2018.11.15
時間の経過に合わせてデスクトップピクチャが切り替わる「ダイナミックデスクトップ」。システム標準では2種類のみのため、もう少しバリエーションが欲しいとは思いませんか? ならば、いざ自作してみましょう!。
驚きの仕組み
macOSモハベの新機能の中で、特に目を引く存在なのが「ダイナミックデスクトップ」です。これは新しいタイプのデスクトップピクチャで、実際の時間の遷移に応じて朝から晩までのシーンが切り替わるようになっています。しかも、四季折々で刻々と変化する日の出や日没時間に応じてシーンを切り替える仕組みになっているのだから驚きです。
ダイナミックデスクトップのデータを見てみると、切り替えのデータをすべて内包するためにファイル形式として「HEIC」を採用していました。ダイナミックデスクトップはこの形式の中にメタデータとしてそれぞれの画像がどの太陽高度と方角にあるものなのかを参照しており、Macの現在位置と時刻から割り出した情報と壁紙がマッチするように表示しているのです。
以上のことから、これらの情報を内蔵したHEICを作成すれば誰でもダイナミックデスクトップをつくれるということがわかりました。以下にその手順を紹介するので、自作してみるのはいかがでしょうか。
ダイナミックデスクトップの作り方
(1)ダイナミックデスクトップを作る前に、XcodeをApp Storeからインストールしておきます。
git clone https://github.com/mczachurski/wallpapper.git cd wallpapper
swift build --configuration release
sudo cp .build/x86_64-apple-macosx10.10/release/
wallpapper /usr/local/bin
wallpapper -i wallpapper.json
(2)次に、ターミナルを起動してこれらのコマンドを実行し、「wallpapper」というコマンドラインツールをインストールします。
(3)ダイナミックデスクトップの画像に設定する同じ解像度を持つ画像を16種類用意しておきます。
fileName…ファイル名。
isPrimary…プライマリイメージ。
isForLight…ユーザがライトモードを選択したときに表示される静的な壁紙。
isForDark…ユーザがダークモードを選択したときに表示される静的な壁紙。
altitude…オブザーバから見た太陽と地平線の角度(仰角)。
azimuth…太陽の方位。
(4)メタ情報をコーディングツールなどを使ってJSON形式で記述し、任意の名前で先ほど用意した画像と同じ場所に保存します。
wallpapper -i info.json -o
myDynamicDesktopPicture.heic
(5)再びターミナルに戻って、「wallpapper」コマンドを使ってダイナミックデスクトップを作成します。
(6)完了すると、用意した素材と同じ場所にダイナミックデスクトップができあがっています。
(7)これを、システム環境設定の「デスクトップとスクリーンセーバ」パネルから設定すれば完了です。
ダイナミックデスクトップ作成ソフトも登場
Mac App Storeでは、さっそくダイナミックデスクトップ作成ソフトが公開されています。「Dynaper」は撮影時間が異なる写真を複数枚用意し、ソフト画面にドラッグ&ドロップするだけで、ダイナミックデスクトップを作成できます。なお、無料の場合はウォーターマークが表示されます。
Dynaper
【開発】MAREK HRUSOVSKY
【価格】無料(App内課金あり)
【場所】Mac App Srore>グラフィック&デザイン