徹底したユーザ目線で見るiPhone Xのメリット・デメリット|MacFan

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iPhone芸人・かじがや卓哉はiPhone Xをどう勧める?

徹底したユーザ目線で見るiPhone Xのメリット・デメリット

“持ち方を意識せずにポケットからすぐにデバイスを取り出せます”

かじがや卓哉

吉本興業所属。「iPhone芸人」「家電芸人」の肩書を持つお笑い芸人。家電製品総合アドバイザー資格、税理士の資格を持つ。

 

 

前日夜から表参道に並ぶ

「iPhone芸人」として「アメトーーク!」など数々のテレビ番組やラジオに出演するお笑い芸人・かじがや卓哉さん。iPhone 6発売時には、10日間も行列に並ぶほど、熱狂的なアップルフリークでもあります。今回もiPhone Xが待ちきれず、発売前日の21時頃からアップル表参道に並んだそうです。

「前日は雨が降ってしんどかったですね…。でも、今回はデバイスに圧倒的な変化があったので『絶対欲しい!』と胸が高鳴りました」

無事先頭グループでシルバーの256GBを手に入れたものの、最初は操作に戸惑ったそうです。

「購入した日の午前中はホームボタンがないことへの戸惑いがありました。でも、すぐに慣れて、今はホームボタンはいらないと感じるほど。その分画面が広がったメリットのほうが大きいですね。操作は慣れの問題だと思います」。

普段かじがやさんはポケットにiPhoneを入れて持ち歩くため、取り出し方にも変化が起きたといいます。

「今まではホームボタンに親指を置きながら取り出していましたが、持つところとしては不安定でした。Xはどこを触っても同じなので、持ち方を意識せずに取り出せます」

お気に入りの機能は、フェイスID。「顔を登録する作業もオシャレだし、ロック解除のときには新しさを感じます。ほかのデバイスの顔認証機能と違って、暗闇で認識できる点もいいですね」

実は、9月にはiPhone 8を購入していたかじがやさん。今は両方持ち歩くものの、やはりXメインで使うことが多いそうです。

「新製品好きなので、操作性が違うだけでXには新鮮さがあります。また、画面が大きい点はメリットですね。iPhone 4sから5への変化もそうでしたが、変える前は『今のサイズでちょうどいい』と思っているのに、画面が大きくなると便利だと感じるシーンが随所にあります。アプリの多くは縦スクロールが前提の設計なので、指のスクロール回数が減るのはうれしいです」

ただ、画面サイズが大きくなったからこそ、プラスシリーズのユーザにiPhone Xを勧めることは難しいのだとか。

「プラスシリーズの良さは、アスペクト比が16対9だから、画面いっぱいにコンテンツを表示できるところ。Xは約18対9なので、サイドが1ずつ余るんです。Xを選ぶ人は根本的に画面が大きいほうがいい人たちですが、“プラスユーザにXの良さは説明しにくい”と感じるのが、プラスのメリットですね」

このように徹底したユーザ目線で製品をレビューするかじがやさんには、年間1000件もの相談が舞い込みます。

「SNSなどでも生の声を聞いているので、ユーザ目線でおすすめすることを大切にしています。4年ぶりにiPhoneを機種変更する先輩芸人には、操作性が変わるほうがストレスだろうと思ったので、8プラスをおすすめしました。頻繁に機種を変えない人は、iPhone自体が得意じゃないし、重要度も低いだろうと」

 

認証の選択肢がほしい

周囲のiPhone Xへの関心は高いようで、よく質問されるといいます。その際は基本的に「すごくいいですよ」と褒めつつ、相手のレベルに合わせて答えているそうです。では、あえてXのデメリットを挙げるとするなら?

「頑張ってほしいなと思うのは、マスクをしているときの認証です。日本では冬や花粉症の季節は、マスクをします。セキュリティの精度が落ちることを許容したうえでフェイスIDで認証するなり、指紋認証を併設するなり、選択肢は設けてほしいところです。芸能人はマスクをする人も多いので、これからは週刊誌の記者がマスクを下げた瞬間をカメラで狙う『フェイスID待ち』があるかもしれません(笑)」

ほかにも「アップルペイで顔認証するとき、サイドボタンを2回押す必要があるので少し面倒」など、徹底的にユーザ目線での改善案を教えてくれました。

かじがやさんは12月7日に新刊『iPhone芸人かじがや卓哉のスゴいiPhone』(インプレス)を発売予定。最新iPhoneに関する便利なテクニックを多数紹介しているので、皆さんぜひチェックしておきましょう。

 

 

便利技の1つとして、かじがやさんが教えてくれたのが、Face IDの画面注視認識機能。「Safariなどで文章を読んでいるとき、操作していないと画面が暗くなることがありますよね。iPhone Xでは、顔が画面に向いていることをTrueDepthカメラが認識するので、勝手に画面が暗くなることがありません。標準でオンになっているので、意外と知られていない機能かも」。

 

 

普段はiPhone XとiPhone 8に加えて、研究用としてAndroidデバイスも持ち歩くというかじがやさん。「『世界を知らないのに世界を語るな』が僕の持論です(笑)」。右ポケットにiPhone、左ポケットにNexus 5Xを入れて、日々研究しているそうです。Nexusを選んだ理由は、「Google純正でOSのアップデートにすぐ対応するから」とのこと。

 

 

かじがやさんおすすめのiPhone X便利技

かじがやさんは、数多くのiPhone便利技を知る「iPhoneマスター」でもあります。ネタを仕入れるため、新しいデバイスを購入したあとは、まず「設定」アプリを上から順に見ていくのだとか。「裏ワザは『アクセシビリティ』の項目にあることが多いので、特に念入りにチェックしています」とのこと。

そこで、かじがやさんにiPhone Xの便利技を教えてもらいました。それは、片手で素早くコントロールセンターを開く方法です。iPhone Xでは、コントロールセンターを呼び出す際、画面の右上から下にスワイプしますが、片手でこの操作は難しいところ。そこで、iPhoneに搭載されている「簡易アクセス機能」を利用します。画面の大きいiPhone Xならではの悩みが解消されるので、iPhone Xユーザは使ってみましょう。

 

(1)まずは、ホーム画面のDockの下半分あたりを下にスワイプ。そうすると画面表示全体が下がります。これには、「設定」アプリで[一般]>[アクセシビリティ]を開き、[簡易アクセス]をオンにしておきましょう。

 

(2)次に、アプリアイコンが下がってできた空白の右上部分を、下にスワイプしましょう。この技を利用しない場合、コントロールセンターは画面右上からスワイプしなければなりません。

 

(3)すると、コントロールセンターが出現します。同じ要領で上部中央から下にスワイプすれば、通知センターも表示可能。親指をディスプレイの最上部まで持っていく必要がなく、手の小さい女性でも簡単に操作できるようになります。