仮想通貨
技術・法律・制度
東洋経済新報社
楽天も決済利用を検討。FinTechでも活用が期待されるビットコイン。利便性とリスクを把握してビジネスへの活用を検討する。
金融とITを融合したFinTech(フィンテック)が注目を集めています。
携帯電話で資金移動ができるケニアのMペサ、スマートフォンをクレジットカードの支払端末に早変わりさせる米国のスクエアなど、ITの応用は伝統的な決済インフラを未来の色で塗り替えるものです。
その中核をなすインフラが、ビットコインに代表される仮想通貨の技術です。
2014年のMt.GOX社破綻を経て、日本では「仮想通貨は危険な貨幣であり技術である」と熱が冷めていた時期にも、米国では仮想通貨の技術を銀行システムの改革に活用するための研究が進められ、欧州ではブロックチェイン技術をシステムの基幹にとりこんだ銀行さえ登場しています。
アップルとグーグルが相次いでスマートフォン向け決済サービスを提案し、日本でも無料通話アプリが資金移動サービスを開始するなど、次世代決済サービスの主導権は、誰も予想しなかった業種が握ることになるかもしれません。決済ビジネスと電子商取引の主戦場はモバイルへと急速にシフトしているのです。
本書の目的は、仮想通貨の仕組みを理解し、利便性とリスクの両面を把握したうえで、ビジネスへの活用を検討することです。仮想通貨の技術・法律・制度に関する考察は、緒に就いたばかりです。次世代の金融ビジネスの現場を左右する大きな要素の1つが仮想通貨です。この現実から目をそらすと、欧米や中進国に対しても後塵を拝することにもなりかねないのです。
発売日:2015-06-11
目次
はじめに
序 章 仮想通貨とは何か? 誰がどのように使うのか?
第I部 仮想通貨の概念
第1章 仮想通貨の3つの要素――「決済手段」「転々流通性」「国家の裏付けの不存在」
第2章 支払手段の電子化の歴史と仮想通貨登場の意義
第II部 仮想通貨の技術的仕組み――ビットコイン登場の衝撃
第3章 サトシ・ナカモト論文による電子通貨の技術的跳躍
第4章 仮想通貨による暗号技術とウォレットの使用法
第5章 ビットコイン型仮想通貨を支えるブロックチェインとプルーフ・オブ・ワーク法
第III部 仮想通貨の問題提起と対応
第6章 仮想通貨をめぐる議論の枠組みと法的構成
第7章 欧米における仮想通貨をめぐる議論
第IV部 仮想通貨の事件簿
第8章 仮想通貨とマネー・ロンダリング問題
第9章 仮想通貨と国際破産
終 章 仮想通貨の将来と展望
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