iPhoneとiPadが変わる!「iOS 12」|MacFan

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古い機種のパフォーマンスがさらに向上!

iPhoneとiPadが変わる!「iOS 12」

デバイスを末長く使える

WWDCの基調講演で発表されたiOS 12は、ティム・クック氏が「世界にインパクトを与える」と冒頭で宣言したとおり、パフォーマンス向上、Siriショートカット、スクリーンタイム、グループフェイスタイム、新しいタイプのアニ文字「ミー文字」、そしてARKit2といった新機軸を数多く打ち出している。

しかし、何よりもインパクトが大きかったのは、「対応デバイス」の数である(左の「対応デバイス」参照)。なんと、iOS 11が動作するすべてのデバイスで利用できるというのだから驚きだ。実に5年前のデバイスであるiPhone 5sでも最新OSが使えるのである。ここにはアップルが推し進める「AR」コンテンツをより多くの人に体験してほしい、という意図があるようにも思える。

加えて、iOS 12ではiPhone 5sを含むすべての対応機種で動作パフォーマンスが向上する。iOS 11においてバッテリ劣化によるパフォーマンス低下問題があったが、この改良点に関しては、より多くのユーザに歓迎されることだろう。

昨年のiOS 11は7週間で半数のユーザがアップデートし、現在ではインストールベースでは81%に達しており、全体的なユーザ満足度は95%となっていると発表された。この数字を見ると、iOS 12も多くのユーザのアップデートが期待できるだろう。iOS 12は今秋登場予定で、アップグレードはもちろん無料だ。

 

対応デバイス

●iPhone

iPhone X/iPhone 8/iPhone 8 Plus/iPhone 7/iPhone 7 Plus/iPhone 6s/iPhone 6s Plus/iPhone 6/iPhone 6 Plus/iPhone SE/iPhone 5s

●iPad

12.9インチiPad Pro(第2世代)/12.9インチ iPad Pro(第1世代)/10.5インチiPad Pro/9.7インチiPad Pro/iPad(第6世代)/iPad 5th(第5世代)/iPad Air 2/iPad Air/iPad mini 4/iPad mini 3/iPad mini 2

●iPod

iPod touch(第6世代)

 

 

 

ARによるコミュニケーションとスマホ中毒に終止符を打つアップデート
iOS 12の新機能はコレだ!

 

古いiPhoneでもパフォーマンスが向上

iOS 12は全体のパフォーマンスが向上する。iOS 12にアップデート可能なiPhone 5sを含むすべてのデバイスで軽快な動作が期待できる。今回、パフォーマンスのデモに利用されていたデバイスが最新機種であるiPhone XやiPhone 8ではなく、2世代前となる2014年発売のiPhone 6 Plusであったことから見ても、Appleの自信のほどがうかがえる。これまでiOSをアップデートすると、旧機種では動作が遅くなってしまうイメージがあったが、iOS 12ではiPhone 6 Plusの場合でアプリの起動が40%、キーボードの表示が50%、カメラの起動が70%高速化するとしている。

また、CPUがほかの処理を行っている場合などに起こる高負荷時の動作速度も向上した。たとえば、[共有]ボタンをタップしたときに開くシートの表示はこれまでの2倍高速に、高負荷時のアプリの起動も2倍高速となるなど、細かなチューンアップが行われているのだ。

通常、パフォーマンスをむやみに上げるとバッテリの持ちが悪くなってしまうが、従来ゆっくりと上げていたCPUパワーのピークを初めにずらして徐々に下げていくという調整により、トータルでの消費電力は変えず、各種動作の高速化を実現している。レスポンスをよくして体感速度を上げる工夫がなされているわけだ。

iPhone 6 PlusでiOS 12とiOS 11.4を比較し、アプリの起動が40%、キーボードの表示が50%、カメラの起動が70%高速化されるという。

 

これまでのCPUパフォーマンスは使用し始めから徐々にピークパワーに持っていっていたため、最大のパフォーマンスを得るのにある程度の時間がかかった。

 

iOS 12では、最初からCPUパワーをピークにもっていき、徐々に下げることで、全体のCPUパワーを変えずにパフォーマンスを向上させている。