2017.08.14
「なぜ今こんなにプログラミングが流行っているの?」「本当にプログラミングスキルって必要なの?」 そんな疑問に答えます。
なぜプログラミングができたほうがいいかといえば、ずばり「コンピュータのことをよく知ることができるから」、この一言につきるでしょう。
皆さんには、MacやiPhoneなどのコンピュータがない生活なんてもう考えられないですよね? そうじゃなくてもコンピュータはとても気になる存在に違いありません。そんな身近な存在のことを、もっと詳しく知りたくないですか?
コンピュータを知るために一番いいのがプログラミング言語を学ぶことなのです。日本語を話さない外国の人と仲良くなりたかったら、その人の母国語を学習します。それと同じで、プログラミング言語はコンピュータの言語なわけですから、それができるようになればコンピュータと仲良くなれるのです。
え? コンピュータはゼロとイチだけの2進数で話すんですよね、そんなの私にはわかりませんって? 安心してください。あとでも出てきますが、コンピュータの話す言葉(マシン語)そのものはさすがに難しすぎるので、専門のプログラマーもそれをそのまま扱っているわけではありません。マシン語を人間にもわかるようにかなり簡単にしたCやJavaなどのプログラミング言語を学習するのが一般的です。
この特集では、コンピュータとプログラミングの関係をひもときながら、プログラミングの基礎的な概念、プログラムの構造、プログラミング言語の種類について順を追って解説していきます。最後には、どうやってプログラミング言語に入門したらよいかも紹介します。
それでは、まず最初、プログラミングを学んでコンピュータのことをよく知るとどんないいことがあるのでしょうか?
1 コンピュータとよりうまく付き合えるようになる
普段からMacやiPhoneを使っている皆さんは、そこにインストールされているソフトやアプリを使っていることと思います。それらを使いこなせば使いこなすほど、コンピュータを「よく使えている」と思っていませんか? でも、ソフトやアプリを使いこなせるからといって、コンピュータを使いこなしているわけではありません。コンピュータを深く知るからこそできる、「もっとうまい付き合い方」があるんです。
たとえば、コンピュータを使っているとたびたび「困ったこと」が起こります。1日使っていたMacが急に遅くなってファイルもなかなか開けない、なんてことがありますよね。そんなとき、プログラミングの知識がある人だったら、まずメモリ容量が足りているかを疑います。メモリが足りなくなると代わりにストレージ(HDDまたはSSD)が使われますが、ストレージはメモリよりも読み込み/書き込みが遅く、Mac自体の動きが重くなることがあるからです。プログラミングを学ぶことは、コンピュータのしくみを学ぶことでもあるので、こういったトラブルに強くなることができます。
トラブル以外でも、一般のソフトやアプリではフォローしないような「ちょっとしたこと」、たとえば連絡帳の中から仕事関係の人だけを抜き出してリストにする、なんてこともプログラミングができればよりうまくこなせるようになります。「正規表現」という技を使って、名前に「株式」が含まれるものを抜き出せばよいのです。もちろん、この例はExcelのようなソフトでもできますが、「株式会社マイナビ出版」はいいけど「マイナビ出版株式会社」はダメ、というような細かいところまでフォローできるのがプログラミング言語の柔軟なところです。