2018.08.07
コンデジの存在意義を示す驚異のズーム機能を搭載!
スマホじゃできない!
この「RX100M6」は、ソニーが発売している人気高級コンパクトデジカメシリーズの最新モデルです。「RX100」シリーズは、少しずつ特徴の異なる旧モデルのほとんどが販売されているという珍しいプロダクトで、共通して搭載された1インチの大型センサと一眼並みの豊富な機能により、アマチュアからプロにまで幅広いファンが存在します。
「M6」最大の特徴は、最大ズームが200ミリと大幅に拡張された点。前モデルの「M5」が70ミリ、シリーズ中の最高でも100ミリだったので、一気に倍以上のズームが可能になっています。最近はiPhoneを筆頭にスマホのカメラが高画質化し、コンデジは全体的に苦境となっていますが、これ程のズームを備えたスマホはまだ存在しません(iPhone Xの標準レンズが28ミリ、望遠レンズでも57ミリ相当)。スマホ撮影全盛の時代だからこそ、あえて別にカメラを持ち歩く意味を最大限に追求した開発コンセプトが明確に感じられます。最大ズーム時は大きくレンズが飛び出すものの、本体はシリーズの従来機同様非常にコンパクト。バッグにも無理なく入れて携帯できるサイズです。
実際に撮影してみると、24~200ミリというズーム幅はアングルの自由度が非常に高く、便利さと撮影の楽しさを同時に味わえます。最大ズーム時でF4と、前モデルに比べて多少レンズが暗くなっていますが、暗部に強いソニー製センサの強みが活かされており、ある程度ISO感度を上げてもあまりノイズが気になりません。
写りは隅々まで非常にシャープで、月の写真などは、筆者所有の一眼カメラで撮影したものより解像感が良く驚愕しました。「単焦点レンズで味わいのあるボケを出す」といった用途以外では、過半数のユーザにとって普段使いとして「一眼でなくて十分」と思わせるポテンシャルを持っています。フィルムの時代から30年以上カメラを触っている筆者にとっても、歴代上位に入るレベルで満足度の高いカメラです。