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ドローンは“飛ばす前”がいちばん大事!

まずはルールをしっかり理解 ドローンはどこで飛ばせるの?

文●小平淳一吉田雷(MixtureScape) 写真●黒田彰モデル●崎谷実穂撮影協力●戸倉しろやまテラスDJI JAPAN

ドローンはどこでも好き勝手に飛ばしてよいものではありません。安全に楽しむためにも、しっかりとルールを把握しておきましょう。

※本記事の情報は原稿執筆時のものです。最新の情報ではないものもありますので、ご了解ください

ドローンを飛ばすには、安全のためいくつか守らなければならないルールがあります。ドローンを飛ばしてはいけない場所であったり、事前に許可申請が必要な場所や飛行方法などがあるのです。それらのルールに違反した場合は、50万円以下の罰金が課せられることもあります。

なお、「事前の許可申請が必要」という場合、申請すれば誰でも許可が降りる…とは考えないほうがよいでしょう。もちろん申請内容ごとに異なりますが、許可が降りるかどうかは操縦者の技能なども含めて審査されます。ドローンをはじめて操縦する人にとっては、「許可申請が必要=NG」と考えておくほうが間違いないでしょう。逆にいえば、この禁止エリア以外で飛ばすには、申請や承認は必要ありません。

また、国土交通省の公式サイトでは、これらの規制のほかに、ドローンをより安全に飛行させるためのいくつかの注意事項を掲載しています(http://www.mlit.go.jp/common/001202589.pdf)。初フライトの前に必ずチェックしておきましょう。

 

【飛行自体がNGな場所】国の重要な施設や外国公館 原子力事業所の周辺

国会議事堂、内閣総理大臣官邸をはじめとする国の重要な施設、外国公館、原子力事業所の周辺は、「小型無人機等飛行禁止法」によりドローンの飛行が禁止されています。国または地方公共団体の業務実施のためなどいくつか例外となるケースがあるものの、基本的にはNGと考えて間違いないでしょう。

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出典:対象施設周辺地域全体図(東京都)【URL】https://www.npa.go.jp/bureau/security/kogatamujinki/pdf/map.pdf

 

【飛行自体がNGな場所】米軍施設の上空や周辺

米軍基地の周りでドローンを飛ばすことは、重大な事故につながる恐れがあります。航空機の安全な航行を妨げるような場合、法令違法に当たるケースがあるので注意が必要です。ドローンの飛行予定エリアが米軍施設に近くなりそうなときなど、不安な場合は各地の防衛局に相談しましょう。

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出典:お知らせとお願い(国土交通省)【URL】http://www.mlit.go.jp/common/001222351.pdf

 

【事前の申請が必要な場所】150メートル以上の上空

地上または水面から150メートルを超える高度で飛ばす場合、航空法により事前の許可申請が必要になります。なぜなら、飛行機やヘリコプターなど、ほかの飛行物と接触する危険が高まるためです。こちらも管轄の航空事務所への許可申請が必要になります。

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出典:無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール(国土交通省)【URL】http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

 

【事前の申請が必要な場所】人家の密集地域

人口集中地区は「DID(Densely Inhabited District)」と呼ばれ、万が一墜落した際に人家を巻き込んだ事故になる可能性が高いため飛行が制限されます。DIDの範囲は、国土地理院が発行するWEB版の地図で確認が可能です。

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【URL】http://maps.gsi.go.jp/

 

【事前の申請が必要な場所】私有地の上空

人口集中地区は「DID(Densely Inhabited District)」と呼ばれ、万が一墜落した際に人家を巻き込んだ事故になる可能性が高いため飛行が制限されます。DIDの範囲は、国土地理院が発行するWEB版の地図で確認が可能です。

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【URL】http://maps.gsi.go.jp/

 

【事前の申請が必要な場所】私有地の上空

私有地の300メートル上空までは所有地の権利が及びます。日本の土地の多くは誰かの所有地であり、また、鉄道線路や神社・仏閣、そのほか観光地などもほとんどの場合所有者がいます。土地の所有者や管理者に直接確認しましょう。

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【事前の申請が必要な場所】道路の上空

道路上でドローンの離着陸を行う場合、道路交通法という法律の規制対象となります。また、車両の通行に支障を及ぼしそうな低空の飛行もやはり規制対象となります。管轄の警察署に「道路使用許可申請書」を提出しましょう。

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【事前の申請が必要な場所】条例による飛行禁止・制限区域

各都道府県や市町村ごとの条例にも注意が必要です。場所によっては申請が必要だったり、原則禁止となっている場所があります。たとえば東京都の場合、都立公園でのドローンの使用は禁止されており、航空法の適用となる「重量200グラム以上」かどうかに関わらず、持ち込み自体が制限されます。撮影ができるかどうか不安な場合は、そのエリアの自治体に問い合わせてみましょう。

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【事前の申請が必要な場所】空港周辺

飛行機との衝突を避けるため、国内にあるすべての空港から6キロメートルがドローン飛行の規制範囲になっています。さらに、空港によっては周辺24キロメートルとかなり広い範囲で制限が設けられているので注意が必要です。こうした場所では管轄の航空事務所に連絡をして許可を得る必要があります。

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【事前の申請が必要な状況】夜間飛行

日没以降と日の出前にドローンを飛ばすことは、航空法の規制対象になります。当然のことながら、夜間の飛行はドローンや周囲が目視しにくくなり、危険が増えます。どうしても撮影したいという場合、国土交通省に許可申請が必要です。

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【事前の申請が必要な状況】目視外の飛行

ドローンが樹木やビルの向こう側を飛んだりして、操縦者から目視で確認できない状態が発生する場合も、航空法の規制対象になります。ドローンのカメラの映像をゴーグルに映し出して操縦する「FPV」も目視外飛行にあたるため、注意が必要です。

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【事前の申請が必要な状況】第三者や建物に接近しての飛行

ドローンを第三者のそばや建物・車に近づける場合(30メートル未満)も、航空法の規制対象です。なお、これはあくまでも「第三者」および「第三者の所有する建物・車」であり、ドローンの操縦者や協力者、その所有物は規制の対象外となります。

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© Duct

 

【事前の申請が必要な状況】イベント会場の周辺

お祭りなどのイベントは多くの人が集まり、万が一の墜落により被害が拡大する恐れがあります。実際にドローンによる被害が起きたこともあり、飛行エリアの周辺に立入禁止区域を設けるなど、その規制は厳格化の傾向にあります。

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出典:無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領の改正について(国土交通省)【URL】 http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000168422

 

【事前の申請が必要な状況】危険物の輸送を伴う飛行

ガソリンなど爆発・可燃性のある物体、または損傷の可能性があるものをドローンに搭載して飛行させることは、やはり航空法の規制対象となります。許可を得るには申請が必要ですが、そもそも周囲の安全のために行うべきではないといえるでしょう。

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【事前の申請が必要な状況】ドローンからの物体の落下

ドローンから物体を落下させることも、やはり航空法の規制対象です。軽いものだからいい、無害な液体だからいいというように自分で判断を行わず、国土交通省に申請を行いましょう。

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ドローン利用の申請方法をチェックしよう!

ドローンの飛行に関する規制の多くは、「航空法」によって決められています。航空法で規制されている場所や方法でドローンを飛ばしたい場合は、国土交通省への申請が必要になります。

注意すべきは、申請さえすれば許可が出るだろうという見込みは間違いということ。そもそも航空法で規制されている場所/方法での飛行は危険性が高いために規制されているのであり、安全性が確保されるかどうかはしっかりと審査されます。提出書類の雛形は国土交通省のWEBサイトからダウンロードできますが、書類には操縦者の飛行経歴や知識、能力を記載する欄も用意されています。初心者の場合、航空法で規制されている場所/方法での飛行は避けたほうがよいと考えるべきでしょう。なお、2018年4月2日よりオンラインでも飛行許可の申請が行えるようになります。24時間365日申請できるようになるので、これまでよりも申請しやすくなるでしょう。

なお、特定機関で講習を修了した人は、提出書類の一部を省略できる措置もあります。本格的にドローン撮影をしたいと考える人は、講習を受けてみるのもよいかもしれません。

また、ドローンの規制は航空法以外にもさまざまなものがあり、状況によっては複数の機関に申請する必要があります。どこにどんな手続きをすべきかは迷うところですが、現在はそうした手続きを代行してくれる行政書士なども登場しています。

 

 

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国土交通省のWEBサイトでは、ドローンの飛行ルールが掲載されています。申請するかどうかに関わらず、最新状況を確認しておきましょう。【URL】http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

 

 

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国土交通書への許可・承認申請書は、WEBサイトからMicrosoft Word形式の書類で公開されています。飛行計画、ドローンの仕様、操作技能などを記載して提出します。なお、2018年4月2日からはオンラインでも申請できるようになります。

 

 

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国土交通省は、ドローンの講習団体・講習管理団体のいくつかを認定しています。そこで発行された技能認証の写しをつけることで、申請書類の一部が免除されます。【URL】http://www.mlit.go.jp/common/001221588.pdf

 

 

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空港周辺や150メートルを超える高度の飛行については、管轄の空港事務所への連絡も必要となります。該当する管轄は、国土交通省のWEBサイトでチェックできます。【URL】https://www.mlit.go.jp/common/001110211.pdf

 

COLUMN ドローンをもっと気軽に練習するには?

ドローンの操縦に対してさまざまな規制があることがわかると、逆に「飛ばせる場所なんてほとんどないのでは?」と感じるかもしれません。特に首都圏をはじめとする都市部は住宅密集地が多く、ドローンを飛ばせる場所はなかなか見つかりません。せっかく興味が湧いたのにやる気がしぼんでしまった…なんて人もいるかもしれませんね。しかし、これからドローンの操縦をマスターしたいと思ったとき、練習する場所/方法はいくつか考えられます。

まず1つめは、航空法の規制対象にならない、200グラム以下のドローンから始めてみるという方法です。とはいえ、これはあくまでも「航空法の規制対象外」というだけなので、各地の条例などは守る必要があります。

そして2つ目は、屋内で飛行訓練をする方法です。航空法はあくまでも屋外の飛行を規制するもので、屋内での飛行は対象になりません。広い倉庫内などであれば、操作のトレーニングができるでしょう。

そして3つ目は、企業が提供している練習場を活用するというもの。屋内もあれば屋外の練習場もあります。多くは有料ですが、専門スタッフが立ち会ってくれるなど安心感もあります。

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Tello

【発売】DJI JAPAN
【価格】1万2800円
【URL】https://store.dji.com/jp/product/tello

DJIの「Tello」は80グラムのコンパクトなドローン。ドローンがどんなものか体験してみたい人やドローンの入門にぴったりです。

 

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企業や行政が運営しているドローン練習場では、専門スタッフが立ち会ってくれたり、実技講習を行ってくれることもあります。左の写真は東京都あきる野市にある「戸倉しろやまテラス」です。【URL】http://tokura-taiken.jp/



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