2017.09.13
GraphersRock
CDジャケット、アパレルデザイン、広告を中心にさまざまなデザインを手がけるアートディレクター/グラフィックデザイナー。最近では、スポーツブランド「PUMA」のスニーカーやバックパックなどのデザインを展開。作品制作の傍ら、日本電子専門学校グラフィックデザイン科非常勤講師を務めている。
こだわりがつまったおもちゃ箱
おもちゃ箱─扉の向こうには、そんな表現がぴったりの空間が広がっていました。笑顔で迎えてくれたのは、グラファーズロック(GraphersRock)の名で活躍する、グラフィックデザイナーの岩屋民穂さん。23歳で独立し、CDジャケットやアパレルなどのさまざまなデザインを手がけています。最近ではプーマのスニーカーデザインも行っており、テン年代のポップカルチャーを牽引する存在として注目されています。
そんな岩屋さんのオフィスなのだから、絶対に普通の空間ではないだろうと期待していましたが、これは予想以上…。本棚やオブジェ、吊るされたスニーカー、自転車…あらゆるモノが部屋を埋め尽くさんばかりに並べられており、まるでジブリ映画を思わせる光景。しかし、一見雑然としているようで、しっかりとした秩序が表れているのはさすがです。
もちろん、テレビやラック、デスクなど一般的な家具もありますが、どれ1つとっても「どこで買ったの?」と聞きたくなるような珍しいものばかり。テレビも無機質なパネルのようなモニタが大小3つ並んでおり、画面が映っていなければデジタルサイネージと勘違いしそうな見た目です。
「これはブラックマジック(Blac kmagic)が出しているテレビ局用のモニタで、パーツごとにバラ売りしていたものを買って組み合わせたんです。出力が業務用のマニアックな規格になっているので、HDMIに変換するアダプタを組み合わせて使っています」
普通に買えば変換アダプタなど必要のないテレビ1つとってもこれなのだから、それ以外のモノについては推して知るべし。たとえば、カメラ。学生時代からフィルムカメラが好きだったという岩屋さんは、現在仕事用と趣味用に複数台のカメラを所持。もちろん、普通の一眼レフやコンパクトデジカメなどではありません。仕事用にはハッセルブラッド(Hasselblad)の中判カメラに、フェーズワン(Phase One)のデジタルバックを付けてデジタル化して使っています。また、ソニーから発売されたレンズカメラ「ILCE-QX1」も愛用中。Wi─Fiで接続したiPhoneをモニタ代わりに使えるというもので、相当なガジェット好きでないとなかなか手を出さない一品です。
Blackmagic Designのモニタ
オフィスに置いてあるテレビモニタは、映像機器メーカーであるBlackmagic Design製の「SmartView HD Studio Monitor」。出力規格が特殊なものであるため、岩屋さんはHDMIアダプタを使用してHDMIで出力できるようにしています。
ソニーのILCE-QX1
ソニーのレンズスタイルカメラ「ILCE-QX1」は、モニタなどはなく、Wi-Fiで接続したiPhoneをモニタ代わりにするという変わり種のカメラ。モニタとレンズが分離しているため、手元でモニタを見ながらレンズを違う場所に置いて撮影するといった新しいスタイルが可能です。