2018.10.31
企業や教育機関へのアップル製品の導入をサポートする、株式会社Tooの福田弘徳氏が「モビリティ」の地平を語る。
よく聞く「○〇変革」。企業でも教育の現場でも、今までに経験したことのない課題に取り組むため、既存の業務やプロセス、コミュニケーションを見直し、新しい価値を生み出すことを目的に「変革」という言葉が使われる。変革とは物事を変えて新しくすること。最近では、デジタルトランスフォーメーションといった言葉にも置き換えられ、組織やビジネスの変革を推進している企業は多い。
変革の達成基準を一様に決めることは難しい。しかし、既存概念を打ち壊し、なんらかの行動変容を行う必要がある。行動変容にも段階があるが、ポイントは「以前のやり方のほうが良かった」といったように逆戻りを起こさず、いかに新しい変化を継続できるか。新しいものを取り入れるときには、必ず何かを止める必要があることを忘れてはいけない。
企業内のコミュニケーション手段にも変革が起きている。これまで電話とメールが中心だったクライアントやパートナーとのやりとりが、スラックやチャットワークのようなチャットを中心に行われることが増えてきた。しかし、スラック上で「メールを送ったので確認してください」といった無駄なコミュニケーションが業務のボトルネックとなり、生産性を下げている大きな要因にもなっている。スラックでコミュニケーションの変革を始めたのであれば、極力他の手段でのコミュニケーションを避けなければ、チャットの即時性やコラボレーションの有用性の効果は現れないだろう。
変革には意志が必要である。そのためには、目の前の仕事や課題に対して疑問を持つことが大事だ。「Why?(なぜ?)」を追求することこそが、変革の第一歩となる。また、変革とは一時的なものではなく、常に変わり続けて、新たな価値を提供し続けることでもある。「Why?(なぜ?)」を追求し、問い続け、自分たちのビジネスや取り組みの原点に立ち返ることこそが、ブレない意志を作り上げるのである。
1台のiPadが起こす変化は、もしかしたら小さなものかもしれない。しかし、そのiPadを通して人によって成し遂げられる業務変化は、一つ一つがビジネスにつながっており、そこから生まれる変革の可能性は無限大である。