『テロメア・エフェクト』書評|MacFan

アラカルト トクホン。

『テロメア・エフェクト』書評

文●徳本昌大

読書ブロガー・徳本昌大氏がオススメする今月の1冊。仕事に、人生に、本は新たな気づきを与えてくれる。

いい人生を長く生きられるかどうかはその生き方次第

 

科学的に証明された「老い」と心の関係

あなたの細胞は、老いていく。けれど、そのときが来るより早く老いる必要はない。私たちのおおかたが本当に望んでいるのは、満足のいく人生を長く送ること、そしてそのために細胞の老化をぎりぎりまで遅らせることだ。(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル)

多くの人は、「老い」について仕方がないものと考えているのではないでしょうか。しかし、年齢の割に外見が若い人もいれば、驚くほど老けて見える人もいます。この違いはなんでしょう? 実はそこには、ある科学的理由があったのです。

人間の老化とは、細胞のDNAが徐々に損傷を受け、細胞が不可逆的に老化し、その機能を失うこと。それに深く関わっているのが「テロメア」です。

テロメアとは染色体の先端部分。細胞が分裂するたびに短くなり、それによって細胞の老化の速度や細胞の死期が決定します。加齢にともなう大半の疾患の原因は、このテロメアの短縮およびその背後にあるメカニズムに起因している可能性が高いといいます。

たとえば、血管壁の細胞の多くが老化すれば動脈が硬化し、心臓発作が起きやすくなります。免疫細胞が老化していくとウイルスを感知できなくなり、インフルエンザや肺炎にかかりやすくなります。老化した細胞からは炎症誘発性の物質が漏れ出しやすく、その結果人は痛みに弱くなったり、慢性疾患にかかりやすくなったりします。

 



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