2018.02.16
最近のMacはメモリやストレージがロジックボードに直接実装されていたり、特殊なコネクタを採用していたりとユーザによるアップグレードが困難です。しかし、“ちょい古”Macなら汎用パーツが多いので、むしろ改造しやすいメリットがあるのです。
禁断の開腹手術でMac miniを回復させる!
Macミニは安価でiMacに次いで人気のデスクトップMacながら、現行モデルは2014年発売となり、その1つ前の2012年モデルで凌いでいるユーザも多いでしょう。
実は、ユーザによるアップグレードが容易なのも、この2012年モデルまでなのです。SO-DIMMのメモリスロットを備え、ストレージを収納するベイへのアクセスが簡単だからです。
そこで、標準のハードディスクを最新のSSDに交換することで、どこまで足回りを強化できるのか試してみましょう。シリアルATAハードディスクは、読み書き速度は理論値で毎秒100MB程度しかありません。最新MacのSSDなら毎秒1GBクラスですからものすごく遅いといえます。しかし内部インターフェイスがSATAなので、頑張っても6Gbps(毎秒600MB)までです。それでも6倍程度の増速になるので体感速度も向上するはずです。
STEP1 MacミニのハードディスクをSSDに換装
事前にストレージのバックアップをタイムマシン(Time Machine)やディスクユーティリティの「復元」で作成します。また、macOSの新規インストールの時間を短縮するために、あらかじめ起動可能なUSBインストーラを作成することもおすすめです。
次にMacミニを分解します。手順の流れを簡単に説明すると、底面の蓋を取り外し、冷却ファン、ヒートシンクカバー、Wi│Fiアンテナの順に取り外せばハードディスクにアプローチできます。
●工具はトルクスドライバーだけ
2012年モデルのMac miniを分解するのに必要な工具は意外と少なく、2種類のトルクスドライバーだけです。
●交換する2.5インチSSD
SSD 545s SSDSC2KW256G8X1
【開発】インテル
【価格】1万2000円~
【備考】SATA 6Gbps、256GB、TLC、厚さ7mm
(1)今回換装するSSDはインテル製のSSD 545シリーズ。東京・秋葉原のショップで256GBが1万2000円程度とリーズナブルでした。2017年の夏に出たばかりの最新モデルです。
●裏蓋を外す
(2)Mac miniを裏返して蓋を取り外し、内部を確認します。取り外すネジは丸で囲んだ8カ所です。
●冷却ファンの取り外し
(3)はじめに冷却ファンを止めている3つのネジを外し、ケーブルに注意しながら取り外します。
●ヒートシンクカバーを外す
(4)次にヒートシンクカバーのネジを1個取り外します。筐体とロジックボードに挟まっているのでゆっくり引き出します。
●Wi-Fiアンテナを外す
(5)Wi-Fiアンテナを取り外します。これはHDDのマウンタも兼ねており、4つのネジを外します。アンテナケーブルが左側に付いているので注意しましょう。
●HDDをSSDに換装
(6)ロジックボード上のSATAコネクタを外し、HDDを引っ張り出します。Mac miniのSATAケーブルは特注品です。断線させないように細心の注意を払ってSSDに載せ換えて、元の位置に戻します。