2018.11.15
acOS MojaveはOSバージョン10.14。Mac OS X 10.0 Cheetahから数えて15番目のOSになります。カリフォルニアの砂漠の名前を冠したこの新OSは、数年規模にわたる長い取り組みの始まり、Macの新時代の幕を開けるアップデートです。
Mac復権のはじまり
2010年にスティーブ・ジョブズはポストPC時代のPCを“トラック”と表現しました。トラックは農場のニーズを満たして普及したものの、都市で車が使われるようになると手軽な乗用車(iOSデバイスなど)が選ばれるようになる。ジョブズはそう予言したのです。それは見事的中し、PC市場は縮小。その中でMacは、ポストPC時代のPCとして進化することで成長を遂げてきました。
しかし、Macがトラックとしての価値を追求しなかったことで、プロフェッショナルユーザから強い不満の声が上がり始めました。トラックが今でも社会に不可欠であるように、トラックのようなPCがなかったらエコシステムは機能しなくなります。たとえば、iOSアプリの開発はMacに支えられているように。アップルは過ちを認め、新しいMacプロの開発を表明、iMacプロを送り出すなど、プロ市場への対応に乗り出しました。もちろん、そうした変化はハードだけでなく、OS開発にも表れていくのです。
こうした背景で生まれたmacOSモハベは、パワーユーザのニーズを満たす新機能や強化を数多く含みます。たとえば、ソフトウェアを開かずにさまざまなタスクを直接実行できる自動化機能「クイックアクション」や、UIを黒系の暗い色に変更する「ダークモード」、デスクトップに散らばるファイルを自動整理する「スタック」などが挙げられます。加えて、iPhoneのカメラと連動した写真の撮影と取り込みなど、乗用車のような便利さも引き続き改良を重ねています。
モハベが意味すること
すべてのユーザにプラスをもたらし、使いやすさに磨きがかかったモハベは成熟を感じさせるアップデートです。それだけではなく、macOSのメジャーアップデートに付けられるカリフォルニアの地名に今回「モハベ」が選ばれたことには、特別な意味がありそうです。
モハベは砂漠地帯です。灼熱の昼間から一転、夜間は凍りつくぐらいに冷え込みます。そうした二面性が、ライトモードとダークモードのイメージにぴったりなのがモハベを選んだ理由のひとつでしょう。ちなみに、モハベはUFOの目撃報告が多い場所として有名です。スティーブン・スピルバーグはモハベ砂漠において映画「未知との遭遇」の発想を得ました。