まれ。静岡大学工学部 システム工学科卒業。2012年株式会社インタースペースに入社後、Web広告を活用したプロモーション戦略の企画~運用までを一手に担当。新規サービスの立ち上げや事業アライアンスも行い、2015年下期、全社MVP獲得。
2014年からSTORYS.JPの非常勤プロデューサーを兼務。企業タイアップやサービスの解析・グロースハック、事業戦略の立案などを担当。合わせて2014年から日本ディレクション協会に参画。企業研修や外部講演でWebマーケティングや営業、サービス設計のセミナーを行う。現在、同協会の副会長としてディレクション業務の拡張やWebディレクターの地位向上を目指している。広告会社・スタートアップ・社団法人の3足のわらじで活動中。