野呂エイシロウの「ケチの美学」第9回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第9回

文●野呂エイシロウ

●人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

超一流の料理を食べて落ち込む

改めて言うことではないが、ボクは美味しいものが大好きだ。だから、こんなにも太っているのだろう(笑)。

年に何度かは、気合を入れて「フロリレージュ(Florilege)」「虎白」「クローニー(Crony)」「カンテサンス(Quintessence)」に顔を出す。大阪、京都にも好きな店が何件かある。いずれも世界中に名前が響くお店だ。予約を取るのが非常に困難で、世界中からレストランの予約日に合わせて来日する外国人も多い。

実は、ボクはこんな一流店に行くといつも落ち込む。ため息が出て、嫌悪感100%超。ぐったりと数日間反省モードになるのである。

先日も、赤坂の「タカザワ(TAKAZAWA)」に顔を出した。この店の料理は芸術だ。そのせいか、世界の数々の賞を受賞。さらに、自然の中にレストランをつくり料理を振る舞うダイニングアウト(DINING OUT)でも活躍中だ。

常に予約は数カ月。お金が続く限り、毎月でも行きたい店だ。とにかく料理一品一品のアイデアに圧倒される。「ここまで料理のことを考えているんだ」「すごすぎる」という点である。サプライズに毎回涙する。

美術館で絵画や彫刻などを見てもすごいと思う。ミュージシャンのコンサートも感動することが多い。だが、料理は感動の中で頂点だ。

今回も目で楽しみ、香りを楽しみ、さらにシェフの会話で楽しみ、ワインとのペアリングを楽しむ。

シェフの高澤義明さん、マダムの明子さんの話は料理を加速的に美味しくする。iPhone 8プラスのポートレートモードも炸裂だ。もう芸術品だ。

サプライズも次々と起こる。詳細は、ぜひとも食べて感動してもらいたい。この日もボクら以外のお客さんは外国人だった。ハリウッドのスターも見受けられた。また某ブランドの社長の顔も。ボクが一番普通の人間だろう。分不相応とはこのことだ。だが、それが自分に課していることなのだ。




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