2018.07.29
企業や教育機関へのアップル製品の導入をサポートする、株式会社Tooの福田弘徳氏が「モビリティ」の地平を語る。
iOSを企業の現場に浸透させていく中で、大きな障壁になることがある。それが、「用途検討」と「運用体制」の2つだ。iOSを業務のどのシーンで使うのか、そのiOSはどのようにサポートされるのか、用途と運用が両輪で回る状態が、継続的なiOSの利活用につながる。
ここで言う用途検討とは、iOSをどのような業務課題の解決策として利用していくかということである。iOSを導入する目的が定まっておらず、世の中の流れに同調するかのようにiOSを導入することが目的化されている現場もまだまだ多い。成功事例を紐解けば、業務課題を理解している現場がiOSの用途を検討し、業務改善を進めている。
ここでポイントになるのがアプリの目利きだ。アップストア(App Store)に豊富にあるアプリや、ファイル共有やチャットなどのクラウドサービスなど、自分たちの業務にフィットするものがどれなのかを見極めることが重要である。
ただし、iOSの利活用を推進する現場にアプリの目利きができる人が溢れているわけではないだろう。そこで、まずはアプリを試して、用途検討を進めるための基盤が必要になる。外部のベンダーやアプリ開発会社の知見も大事だが、まず初めに自分たちの業務と照らし合わせて、どんな機能が必要なのか、何を優先するのかを決めるためのチームや体制を作ることだ。また、アップストアプリもアプリ開発会社が定期的にアップデートを行っている。利用しているアプリの機能追加や統合、削除といった変化を確認し、継続利用が可能なのか、代替アプリを探す必要があるのかも定期的にチェックしたいところだ。
業務に特化したアプリ開発を進めるうえでも、業務課題を理解した社員を募り、社内に開発チームを起ち上げるようなケースもある。この場合にも、開発したあとにサポートを継続していくかも課題になる。属人的になってしまう開発業務に対して、人事異動など組織内の人の流動性への対応が必要だ。