日本で独自進化を遂げるアドビ成長の秘訣を北大生が徹底取材|MacFan

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日本で独自進化を遂げるアドビ成長の秘訣を北大生が徹底取材

文●春日遥大橋真智子小西祐輔村井貴

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北海道大学CoSTEP(コーステップ)は筑波大学とともに全国の大学に先駆けてアドビ システムズ(以下、アドビ)と連携し、デザイン教育を進めている。今回、授業を通じてアドビに興味関心を持った北大生が品川区大崎の日本法人を訪ね、クリエイティブの最前線で活躍する社員を取材した。

 

日本発の世界標準

アドビは日本を重要な市場と捉え、日本特有のニーズやローカリゼーションを優先的に開発に反映している。アドビの3つのクラウドを支える人工知能にグローバルで「Adobe Sensei(アドビ センセイ)」と日本由来の名前がついているのも日本市場の存在感の表れともいえよう。

また、日本には独自の研究開発部門が置かれ、世界標準を目指した開発が行われている。2009年にアドビに新卒で入社した福島英一氏が開発した「Adobe Stock」と連動するパワーポイントのプラグインは、世界中のユーザに広く使われている。外資系企業は中途採用が一般的だが、ここには新卒採用者が活躍できる土壌もある。両者が互いに力を発揮することで、日本法人は国内外でのプレゼンスを高めている。

 

どんな杭でも叩かれない

アドビの人材育成について、マーケティング本部教育市場担当の小池晴子氏は語る。

「私たちは個性を大切にしています。ここではどんな杭でも叩かれません。自由に挑戦できる反面、学習や成長がすべて自己責任です。私が以前勤めていた日本の出版社では逆に面倒見はいいが、個性は均される傾向を感じていました」。外資系と日系企業のキャリアを持つ小池氏だから分かるアドビの特色といえよう。

それは日本法人で生まれた新フォント「貂明朝」の制作現場にも反映されている。もともと明朝体はシャープな印象の書体だが、貂明朝ではハライの先端に丸みを加え、伝統的な可愛さを表現している。実現したのは、アドビ日本語タイプフェイスデザイナーの西塚涼子氏だ。スキルアップのために個人活動で制作したフォントが、社内で評価されて製品化に至った。

西塚氏がMacでタイプフェイスデザインを始めたのは武蔵野美術大学に在籍していた1994年。

「紙に手書きでレタリングできても、フォントとして書き出すにはMacは必須です。単に道具と呼ぶには物足りない、夢を叶える相棒のような存在でした。イラストレーター5.0で作った文字を並べて見た感動は今でも忘れられません」。当時の思いを胸に、アドビで活躍する西塚氏。自ら動き、成長する人の挑戦を後押しする環境が、ここにはある。

 

 

福島英一氏(研究開発本部 ソフトウェアエンジニア)は自ら開発したAdobe Stockのパワーポイントとの連携機能を開発し、その功績を社内で表彰された。

 

 

小池晴子氏(マーケティング本部教育市場部 グループリーダー)は、日本の大手教育出版社に20年以上勤務したあと、自身のキャリアのフロンティアを求めて転職を決意。




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