2018.11.01
米国LA在住のITライター・三橋ゆか里氏の最新テックトレンドウォッチ!
アメリカに来てから習慣になったポッドキャストの視聴。「チューンイン(TuneIn)」というラジオアプリで、ITニュースから食やカルチャーに至るまでさまざまな情報収集に活用しています。
ポッドキャストの人気は、ここ数年でうなぎのぼり。アメリカでは、過去4年間でその視聴者数は倍増。6800万人、つまり約4人に1人が毎月何らかポッドキャストを視聴しています。視聴者の多くはミレニアル世代で、全体の半数弱(44%)を18~34歳が占めるそうです。
ニューヨークなどの大都会を除く大半が車社会のアメリカでは、もともと運転中にラジオを聞く文化があるため、ポッドキャストという選択肢は自然です。運転しながら、歩きながら、ジムで汗をかきながらなど、“ながら”作業でできてしまうことも、忙しい現代人に支持される理由のひとつだと言えます。
デジタル音声というメディアは古くから存在し、決して新しいものではないにもかかわらず、今になって人気が高まっている。アメリカでは、同じことが最近メールマガジンでも起こっています。日本では、有料メルマガの配信といえば「まぐまぐ!」がありますが、同等のサービスがアメリカで台頭しているのです。
2017年10月にサービスを開始した「サブスタック(Substack)」は専門分野を持つライターに対して、新たな収入源を提供する目的で開発されました。開始当初は有料メルマガ(月額5ドル~)のみの配信でしたが、現在は無料メルマガも配信可。今年7月時点の有料購読者数は、1万1000人。購読料の平均は、年間80ドルにのぼります。
サービス内容はまぐまぐ!と変わりませんが、モバイルに最適化され、デザインもモダン。メール配信の管理画面も使いやすく、ライターは肝心のコンテンツづくりに専念することができます。また、配信したメルマガのWEBバージョンを自動生成してくれるため、新たな読者獲得にも有効。サブスタックは、配信料の10%を手数料として徴収します。
Yukari Mitsuhashi
米国LA在住のライター。ITベンチャーを経て2010年に独立し、国内外のIT企業を取材する。ニューズウィーク日本版やIT系メディアなどで執筆。映画「ソーシャル・ネットワーク」の字幕監修にも携わる。【URL】http://www.techdoll.jp