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カラーテレビ受像機「Panasonic piedra 11」

文●岩屋民穂

時代に埋もれた個性派廃盤プロダクト

1989年にPanasonicが発売したブラウン管のアナログテレビ「piedra」は、11型のコンパクトなオーガニックデザインがミッドセンチュリーっぽくもあり、当時のバブルな若者向けの小洒落たインテリアとして支持されていた(その証拠にテレビをイルミネーションとして画面の色をチカチカさせっぱなしにする、なんて機能も搭載されている)。

現在でも一部の家電マニアから“国産テレビのマスターピース”として捉えられ、ある巨匠デザイナーがpiedraをオマージュしたような液晶テレビをデザインしたことも以前話題となった。

数年前に何となく手に入れたものの、もはや地上波も受信できず、ただのコレクションとして持て余していたpiedraが輝き出したのは、仕事場に友人がファミコン機器一式を持ってきたときだった。ハイデフな液晶テレビより雰囲気が合うかもと思い、ここぞとばかりに引っ張りだしてきたpiedraのブラウン管から、独特のチラつきや滲みを通してみる走査線上のゲーム画面は、完璧に「あの頃」そのもので、その時代に迷い込んでしまったような強烈な錯覚に襲われたのだった。興奮した僕らは、次にiPhoneをつなぎ、YouTubeから80~90年代のテレビCMやアニメを映してみる。すると今度は、実家の居間でテレビが家族団欒として機能していた頃の記憶がフラッシュバックし始め、不思議なトリップ感にひたすら浸った。

 

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岩屋民穂

GraphersRock(グラファーズロック)の名義でアートディレクター ・ グラフィックデザイナーとして、ファッション、音楽、アニメーション等、幅広い分野でアートワークを展開している。【URL】www.graphersrock.com




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